- 活動レポート
#Week3
2021-2022年シーズンがスタートして3週目。昨年のリーダー陣が週替わりでリーダーを務めるプレシーズン、今週は堀江翔太選手がチームを率いる。
これまでの3週間を「ハイウィーク」とし、フィットネスを上げるためのトレーニングメニューを中心に行った選手たち。短い距離を繰り返し走る有酸素運動は、1回の練習でおよそ5km走ることになる。それを週に2~4回、実施した。
体力的にどれほど厳しくても、選手はそのトレーニングが狙いに適しているかなど、その場で意見を出し合う。またコーチ陣は選手たちの声を拾い上げる。今週も明るい雰囲気の中練習を行った。
★★★ 今週のピックアップ ★★★
谷昌樹選手
昨シーズンはリーダー陣の1人としてチームをまとめ、優勝に大きく貢献した谷選手。
しかし、公式戦への出場はならなかった。
一選手として悔しいシーズンを過ごした今、来たるシーズンでは「スタメンで優勝」を目標に掲げた。そのために必要な「120%」とは何か。ラグビーへの情熱とユーモアセンスを兼ね備える谷選手に話を聞いた。
■チームとしては嬉しい優勝、選手としては悔しいシーズン
――リーダー陣の1人としてチームをまとめた昨シーズン、見事、優勝をつかみましたね
僕がワイルドナイツに入部して4度目の優勝ですね。リーダー陣だったので特別嬉しい、というよりも、久しぶりに優勝を味わえたことに嬉しさを感じています。
実は昨シーズン、コロナ対策のためチームを二分割してトレーニングした時期がありました。プレーオフに入った頃に僕と金田(瑛司選手)がコーチに呼ばれ、「チームを2つに分ける」と言われて。ナイツ側、つまり試合に出場しないメンバーの指揮を執って、そのチームが崩れないよう引っ張って欲しいと要望されました。
悔しい気持ちがあったのは事実です。試合に出て活躍したい、という一選手としての強い思いを持っているので。ただ、自分の立場やチームのことを考えると全然大丈夫。今振り返ると、そういう経験が出来て良かったと思っています。コロナでイレギュラーなことがあったにせよ、優勝につながって本当に良かったです。
――様々な葛藤を抱えたシーズンでしたね。そんな中、谷選手が大切にしていることは何でしょう
『感謝と謙虚』です。新しいクラブハウスが完成しましたが、自分たちの力で建てたわけではありません。埼玉県ラグビー協会やパナソニックはもとより、埼玉県や熊谷市、地域のみなさんの協力があってこそ。こうしたことを常に念頭においてクラブハウスを使い練習に励まないと、たとえ優勝出来たとしても、その栄光を継続することは出来ません。
感謝の気持ちを忘れずにいたいと思います。後輩たちは、物珍しさにウキウキしちゃうと思うんで(笑)、この思いを受け継いでもらうよう働きかけたいですね。
――会社では経営企画部門に所属していると伺いました。仕事はラグビーのプラスになっていますか
上司からPDCAサイクルの重要性が分かる仕事を経験して欲しいと言われ、事務局的な仕事を2つ担当しています。一つはコストカット、もう一つは価格や出荷を含めた生産管理です。在りたい姿を設定し、それに向けいつまでにどうスムーズに実行するのかを計画、実行していくといったプロセスはラグビーも一緒です。PDCAが大事だとつくづく感じます。
■地域とワイルドナイツが繋がる企画を考えたい
――熊谷に移転して一ヵ月弱。太田との一番の違いは何でしょう
ミーティング会場が広いことですね。練習途中にミーティングをすることもあるので、とても便利です。例えば全体練習をした後、ユニット毎の練習前に一度ミーティングをするのですが、その時にスパイクをいちいち脱がずにクラブハウスへ出入りできる。それがとてもスムーズで気に入っています。
――社員選手にとって変わったことはありますか
これまで太田では、朝クラブハウスでウエイトトレーニングをしてから出社し、午後は全体トレーニング、というのが1日のスケジュールでした。ここ熊谷では、出社して業務を終えたら、クラブハウスでウエイトトレーニング。その後、全体トレーニングをするというルーティンに変えています。
太田・大泉に住んでいる選手が多く、このルーティンが適するのがどうか、試験中といったところです。
――熊谷でチャレンジしたいことがあれば教えてください
地域と交流できる機会をもっと作りたいと思っています。広報の酒井さんと話しているのですが、まずは飲食店を巡りたいですね。
熊谷とワイルドナイツの繋がりが深まる企画をYouTubeなどSNSで発信したいので、協力しても良いというお店の方、ぜひ立候補して欲しいです!忖度なしの食レポをしたいと思います!
■全部120%で
――プレシーズンのテーマを教えてください
『120%』です。オフシーズン中の1ヵ月間、佐藤義人トレーナーのもとでトレーニングをした際、「いつもどこかで余力を残している」と指摘されました。
だから今年は何事も120%でやります、と宣言しました。練習から120%です!
――今シーズンの個人目標は
スタメンで優勝です。そのためには先ほど言った120%が大事になってきます。正直、今まで自分では余力を残していることに気付いていませんでした。ましてや120%出すという考えもしなかった。自問自答することで、120%に近づけるのでは、と思っています。
そのためにも「自分がやりたいプレーを、試合で出せるまで練習する」ことが大事。去年は1試合も出られなかったので、今年こそはスタメンで出ます。
――もうすぐ31歳になる谷選手。何歳までラグビーを続けるのか、目標年齢はありますか
負けず嫌いが無くなったら辞めます(笑)。対戦相手はもちろん、チームメイトにも負けたくないという気持ちが今も昔も一番の原動力です。それが失われたら、終わりだと思っています。
「成長したい」という気持ちは、勢いのある若手選手たちをはじめ、他の誰にも負けません。
――とても良いチーム循環ですよね。先輩の向上心を目の当たりにする若手選手たちは、負けん気全開で挑むことが出来る
リスペクトは後輩が決めるもの、と僕は思っています!
――ご自身のキャリアパスはどのように描いていますか
僕、よく変わるんです。少し前までは、50歳で退職して悠々自適な生活を送ることに憧れていましたけど、働き続けたいという自分もいる。こう言ってても明日には変わっているかもしれません。だから、自分のやりたいことをやる、というのが今の自分の目標です。
――最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします
コロナ禍の大変な状況の中でも、ワイルドナイツを応援してくださっている皆様に感謝しています。ファンクラブに入って僕たちを支えてくださっている方にも、TVの前で応援してくださっている方にも、感謝の気持ちで一杯です。
熊谷ではグラウンドでの練習を見学できます。機会があれば実際に「来て・見て・何かを感じてもらいたい」ですね。グラウンド前のホテルに泊まって頂くことも可能です。今は直接お話することは出来ませんが、会いに来ていただけたら幸せです。
あ、今シーズンも優勝します!
(&rugby/原田友莉子)