ベル・エポック―美しき時代パリに集った芸術家たちワイズマン&マイケル コレクションを中心に終了致しました

ベル・エポック―美しき時代

「ベル・エポック―美しき時代」ご来館にあたって

土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約(平日は予約不要)

9月24日(火)午前10時から予約受付開始

展覧会概要

 19世紀末から1914年頃までのパリが芸術的にもっとも華やいだ時代「ベル・エポック」。本展は、ベル・エポック期から1930年代に至る時代の美術、工芸、舞台、音楽、文学、モード、科学といったさまざまなジャンルで花開いた文化のありようを重層的に紹介するものです。
 会場には、トゥールーズ=ロートレックやジュール・シェレによるポスター、当時のブルジョワたちが身にまとった衣服に装身具、エミール・ガレやルネ・ラリックの工芸作品に加えて、芸術家同士の交流がうかがえる書簡や稀覯本など、その頃のパリの繫栄や活気を鮮明に伝える、多様な分野の作品が並びます。とりわけ、展示の中核をになう、デイヴィッド・E.ワイズマン氏とジャクリーヌ・E.マイケル氏の絵画コレクションは、往時のモンマルトルの世相を色濃く反映した珠玉の作品群です。本邦初公開の同コレクションにもご注目ください。

展覧会会期
2024年10月5日(土)〜 12月15日(日)
開館時間
午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
※11月1日(金)、22日(金)、29日(金)、12月6日(金)、13日(金)、14日(土)は夜間開館 午後8時まで開館(ご入館は午後7時30分まで)
休館日
水曜日(ただし12月11日は開館)
入館料
一般:1,200円、65歳以上:1,100円、大学生・高校生:700円、中学生以下:無料 
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。ホームページ割引引き換え券はこちら
主催
パナソニック汐留美術館、毎日新聞社
後援
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、港区教育委員会
協力
日本航空
企画協力
アートインプレッション

※会期中、一部展示替えします。 [前期]10月5日(土)~11月12日(火)、[後期]11月14日(木)~12月15日(日)。

関連イベント

講演会「映画を展覧会に-ベル•エポック展の舞台裏」

終了致しました 満員になりましたので受付を終了しました

アニメーション映画「ディリリとパリの時間旅行」をきっかけに、展覧会がどのように形作られていったのかを、本展の見どころを交えながらお話しいただきます。

講師
福冨幸 氏(本展国内監修者:岡山県立美術館副管理者・学芸課長)
日時
11月2日(土) 午後2時~午後3時30分(開場 午後1時30分)
定員
150名(要予約)
聴講費
無料(ただし本展の観覧券が必要です)
会場
パナソニック東京汐留ビル 5階ホール

*未就学児はご遠慮ください。
*展覧会観覧には、事前の日時指定予約が必要です。

申し込み方法

【ご予約方法】

ハローダイヤル(050-5541-8600)へお電話にてお申し込みください。

①イベント名 ②参加人数(一度に2名までお申し込みいただけます) ③氏名(全参加希望者) ④住所 ⑤電話番号を承るほか、簡単なアンケートにご協力いただきます。

  • ・2024年9月24日(火)より受付開始
  • ・ご予約の受付時間 午前9時~午後8時
  • ・ご予約の受付は先着順、定員になり次第締め切りとさせていただきます。
  • ・お申し込み時にお知らせする整理番号を活用して入場いただきます。

*お申し込み時に頂いた個人情報は、本イベントの受講管理の目的でのみ使用し、参加希望者はこの目的での使用に同意したものとします。
*定員に達しなかった場合、当日受付をする場合がございます。

当館学芸員によるスライドトーク

終了致しました

本展担当学芸員が、展覧会の見どころや作品をご紹介いたします。

日時
10月29日(火)、11月9日(土)、いずれも午後2時~2時30分
定員
先着50名(予約不要)
聴講費
無料(ただし本展の観覧券が必要です)
会場
パナソニック東京汐留ビル5階ホール

*11月9日(土)の展覧会観覧には、事前の日時指定予約が必要です。

展覧会の見どころと特徴

1.絵画や工芸だけでなく、舞台、音楽、文学、モードなど 
あらゆる分野の芸術文化を重層的に紹介

さまざまな芸術文化、科学が花ひらいたベル・エポック期のパリ。この時代を紹介する本展には、当時描かれた絵画のみならず、当時のブルジョワ階級の女性や子どもたちが身にまとった衣服や装身具、ガレやラリックの工芸作品、シャルル・ボードレールやポール・ヴェルレーヌの初版本や、マルセル・プルーストの自筆書き込み校正刷など、多様な分野の貴重な作品の数々が並びます。

2.シェレ、ロートレック、テオフィル=アレクサンドル・スタンラン 
パリの街を彩ったグラフィック作品が集結

ベル・エポック期、パリでは大小の劇場が多数登場し、賑わいを見せました。演目を紹介するポスターはしばしば、シェレやロートレック、スタンランといった芸術家たちによって描かれ、パリの街路を鮮やかに彩りました。本展ではこうしたポスターも展示し、当時のパリの雰囲気を鮮明に伝えます。

3.マリー・キュリー、シュザンヌ・ヴァラドン、サラ・ベルナール 
自身の才能を社会で発揮した女性たちに注目

ベル・エポック期のパリでは、社会的自立を目指す女性が登場します。本展では、物理学者のマリー・キュリー、画家のモデルを務め、自身も女流画家として活躍したシュザンヌ・ヴァラドン、伝説的な舞台女優サラ・ベルナールといった、さまざまな分野で頭角を現した女性たちを紹介します。また、女性の活躍とともに発展した女性のファッションや装飾美術にも注目します。

第1章 古き良き時代のパリ – 街と人々

パリは、1870年から71年にかけて、普仏戦争とパリ・コミューンの動乱を経験して以降およそ半世紀近くの間、平和と政治的な安定を享受します。この時代に、オペラ座やエッフェル塔、サクレ=クール寺院など、現在のパリの都市景観を象徴する建造物も次々と完成し、巨大な近代都市へと変貌を遂げました。
本章では、当時のパリの暮らしを伝える絵画作品のほか、女性や子どもたちが身に纏った服飾作品、自宅を飾ったマイセンやアール・ヌーヴォーの工芸作品などを取り上げます。一方で、豊かな社会の影で生きる人々を見つめた芸術家たちの作品もご紹介します。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《帽子を被った二人の少女》 1890年頃
パナソニック ホールディングス株式会社蔵
アンリ・ドトゥーシュ
《サロン・デ・サン》 1896年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
© Christopher Fay
《アフタヌーン・ドレス》 1870-1880年代
文化学園服飾博物館蔵

第2章 総合芸術が開花するパリ

パリの街を一望できるモンマルトルは、19世紀から20世紀にかけて、ナポレオン3世が進めた都市整備事業(パリ大改造)によって中心部を離れざるを得なかった市民たちの移住地のひとつでした。また、新興のキャバレーやダンスホール、カフェ・コンセールが軒を連ね、歌やダンス、大道芸が供される歓楽街としても賑わい、近くにアトリエを構えた画家たちの格好の題材となります。モンマルトルは、美術や文芸、音楽、演劇などに携わる多彩なアーティストたちがジャンルを越えて交わり、融合した、ベル・エポックを象徴する場所です。
本章では、ロートレックやシェレ、スタンランによるグラフィック作品とともに、芸術家たちの相互交流がうかがえる作品を紹介します。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ブリュアンはモンマルトルに戻り 『オ・バ・ダフ』を歌う》 1893年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
© Stéphane Pons
ジュール・シェレ
《ムーラン・ルージュ》 1889年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
© Christopher Fay

第3章 華麗なるエンターテイメント 劇場の誘惑

モンマルトルをエンターテイメントの中心地としてさらに強化させたのが、劇場でした。その最たる例が、自然主義演劇を多く上演したテアトル・リーブル(自由劇場)です。エミール・ゾラの小説に基づいた演劇や、ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンの作品など、野心的な演劇作品が上演されたことに加え、上演目録用の挿絵や舞台装飾に様々な芸術家が関わったことで、モンマルトルを拠点としたたくさんのコラボレーションが生まれます。また、非日常的要素を提供するサーカスの存在も、芸術家たちを引き付け、出し物や出演者たちをモチーフにした多くの作品が残されました。フォリー・ベルジェールで披露された、最新の科学技術である電気照明を駆使した、幻想的なロイ・フラーのダンスも芸術家たちの関心を惹き、絵画に表されています。 

シャルル・モラン
《ロイ・フラー(黄色の衣装)》 1895年頃
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
©Stéphane Pons
ジュール・シェレ
《コメディー》 1891年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
©Christopher Fay

第4章 女性たちが活躍する時代へ

世紀末のパリではフェミニズム運動も高まりを見せ、社会的自立を目指す女性が登場します。教育を受けた女性は、初等教育の現場で働き、医師や弁護士の資格を取得する者もいました。1903年には物理学者のマリー・キュリーが、放射線の研究でノーベル賞を受賞しています。芸術の分野は、メアリー・カサットやシュザンヌ・ヴァラドンのような女流画家があらわれ、また、舞台芸術では女優のサラ・ベルナールが人気を博し、ミュシャのさまざまなポスター芸術が生まれました。女性の社会進出を象徴するかのように、ファッションや装飾美術は優雅な曲線美から活動的なスタイルへと移行していきます。本章では、当時、自身の才能を発揮した女性たちにまつわる作品や、アール・デコ期の服飾作品や、ルネ・ラリックの作品を中心にご覧いただきます。

アルフォンス・ミュシャ
《サラ・ベルナール》 1896年
堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市)蔵
[ 展示期間:10/5~11/12 ]
シュザンヌ・ヴァラドン
《フルーツ鉢》 1917年
デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵
©Christopher Fay

ワイズマン&マイケル コレクションについて

本展では、デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル夫妻のコレクションの一部を展示します。アメリカの大手通信企業の創設者であるデイヴィッド氏と、弁護士および慈善事業家であるジャクリーヌ氏の両名が収集した同コレクションは、19世紀末から20世紀初頭、モンマルトルで活躍した若い芸術家たちの前衛的な作品によって構成されています。とりわけ、ベル・エポック期のパリの街路を鮮やかに彩ったロートレック、シェレ、スタンランらによるポスターや、女流画家の先駆的存在であるヴァラドンの油彩やデッサンは同コレクションの目玉です。

ジャクリーヌ・E.マイケル氏(左)とデイヴィッド・E.ワイズマン氏(右)フロリダ州パームビーチの自邸にて