1.ル・コルビュジエの後期の絵画芸術に注目したはじめての展覧会
活動前半期に焦点をあてた「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」展(国立西洋美術館、2019年)に続き、40歳代以降の円熟期の創作にスポットをあてる日本ではじめての試みです。3連画として展示する《牡牛XVI》《牡牛XVIII》《牡牛》(未完・遺作)は、人間の生命力と精神の進化を象徴的に表した「牡牛」シリーズの集大成です。
2.ゲスト・キュレイターにロバート・ヴォイチュツケ氏
2020年から22年まで国立西洋美術館の客員研究員として滞日したドイツの若手美術史家のロバート・ヴォイチュツケ氏がゲスト・キュレイターとして参画します。ル・コルビュジエによる国立西洋美術館(世界文化遺産)の建築の新たな解釈を示した近著『未完の美術館』に基づく、これまでにない視点のキュレーションが新鮮です。展覧会記念講演会を1月12日(日)に行います。
3.会場構成はウルトラスタジオが手がける洗練の空間
ウルトラスタジオは、3人のメンバーが国際経験を経て結成した気鋭の建築コレクティブ。都市、歴史、物語などを手がかりにディスカッションを重ねて設計を行うスタイルを特徴としています。今回は、ル・コルビュジエの内装に着目して、「インテリア」「コーディネイト」「トランジション」をキーワードに、居住空間のなかに置かれた諸芸術の綜合をイメージして会場を構成します。