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MATCH INFORMATION
試合詳細

NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 プレーオフ 決勝

VISITOR

埼玉WK

18

10

前半

3

8

後半

9

12

東京SG

国立(東京)

2022年05月29日(日) 15:00 KICK OFF
前半
後半
前半
後半
1
1
T
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0
1
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DG
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10
8
小計
3
9

STARTING MEMBER

  1. 1

    稲垣 啓太

  2. 2

    坂手 淳史

  3. 3

    藤井 大喜

  4. 4

    ジャック コーネルセン

  5. 5

    ジョージ クルーズ

  6. 6

    ベン ガンター

  7. 7

    ラクラン ボーシェー

  8. 8

    布巻 峻介

  9. 9

    内田 啓介

  10. 10

    山沢 拓也

  11. 11

    マリカ コロインベテ

  12. 12

    ハドレー パークス

  13. 13

    ディラン ライリー

  14. 14

    竹山 晃暉

  15. 15

    野口 竜司

ゲームキャプテン

RESERVE MEMBER

MATCH REPORT

マッチリポート

試合前

照り付ける日差しの下迎えた、NTTジャパンラグビー リーグワン2022 プレーオフトーナメント 決勝。気温は30度を超え、この試合がタフな80分間になるであろうことを早くも予感させる。

まずはプレイスキッカーを担う山沢拓也選手、竹山晃暉選手がピッチに姿を現し、キックフォームの確認を行う。
そしてチーム練習が始まれば、選手たちの表情も一様に引き締まった。

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この試合のキーポイントになるであろう、ブレイクダウンとセットピース。その大部分を担うFW陣は、モール練習の後、ハドルの中でジョージ クルーズ選手、稲垣啓太選手の熱い言葉に耳を傾けた。

そして自身初の先発を担う入団3年目の藤井大喜選手は、スクラム練習を終えると次々に仲間から激励を受ける。ベン ガンター選手に坂手淳史キャプテン、稲垣選手にクルーズ選手。頭や背中、肩を叩かれながら声を掛けられれば、藤井選手の顔には少しばかり笑顔が戻った。

いつも通りのルーティンでウォーミングアップを終えた選手たちは、各々にロッカーバック。メインスタンド4階席に座るノンメンバーたちも、大きく手を突き上げながら、戦いへ向かう23人に勇気を届けた。

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ジャージに着替えた選手たちが入場する、その目の前には優勝トロフィーが。これを掲げるため、勝ち取るための80分間を迎える。

国歌斉唱のアナウンスが流れると、自然と我先に肩を組み始めた埼玉ワイルドナイツの選手たち。
一つになること。コミュニケーションを取り続けること。リンクすること、同じ絵を描くこと。

その全てが、この瞬間から始まった。

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前半

試合開始を告げるホイッスルが鳴ると、まずはエリアを確保すべく両チームともにキックの蹴り合いで試合はスタートする。
拮抗した戦いが続く中、2連続でキックチャージに合い、自陣22m付近でフェーズを重ねられたのは埼玉ワイルドナイツ。
この日初めてNo.8として出場した布巻峻介選手のタックルに、初先発・藤井選手のタックル。次々と体を当て止めるが、最後はペナルティー。この試合1つ目の反則で東京サンゴリアスにPGを狙われ、先制の3点を許す。前半6分、0-3と静かにゲームは動いた。

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続くキックオフから細かくショートサイドでパスを繋ぐと、互いに規律高くボールを持ち続ける。攻め所を探すかのようにロングキックを蹴り合うゲーム展開へと、再び突入した。

前半11分、ハーフウェー付近のマイボールラインアウトで粘ると、ボールを逆サイドに展開。
中央でいくつか体を当てた後、ディラン ライリー選手が大外の竹山選手にワンテンポ遅らせて楕円球を放る。そのボールを迷いなく裏のスペースに蹴り上げた竹山選手、内側で走り込んでいたSH内田啓介選手の手に収まりそのままグラウンディングするが、TMOの結果残念ながらスローフォワードの判定。幻のトライとなった。

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しかし、そこで終わらない埼玉ワイルドナイツ。組まれたファーストスクラムが相手ボールでありながらも、組み勝つ。
ファーストスクラム、且つ相手ボールでの勝利に、バックス陣も駆け寄って祝福する。

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ペナルティーゴールを選択し、山沢選手がおよそ45mのロングキックを成功させれば無事に3点を獲得。
前半14分、3-3の同点とした。

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前半18分には、山沢選手の低いタックルで相手を倒した所、すかさずジャッカルに入ったのはラクラン ボーシェー選手。ジャッカルコレクターが、決勝の舞台でまずは1つ目のジャッカルを獲得した。

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前半20分、ラインアウトから出てきたボールを内田選手がボックスキックで高く蹴り上げた所、オブストラクションは東京SG。山沢選手が再びPGを狙うが、ここは外れてしまいスコアならない。

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マリカ コロインベテ選手が見せた、タックラーを引きずりながらの30mゲイン。
山沢選手の意表を突いた縦突破。
布巻選手、ライリー選手の倒されない強いボールキャリー。
それぞれが見せ場を作る。

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しかし、22m内に攻め入った所でボールを離せず反則を取られると、陣地を押し戻される。
それでもハイボールで野口竜司選手が体を張り、再び敵陣に戻すと、ラインアウトから攻撃を継続する。山沢選手、ハドレー選手、内田選手、ライリー選手、野口選手と繋がり、少しコースを変えながら縦に切り込んだ後、大外のコロインベテ選手へ一気に回せばそのまま走り込んだコロインベテ選手がトライ。山沢選手のコンバージョンゴールも成功し、10-3。前半30分、この試合初めてのリードを奪う。

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野口選手がタックルを受け倒れ込んでいると、その姿を見た布巻選手は、全速力で走って数十メートル離れた場所から駆け付けた。これこそが、布巻峻介というプレイヤーの視野の広さと優しさを表す。

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前半32分、相手ラインアウトにジャック コーネルセン選手が飛び、プレッシャーを掛けノットストレートを誘う。
準決勝に引き続き、ラインアウトディフェンスを周到に準備していた埼玉ワイルドナイツ。坂手キャプテンも後に「完璧でしたね」と話すほど、ラインアウトの分析と対策が効いた。

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獲得したマイボールスクラムからコロインベテ選手が走り込むと、パークス選手、布巻選手、もう一度コロインベテ選手と繋がり、そのままラックサイドを切り込んだコロインベテ選手がトライ。
インゴール裏でウォーミングアップを行っていたリザーブメンバーも駆け付け、トライを喜んだ。
かと思いきや、ここでもTMO判定の結果ノックオンでノートライに。なかなかスコアを重ねることが出来ない。

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ボーシェー選手2つ目のジャッカルは、35分。
ブレイクダウンでターンオーバーされたところ、藤井選手が相手選手の足を掴みゲインを阻止。そこでの球出しに絡んだボーシェー選手。
ターンオーバーされてからのジャッカルと、目まぐるしい、だけれども見応えのある展開に会場も盛り上がる。迷わず山沢選手がPGを狙ったが、ここも外れ3点追加ならず。

ファンへ挨拶

前半最大のピンチであり、この試合最大の見せ場は、前半終了間際に訪れた。
右サイドで大きなゲインを許した後、スクラムから攻め込まれるが、布巻選手や野口選手、クルーズ選手らのタックルで決定機を作り出させない。
しかし相手はアタッキングラグビーを掲げる東京SG。あっという間にインゴール間際まで攻め込まれると、ここでも坂手キャプテンや内田選手らが次々とタックルへ入る。ついには東京SGのFB・マッケンジー選手に抜けられてしまいトライを覚悟すると、最後まで諦めずに追いかけ足を刈ったのは山沢選手だった。伸ばした手でノックオンを誘い、値千金のトライセーブ。珍しく、ほっとした表情を見せた。

前半を、10-3の7点リードで折り返す。

ファンへ挨拶

後半

ハーフタイムをロッカーで過ごすと、真っ先にピッチに姿を現したのは坂手キャプテン。入場口の方を振り返り、仲間を迎え入れた。

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ワイルドナイツボールでキックオフした後半も、互いに決定機を生み出すことが出来ない。
タッチに出ること、両チーム合わせて計3回。ラインアウトが重なる。

コーネルセン選手にガンター選手の強烈なタックル。ヴァルアサエリ愛選手のタックルでノックオンを誘えば、マイボールスクラムを獲得した。

しかし、2番・3番が変わった最初のスクラムでコラプシングを取られてしまう。
東京SGがPGを選択し、3点を沈めれば10-6。後半12分、4点差に迫られた。

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17分、埼玉ワイルドナイツのペナルティーから再びPGを選んだのは東京SG。ゴールほぼ正面から40m超のボールを蹴り込むと、しっかりと沈めた。10-9、ついに1点差に迫る。

後半21分、ゴールラインドロップアウトで蹴り込まれたボールを山沢選手がキャッチすると、左右を確認してキックモーションに入った山沢選手。意表をついたドロップゴールも、しかしこれは外れ得点ならず。

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ピリピリとした緊張感が張り巡る。
「ボールを持ってはいるものの、どこかそのボールを上手いこと活かせなかった」とはSH内田啓介選手。相手にボールを持たせアタックをさせるのではなく、自らポゼッションを得ていたがなかなか敵陣22m内に入り込めない時間帯が続く。

後半24分、相手のオフサイドでPGの機会を得ると、ゆっくり時間を掛けてセットした埼玉ワイルドナイツのゲームメーカー。30m程のプレイスキックを成功させ、13-9。4点差に戻した。

しかし相手はアタックの雄、東京SG。ペナルティーには迷いなくショットを選択する。後半26分、この試合埼玉ワイルドナイツとして6つ目の反則。そして4本目のPG。13-12、再び1点差に戻された。

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坂手キャプテンはベンチに戻った後も、ずっと立ったまま、ピッチで戦う選手たちに向かって声を掛け続ける。
互いに固い守り。なかなか突破口を開くことができない、両チーム。

後半30分、相手ボールスクラムで思いっきり押し込みコラプシングを獲得すると、ラインアウトから攻撃を続けた。逆サイドに展開し戻した所、長谷川崚太選手、コーネルセン選手、クルーズ選手、山沢選手、アソ選手、もう一度戻して細かく長谷川選手がゲイン。

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山沢選手、ライリー選手と繋がり、一瞬のうちに裏に抜け出せば、力強く手を伸ばしトライを奪う。
ジリジリとした我慢比べの中、少しずつチャンスを伺いながら最後は今季トライ王を獲得したライリー選手の判断光るトライに、ベンチメンバーも全員が立ち上がり、ともに喜ぶ。後半35分、18-12と6点まで点差を広げた。

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しかし、1トライ1ゴールで逆転を許す緊迫した展開は変わらない。
運命を分ける最後の5分、ベンチメンバーは立ち上がって応援した。坂手キャプテンは、セミシ トゥポウ選手と肩を組む。

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自陣でのディフェンスが続く中、東京SG・中村キャプテンにタックルに入ったのは、ライリー選手とボーシェー選手。
ケレビ選手にはコーネルセン選手と竹山選手が、続いて堀江選手・稲垣選手が体を当て、ヴァル選手ともう一度堀江選手がラックの中に頭を入れた。

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ケレビ選手の足に山沢選手が絡み、ジャッカルモーションに入ったのはヴィンス アソ選手。レフリーの手が埼玉ワイルドナイツ側に上がり、笛が吹かれると、みなが声を上げながら喜びを表した。

最後の1分。
ハーフウェー付近で投げ入れられたマイボールラインアウトからモールで時間を使うと、FW戦に移行し時間を使いながら体を当てる。2つ、3つとフェーズを重ねた先で、ボールは東京SGの手に渡る。

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しかし、この試合の肝はブレイクダウン勝負になると準備をしていた選手たち。左サイドで相手ウイングに抜けられそうになった所、試合を決定付けるジャッカルを決めたのは、我らが司令塔・山沢拓也選手。笛が鳴った瞬間、全ての選手が大きく手を天に掲げた。
そのまま80分の経過を告げるホーンが鳴ると、SH小山大輝選手が落ち着いてボールを蹴り出し試合終了。

最後まで東京SGにトライを与えなかった、埼玉ワイルドナイツ。
18-12と6点上回り、リーグワン初代王座の栄冠を手にした。

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試合後

稲垣選手とクルーズ選手が抱き合い、ボーシェー選手は膝をつく。
ウォーターを務めていたエセイ ハアンガナ選手が藤井選手を抱き上げ、竹山選手は真っ先にベンチへ駆け寄り支えてくれたスタッフ陣の胸に顔をうずめ、涙した。

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笑顔と涙が入り混じる、歓喜のひと時。
積み重ねてきた努力が報われた瞬間、様々な感情がグラウンド上で解き放たれた。

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背中に大きく描かれた『10』を80分間全うし切った山沢選手は、じっと、目頭を押さえる。「ただただ、ホッとしています。」試合後、何度も何度も繰り返したその言葉で、どれだけのプレッシャー下にあったのかを理解する。
「山沢さんは、(松田)力也さんの思いも背負っていたと思います」と話したのは、竹山選手。自身も準決勝の舞台でスタンドオフを経験した今だからこそ、汲み取れる感情があった。

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坂手キャプテン、そして堀江選手。二人の偉大なるフッカーでありチームを牽引するリーダーたちの目にも、光るものがある。

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メインスタンドから選手たちの一挙手一投足に声援を送っていたノンメンバーたちも、勝利が決まった瞬間に両手を高く上げ、椅子から立ち上がり歓声を上げる。そして祝福の輪に加わるべくグラウンドに下りると、ノンメンバーを見つけ真っ先に駆け寄ったのは布巻選手。「優勝して真っ先に思い浮かんだのは、スタンドから見てくれていた選手たちのことです。」満面の笑みで、仲間に両手を広げた。

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そんな布巻選手の胸に我先にと飛び込んだのは、大西樹選手と福井翔大選手。コンディション整わず決勝戦に出場出来なかったバックローの若手選手たちは、同じポジションの先輩の腕の中で涙した。

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福井選手はすぐさまテレビ電話を繋ぎ、仲間を呼び寄せ手を振る。画面の向こう側には、この場所に来ることが出来なかった松田力也選手の姿が。集合写真に収まる時も、グラウンドを一周し挨拶する時も画面を向け、初代チャンピオンをともに作りあげた松田選手に、テッペンからの景色を届けた。

じっと涙を流す、権裕人選手。島根一磨選手、藤田慶和選手らも堪えきれない思いを表した。 ミラー選手が藤井選手にキスを贈ると、ヴァル選手、クルーズ選手もみな、藤井選手の頭をくしゃくしゃに。新妻汰一選手、新井翼選手もそっと、大役を果たし切った同期へ最後に声を掛けた。

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優勝セレモニーが行われる壇上に上がる前、僅かばかりの間天を見上げたのは堀江選手。誰かに何かを語り掛けるかのように、じっと1人の時間を作った。

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塗り替えられることのない、リーグワン初代チャンピオン。
真っ新な、まだ誰の手にも渡っていない優勝トロフィーを受け取ると、銀テープが舞う中大きく掲げた。
弾ける笑顔を見せた、試合ジャージを着ている選手たち。
その傍らには、チームスーツの上から優勝記念Tシャツを纏い、拍手を送るノンメンバーの選手たちがいた。そっと輪から外れ、涙を拭ったのは戸室達貴選手。新井選手も、目頭を押さえた。

誰一人として欠けても、成り立つことのなかった2022年シーズン。
コロナによる開幕2戦の不戦敗を全員で乗り越え、見事16連勝。
優勝を掴み取った。

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試合後インタビュー

■ロビー ディーンズ監督
ロビー ディーンズ監督

非常にタフな試合となりました。リーグワン初の決勝に相応しいゲームになったと思います。
この結果を得るために、たくさんのハードワークを求められました。今日は中々普段通りの私たちのプレーはできませんでしたが、それでも活路を見出してくれたことを嬉しく思います。特に坂手選手は連覇を果たしてくれたキャプテンです。非常に頼もしい限りです。
突出したスターはいませんが、2人の素晴らしいリーダーがいます。坂手キャプテン、堀江選手。2人の素晴らしいフッカーが、試合の準備からゲーム中に至るまで、チームを引っ張ってくれました。そのおかげで、今のチームワークが醸成されているのだと思います。
またクルーズ選手についても、彼のキャリアを優勝という形で終えられたこと、非常に嬉しく思います。クルーズ選手は埼玉ワイルドナイツに来るまでも数々の栄光を勝ち取ってきており、有終の美を飾ることが出来ました。
良い人間性を持ち合わせており、周りからも好かれている選手です。以上に良い要素をチームに加えてくれていたので、彼がいなくなってしまうことは寂しい所があります。
今日はクルーズ選手のお母様もイギリスからいらっしゃっており、最後の試合を観戦できたことを嬉しく思います。お母さまも誇りに思っていらっしゃるのではないでしょうか。

■坂手 淳史キャプテン
坂手 淳史キャプテン

ロビーさんが言う通り、タフなゲームでした。最後の1秒までどちらに転ぶか分からなくて。それは決してスコア上のことだけではなく、接点やセットプレー、ラグビーに関する全ての要因がすごくタフでした。
その中で埼玉ワイルドナイツとして勝利を手にすることが出来たこと。みんなを誇りに思いますし、1年間やってきたことを出せたと思います。
東京サンゴリアスさんのプレッシャー、凄かったです。そのプレッシャーを受けた時もありましたし、跳ね除けたこともありました。80分通して本当にタフな、素晴らしいゲームをファンの方にも見て頂けたのではないかなと思います。
今季からチームは熊谷に移転しました。ホームは本当に大事にしていますし、ホームのファンが増えてきて、自分たちを応援してくれる環境をとても嬉しく思います。
熊谷ラグビー場で試合をする時には、たくさんの方々が見に来てくださいます。それだけではなく、毎日の練習にも多くの方がグラウンド横で僕たちのプレーをいつも見てくれています。熊谷の良さ、ホームタウンの良さを毎日感じているからこそ、そういう中でラグビーが出来ることを、チームとしても個人としても誇りに思います。
熊谷の方々に優勝カップを持って帰れることは本当に嬉しいです。たくさん応援してくれているので、少し恩返しが出来たかなと思っています。
最後になりましたが、今日はジョージ(クルーズ選手)の引退ゲームであり、ベン ガンターのワイルドナイツ50キャップという記念すべき日でもありました。そのような日にみんなで優勝カップを掲げられたこと、本当に嬉しく思います。

■稲垣 啓太選手
稲垣 啓太選手

嬉しいですね。各チームがそれぞれのホームスタジアムで収益を上げよう、というのがリーグワンの狙いである中、各チームが様々な働きかけをして、我々も様々な施策を打ち、今日もたくさんの観客の皆様が来てくれました。そのような行動を経て、今日優勝出来たことは様々なラグビー選手に触れてもらうきっかけになったのかな、と思います。そういう観点でも嬉しいです。
今日はフル出場でしたが、80分出ろと言われたら80分出るだけ。今年も神戸S戦で80分間出ましたし、3年目まではフル出場の方が多かったです。決勝の舞台で初心に振り返る良い機会だったと思います。
試合最後、6点差になった場面で、東京SGさんはおそらく1対1の局面を多く作りたかったのではと思います。なので我々としては、1対1の局面を作らせないために何をするか、ということが大事でした。それにはリンクすることが必要であり、且つ何をもって繋がるのか。自分が「対面の選手を見た!」と言うだけでは繋がっていることにはなりません。言った後、それを理解してくれたかどうか反応があって初めて繋がることが出来ます。
疲れている時の声掛けってどうしても難しいんです。視野は狭くなるし、自分のことだけにフォーカスしたくなるんですけど、その苦しい作業を行うことで最終的にチームとして楽になれる。そういったことをシーズン通してずっとやってきたので、最後のディフェンスも一貫して出来たことは、チームとして成長出来たのだと実感しています。

■堀江 翔太選手
堀江翔太選手

坂手が一貫性を持ったプレーをし続けてくれたから、僕に出番が回って来るときには相手が疲れ切った状態だったので、非常にやり易い環境で試合に臨めていたと思います。ラグビー選手としての時間も、あと数年。しっかりと日々悔いを残さず、良いラグビー生活を送っていきたいと思います。
(ファンの皆様へ)今日は応援ありがとうございました。なんとか皆さんの応援のお陰で、最後ギリギリ勝つことが出来ました。最初の2試合が不戦敗になりながらも、モチベーション保ちながら決勝まで来ることが出来て、優勝も出来たのは皆さんの応援あってこそ。引き続き応援、お願いします。みなさんの応援に応えられるよう、日々鍛錬していきます。

■ヴァル アサエリ愛選手
ヴァル アサエリ愛選手

嬉しい気持ちでいっぱいです。最高です。最後までみんな、諦めずに頑張れたことが良かったです。良い試合でした。

■藤井 大喜選手
藤井 大喜選手

怒られながらも成長出来たプレシーズンを経て、今季初出場は第8節・RH大阪戦でした。リザーブから出るもその時には不甲斐ない結果に終わってしまったのですが、そこで「もっともっと頑張るぞ」と気持ちを新たにすることで、第15節のGR東葛戦でスクラムを押し込め、良い感触を得ることが出来ました。
そして、ここにきてまさかの決勝での先発。すごい1年だったな、と思います。
今週1週間は、練習でもみんなに心配されるぐらいガクガクだったのですが、先輩方が声を掛けてくださったり、スクラムコーチの木川さんがメンタルケアをしてくれたりしました。この決勝という舞台で成長出来たと感じています。
今日はスクラムでプレッシャーを掛けることが目標だったので、1つ押されてしまったことは反省点です。ディフェンスでももっと体を当てて、フィジカルの強い相手にもディフェンスで押し込めるようなプレーをしていきたいです。まだまだです。埼玉ワイルドナイツのプロップとして、スクラムを押し込んでペナルティーを取ったり、かっちり組んで押し込まれないことだったりが必要だと思います。
(ファンの皆様へ)みなさんの応援のおかげで、今シーズンを実践無敗で優勝することが出来ました。本当にありがとうございます。来シーズンも、ぜひ応援して頂けると嬉しいです。

■ジョージ クルーズ選手
ジョージ クルーズ選手

まずはラグビー選手としてのキャリアを無事に終えられたこと、嬉しく思います。みながみな、おとぎ話のようなハッピーエンドを迎えられない中において、今日こうして優勝という結果で終えられたことは特別なことです。今日は埼玉ワイルドナイツでの素晴らしい2年間を振り返りながら、美味しいビールを飲みたいと思います。
改めましてファンの皆様、応援ありがとうございました。こうしてみなさんが受け入れてくださったことが有難いですし、他の外国人選手たちもみな同じように感謝しています。素晴らしいクラブの一員になれたことを誇りに思います。

■布巻 峻介選手
布巻 峻介選手

優勝は何回しても嬉しいです。何にも言い換えられない気持ちです。
優勝して真っ先に思い浮かんだのは、スタンドから見てくれていた選手たちのことでした。あの喜びは、優勝が全てですね。なんて言ったらいいのか分からないですが・・・優勝した瞬間に、あの選手たち(ノンメンバー)が頭に思い浮かびました。
ここ数年、コロナ禍でストレスが溜まる中での応援ですが、本当にずーっと応援してくれてありがとうございます。接戦になる試合もありましたが、後半最後に勝ちきることが出来たのは皆さんの応援のお陰でした。ありがとうございました。

■ベン ガンター選手
ベン ガンター選手

ピッチのどのエリアにいるか、という感覚は非常に大事です。そこを上手にマネジメント出来たことで、この試合を我々の方に傾けることが出来たのだと思います。優勝出来たこと、本当に嬉しく思います。

■内田 啓介選手
内田 啓介選手

嬉しいです。その一言に尽きます。上手いことは何も言えないんですけど、最後のトップリーグチャンピオンになれて、初代リーグワンチャンピオンにもなれて、良い経験をこの2年で出来ています。これから更に埼玉ワイルドナイツとして積み上げていけるよう、頑張っていきます。
東京サンゴリアスさんはタフなチームで、非常に強かったです。どちらが勝ってもおかしくない展開でしたが、しっかりとものに出来たことを嬉しく思います。また来年、更に東京SGさんは強くなって帰ってくると思うので、負けないよう僕たちも強くなりたいと思います。
今日は終始、本当に楽しかったです。会場の雰囲気、初めてプレーするスタジアムということで、総じて楽しかったです。前半の幻のトライが決まっていたらもっと嬉しかったんですけど(笑)、トライにならなかったので嬉しさは半減ですかね。でも何よりも楽しかったです。
(ファンの皆様へ)いつも温かい応援をありがとうございます。ファンの方々がいないことには、僕たちの力は発揮できません。これからもファンの皆様の力が必要です。日本ラグビー全体を盛り上げていけるよう、一緒に頑張りましょう。

■山沢 拓也選手
山沢 拓也選手

ただただ、本当にホッとしています。前半はエリア取りも含め割とうまく行っていた中で、後半は逆に精度を欠き、上手く行かなくなってしまいました。気持ち的に苦しい部分もありましたが、決勝という舞台で勝ち切れたことは本当に大きいです。
このチームの強みは、各々の役割をしっかりとやり切ること。そしてチーム一体となって周りの選手たちと連携しDFすること。今日はその部分を出せたので、良かったなと思います。
個人的には1試合通して、良くも悪くも自分らしいプレーが出ました。良くないプレーは修正し、80分間精度を保てるようにしていきます。
(ファンの皆様へ)ここまで来ることが出来たのも、本当にたくさんのファンの皆さんが応援してくれた結果です。本当にありがとうございました。今シーズンは終わりますが、今後ともたくさんの応援を頂けると嬉しいです。

■マリカ コロインベテ選手
マリカ コロインベテ選手

東京SGさんには非常に危険なバックスリーがいるので、キックを蹴る時には必ず競れるキックを蹴らなければいけない、と理解していました。そういう意味では良い組み立てが出来たのではないかなと思います。何度かディフェンスの所で抜かれましたが、全員がスクランブルで戻ることができ、相手をノートライに抑えられたことは非常に良かったです。
最初の2試合が中止になった難しさはありましたが、その後仲間たちと良いシーズンを過ごすことが出来ました。このチームで、この選手たちと一緒に優勝出来たことを非常に嬉しく思います。

■ハドレー パークス選手
ハドレー パークス選手

東京SGとの試合はいつもタフになりますが、2年連続で優勝という本当に素晴らしい結果を手にすることが出来ました。ファンのみなさんにも楽しんで頂けていることを願っています。
今年も素晴らしい1年でした。埼玉ワイルドナイツのファンをはじめ、埼玉・熊谷のみなさんのサポートのお陰で、私たちはとても楽しんでラグビーをすることが出来ました。このチームの一員でいられたことに心から感謝しています。

■ディラン ライリー選手
ディラン ライリー選手

東京SGさん相手にはタフなゲームになると予想していました。ラスト1分までギリギリの勝負になることが分かっていた中で、80分間通してパフォーマンスし続けることにこだわった結果の優勝です。
自分たちのディフェンスには誇りを持っています。最後ボールを相手に奪われましたが、自分の内側、外側にいる選手たちを信じてハードワークをし続けること。それしかない、とプレーをしていました。
トライを奪った場面については、なんとか自分がディフェンスラインの裏に出られればゴールラインを越えられると認識していました。最後、必死に手を伸ばしました。自分のプレーがいかに周りの選手たちを助けられるか、ということを意識してピッチに立っています。私の周りには素晴らしい選手たちがいますので、彼らと一緒にプレーする中で、何とか自分が役に立てたことを嬉しく思います。

■竹山 晃暉選手
竹山 晃暉選手

決勝という舞台、そして見える景色も違いましたが、やっているラグビーは熊谷でやってきたラグビー。意外といつも通り、淡々と流れていくような感じでリラックスして臨むことが出来ました。昨季は怪我でプレーオフに出場出来ず、悔し涙を流しながらの優勝。今日、感極まって流した涙は、嬉し涙でした。
今日も試合の中でコミュニケーションを取ることで、80分の間にも次々と修正することが出来ました。それは普段、熊谷のグラウンドで練習している時にもやっていることです。「やってないことは出来ないな」と改めて感じました。ある意味当たり前のことではあるのですが、このような決勝の舞台で身をもって感じることが出来た経験は貴重です。東京SGさんとしてはボールを動かしたかったと思うので、僕としてはしっかりと幅を保ちながらディフェンスをしようという声掛けをしていました。結果ノートライに抑えることができ、安堵しています。
今日僕が一番記憶に残っているシーンは、前半ラスト、山沢さんがマッケンジー選手のノックオンを誘ったプレーです。山沢さんは(松田)力也さんのことも背負っているんじゃないかな、と感じましたし、そういう風にチームメイトがプレーしてくれていることで、僕としても「したい、やりたい」というモチベーションにさせてくれるプレーでした。「あ、いいな」と思った瞬間でした。

試合経過

  1. 試合開始

    東京SGボールのキックオフで前半開始

  2. 前半6分

    東京SG、15番、ペナルティーゴール 成功 0-3

  3. 前半14分

    埼玉WK、山沢 拓也、ペナルティーゴール 成功 3-3

  4. 前半28分

    埼玉WK、東京SG陣中盤10mライン付近右ラインアウトから展開し中央でハドレー パークスが一度ラックを作り更に左に展開、内田 啓介ディラン ライリー野口 竜司でラインブレイクしマリカ コロインベテに繋ぎ大外を駆け抜け左中間に回り込んでトライ、山沢 拓也、ゴール 成功 10-3

  5. 前半終了

    埼玉WK 10 - 3 東京SG

  6. 後半開始

    埼玉WKボールのキックオフで後半開始

  7. 後半6分

  8. 後半12分

    東京SG、15番、ペナルティーゴール 成功 10-6

  9. 後半17分

    東京SG、15番、ペナルティーゴール 成功 10-9

  10. 後半17分

    [選手交代]布巻 峻介長谷川 崚太、ハドレー パークス → ヴィンス アソ

  11. 後半22分

    埼玉WK、山沢 拓也、ペナルティーゴール 成功 13-9

  12. 後半26分

    東京SG、15番、ペナルティーゴール 成功 13-12

  13. 後半26分

    [選手交代]内田 啓介小山 大輝

  14. 後半33分

    埼玉WK、東京SG陣22mライン付近右ラインアウトから展開しヴィンス アソが中央でラックを作りそこから更に左ん展開しマリカ コロインベテが力強くゲインしゴール前約7mまで前進、さらに連続攻撃を重ね、11フェイズ目で中央から右に小山 大輝山沢 拓也ディラン ライリーと展開し右端に飛び込みトライ、山沢 拓也、ゴール不 成功 18-12

  15. 試合終了

    埼玉WK 18 - 12 東京SG

GALLERY

ギャラリー

  • JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 PO決勝 速報
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MATCH PREVIEW

試合の見どころ

1月に開幕したNTTジャパンラグビー リーグワン2022。
ついに最後の1戦を戦う時がきた。
相手は、アタッキングラグビーの雄・東京サントリーサンゴリアス。2年連続、ファイナルの舞台で矛と盾の戦いが繰り広げられる。

初めて今季のチーム像がファンの皆様にお披露目されたのは、クリスマスに行われた東芝ブレイブルーパス東京との練習試合。あの時はどこかぎこちなく、まだ1つのチームとしてみなが同じ色を持ち合わせていなかったように思う。
しかし試合を重ねる中で段々と、各々のパレットに出した色をシェアしながら、今では全員が自然と同じ色の絵具を迷いなく手にするようになった。

準決勝で竹山晃暉選手が90mの独走トライを決めた時、最後までサポートに入り同じスピードで並走したのは、野口竜司選手にマリカ コロインベテ選手、ディラン ライリー選手、そして山沢拓也選手に小山大輝選手。心強い仲間が、5人も連なった。
例え独走トライであったとしても、決して一人にはさせないというチームとしての意志。それが、今年の埼玉ワイルドナイツ最大の魅力である。

「泣いても笑っても、次がこのチームで戦うラストゲーム。どうせなら笑って終わりたい。」
竹山晃暉選手は力強く宣言した。

決勝は、国立競技場で5月29日15時キックオフ。
ぜひ会場を青く染め、これまでと変わらぬ温かくも熱い、心強い応援をお願いしたい。

80分間の戦いが終わった時に1点でも上回っていたチームが、リーグワン初代王者として真っ新な優勝トロフィーを掲げる。

今節の注目ポイント

野武士を代表する23人
  • 1番:稲垣啓太選手「自分たちを信じている。自分のやるべきことをやりたい」
  • 2番:我らがキャプテン。仲間からの絶対的な信頼を力に変える、坂手淳史選手
  • 3番:埼玉ワイルドナイツ加入後初めての先発を担うは藤井大喜選手。木川スクマムコーチ、そして大学の先輩でもある同ポジションの古畑翔選手が隣に寄り添いながら、決勝ウィークはスクラム練習を行った
  • 4番:マルチプレーヤーでありながら、どこで何をしても安定感のあるジャック コーネルセン選手
  • 5番:今季限りでの引退を表明しているジョージ クルーズ選手が戦列復帰。ラストダンスを見逃すな
  • 6番:ベン ガンター選手のディフェンスが、必ずやチームに勢いをもたらす
  • 7番:Mr.ジャッカル職人、ラクラン ボーシェー選手。決勝戦では何度ジャッカルを決めるか
  • 8番:体中に巻かれたテーピングは努力の印。スタンドオフのような視点を持ちわせる布巻峻介選手
  • 9番:内田啓介選手の美しきフォロースルーから描かれる軌道が、勝利への道標に
  • 10番:決勝戦での背番号10は、第54回日本ラグビーフットボール選手権大会以来となる山沢拓也選手。「自分らしくプレーしたい」
  • 11番:ピッチ上では実身長よりも大きく映るマリカ コロインベテ選手。準決勝で竹山選手に捧げたキスを、もう一度
  • 12番:ハドレー パークス選手は、スタンドオフの目となり耳となる
  • 13番:トライ王のトライが見たい。ディラン ライリー選手
  • 14番:インターセプトが新たな武器として定着した竹山晃暉選手
  • 15番:野口竜司選手の安定したハイボールコントロール力から、決勝戦でもトライを生み出せるか
  • 16番:前半ベンチから掛け続けるディフェンスの声、そしてピッチに入った後の修正力ほど心強いものはない。ラスボス・堀江翔太選手
  • 17番:平野翔平選手は、昨季第5節以来となる左プロップへ。3番として1番の重要性を知っているからこそ、組めるスクラムがある
  • 18番:前半に組まれるスクラムを見て、修正・対応し凌駕出来ることがヴァル アサエリ愛選手一番の強み
  • 19番:第14節以来の登場、長谷川崚太選手。バックファイブどこでも対応可能な選手が控える安心感
  • 20番:谷昌樹選手は今季3戦目のメンバー入り。今週火曜日には、布巻選手とともに居残りパス練習を遅くまで行った
  • 21番:スクラムハーフでありながら体を張るディフェンスマン、小山大輝選手
  • 22番:ロビー監督から長年ラブコールを受け続け、今年野武士軍団へ。今季これが13試合目は信頼の証、ヴィンス アソ選手
  • 23番:セミシ トゥポウ選手は、昨季決勝で決めたドミネートタックルを経て、今季安定性のあるプレイヤーへと進化
チーム力

誰1人として欠けては成り立つことのなかった、2022年シーズン。
チーム練習が始まる1時間前には、ポールやマーカー、ハンドダミーなどがグラウンドいっぱいに並べられ、効率よく1時間半の練習を行えるように準備を整えたコーチ・スタッフ陣。
ディビジョン1に属する12チーム中、おそらく一番人数が少ないであろうマネジメントスタッフは、1人が5人前ほどの働きを続けた。
まだシーズンが始まる前、夏の暑い熊谷で、時にはタンクトップをも脱ぎながら走り込みをしていたのは、多くがナイツメンバー(ノンメンバー)。リーグワンが開幕すると、週の初めは相手チームのプレーをコピーすべく、ナイツが何度も円陣を作りながら時間を掛けて打ち合わせる姿があった。
そして忘れてはならない、ファンの皆様の存在。スタジアムで掲げる青いタオルは、ピッチに立つ選手たちの気持ちを奮い立たせてきた。

選手、スタッフ、ファン。全員の力でここまで歩んできた、埼玉ワイルドナイツとしての1年目。みなで築きあげたチーム力は、タイトで、強固で、揺るがない。

試合直前インタビュー

■稲垣啓太選手
稲垣啓太選手

振り返ってみると、第2節を終えて勝ち点0の所からチームがスタートしました。決勝戦を控えていますが、特別なことをやろうという気持ちはありません。自分たちを信じて、自分のやるべきことをやり、これまで積み上げてきたものを発揮したいと思います。
東京サンゴリアスさんは、アタックのチーム。アグレッシブに勢いを作り出し、その勢いを使って更に勢いを作り、仕留め切るチームです。仕留める力を持っていますね。
スクラムにおいては、特別なことは何もしていません。その代わり、ディティールを突き詰めてきた自信があります。スクラムでプレッシャーを受けた時というのは、ディティールが失われた時。だから、そんな時に立ち戻れるスクラムシステムを今季は木川さん(スクマムコーチ)と構築してきました。決勝戦だからといって、特別なスクラムを組もうとは思っていません。80分間、自分たちのディティールを正しく遂行したいと思います。
(ファンの皆様に向けてメッセージ)気温が高くなることが予想されます。ボールが滑ることで、ラインアウトやスクラムなどセットピースが増えるのではないでしょうか。そのセットピースでの駆け引きが勝敗を分ける一つの要因となると思うので、鍵となるのは『そこでいかに反則を犯さないか』。そういった所を含め注目して見て頂けると面白いのではないかな、と思います。
ぜひみなさん、決勝戦、気温も暑いですが、熱い応援をお待ちしております!

■堀江翔太選手
堀江翔太選手

決勝戦は、僕たちが思い描く戦術・戦略にどれだけ近づけるか。どれだけ、戦術・戦略に基づくアタックやディフェンスが出来るか、にこだわりたいと思います。準決勝よりも成長した姿を見せたいですね。成長の余地はあります。
今年は「目の前の試合に集中し、1試合1試合成長していこう」という話をずっとしていました。感じる成長は、クロスゲームになった時に勝ち切れていること。昨季以前だったら負けていたのでは、と思います。
なぜ勝ち切れているのか、と理由を挙げるとすれば『みんな仲が良い』ということでしょうか。三洋電機時代からの強みでもありますが、全員仲良くて、みんなが一つのものに向かう姿勢は三洋電機時代から変わりません。特に今年は外国人選手含め、突出した選手がいないと思うんです。だからこそ、選手とコーチたちが会話をしながら一つのものを作り上げることが多くて。それがゲーム中に会話をすることにも繋がっているのだなと感じます。
特に最近では中堅選手たち、特に坂手や内田、谷、金田瑛司などコアになる選手たちが、チームをまとめて引っ張っていると感じます。色々動いて喋ってくれている分、僕は自由にやらせて頂いています。それはある意味変化かもしれないですね。中々出場機会の少ない、谷や金田が中心となって運営・スタッフサイドにも話をしてくれているので。非常に良いサイクルが回っています。

■山沢拓也選手
山沢拓也選手

今季はフルバックとして先発することもありました。僕にとっては一つのチャレンジでしたが、その中でも「いつ10番で出ても自分が出来るプレー、自分らしいプレーをしよう。全てを上手くやるのではなく、自分のやれることをやろう」と意識することによって、今シーズンすごく良い形で試合に向かうことが出来ていると感じます。
ただフルバックの時に比べると、スタンドオフのポジションについた時にはどこか「上手くやろう」としていた自分もいました。「自分の出来ることだけをやろう」と割り切って試合に挑むようになってからは気持ち的にも楽になりましたが、それは15番としてスタートから出場した経験があったからこそ変えられたマインドです。試合準備の段階で上手くいかなくても、そこで落ち込み過ぎず不安になりすぎず、ということはこれまでのシーズン以上に気を付け、チームに支えてもらいながらプレー出来ていると感じます。
決勝戦では、今までやってきたこと変わらず、自分らしいプレーが出来れば良いなと思っています。もちろんチームとしても、今までやってきた自分たちらしいラグビーを決勝戦で1試合通してやりきりたいです。大切にしたいのは、戦うエリア。自陣でゴールを背にしていると、相手も勢いづいてくると思うので。相手にやりたいアタックをさせないディフェンスが出来れば良いかな、と思います。

■竹山晃暉選手
竹山晃暉選手

今年個人的に意識したことは、試合を通して成長すること。課題を克服し、良い結果に繋がることの多かった、たくさん成長させて頂いたシーズンです。だから決勝戦でも『まだまだ成長するぞ』というマインドを持って臨みたいと思います。優勝という言葉だけを見ずに、一つ一つ、そして一瞬一瞬のプレーを大切にしていきたいです。
今年は「充実しています!」と自信を持って言えるシーズンです。それは一緒にプレーしてくれる仲間のお陰でもあるので、たくさんの方の支えに感謝し、ファイナルという場で恩返しが出来ればなと思います。
決勝戦の相手は東京サンゴリアスさんですが、だから気合いが入る、ということはありません。外的要素でメンタルが左右されることはなく、どこのチームが相手であれど気持ちは入っています。自分たちの強み、練習でやってきたことをやりきる80分間にしたいと思います。
今季もファンサービスという意味では難しい部分もありましたが、ホストゲーム以外でもワイルドナイツブルーに染め、ファンの皆さんが一丸となってここまで支えてくれたことはとても力になりました。皆さんがいなかったら、ここまで来ることは出来なかったと思います。
泣いても笑っても残り1戦。どうせなら笑って終われるように。埼玉ワイルドナイツファンの皆さんはもちろんのこと、ラグビーファンとして会場に来てくれる人たち、そして子どもたちにもラグビーを楽しんでもらえるように。最後まで泥臭く、シンプルにプレーしていきたいと思います。

ACCESS

会場アクセス

国立競技場

〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町10-1
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