マイセン動物園展

展覧会のみどころ

マイセンの「動物」にテーマを絞った展覧会!

《ライネケのキツネ》や《猿の楽団》といった動物彫刻から壺や皿に描かれた動物まで、リアルでありながら可愛らしいマイセンの超絶的な技法による動物たちが一堂に会します。

出品作品の9割が初公開

約9割の作品が展覧会に初出品ですが、ほとんどが個人蔵なので次回公開は未定です。 この機会をお見逃しなく!

約120点からなる出品作品の8割が彫像作品

高級洋食器として知られるマイセンですがその技術力の高さは、彫像作品に良くあらわされていると言えるでしょう。マイセンの造形力の素晴らしさをぜひご堪能ください。

第 1 章 神話と寓話の中の動物

西洋美術には神話や寓話を主題とした作品が多くあります。それは絵画や彫刻などファインアートだけでなく陶磁器など工芸分野でも連綿と引き継がれてきました。第1章ではマイセン磁器で表現された神話と寓話をモチーフとした作品をご紹介します。人間を風刺した《猿の楽団》やアメリカ大陸発見により各地域への異国への憧憬をうながす《四大陸》などにおける動物が磁器で表現された様をご覧いただけます。

《猿の楽団》
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー、ペーター・ライニッケ
1820~1920年頃 個人蔵

第 2 章 器に表された動物

マイセンなどヨーロッパの陶磁器工房ではいわゆる器にも動物装飾は用いられています。それらは描かれたり彫刻として付加されたり様々な形で表され愛らしさを添えています。またたくさんの小花彫刻を貼り付けて磁胎を装飾するいわゆる「スノーボール」はマイセンを代表するシリーズのひとつであり愛好家も多く存在します。スノーボールは徐々に鳥類の彫刻が付加され自然主義的要素が濃くなっていきました。第2章ではスノーボール作品を中心に、器の形態のマイセン作品に表された動物たちをご紹介します。

《スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺》
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー
1820~1920年頃 個人蔵

第 3 章 アール・ヌーヴォーの動物

19世紀末から20世紀初頭にかけ、ヨーロッパの美術工芸界ではアール・ヌーヴォー(ドイツ語圏ではユーゲント・シュティール)と呼ばれる様式が流行しました。これは曲線の多用に代表される有機的なフォルムを特徴とした様式で、マイセンでも取り入れられました。そしてこの曲線を生かすためにマイセンでは色彩部分でイングレイズという技法を導入しました。これは釉薬の中に絵具を染み込ませ閉じ込める技法で、柔らかな見た目と磁胎と釉薬に挟まれたことによる定着性が特徴と言えるでしょう。第3章ではその柔らかい色合いを生かし表現された犬や猫、ペンギンといった動物たちの表情をご覧いただけます。

《二匹の猫》
オットー・ピルツ
1934~1940年頃 個人蔵

第 4 章 マックス・エッサーの動物

マックス・エッサーは1920~30年代のマイセンでモデラーとして活躍した彫刻家です。マイセンにおけるアール・デコ様式を確立した一人ですが、とりわけベッドガー炻器で制作した動物彫刻が彼の名を知らしめた作品群と言えるでしょう。第4章ではエッサーによるベッドガー炻器や磁器による動物に加え、エッサーに影響を受けた成型師による動物彫刻を展示します。

《ライネケのキツネ》
マックス・エッサー
1924~1934年頃 個人蔵