MATCH INFORMATION
試合詳細
NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 第4節
VISITOR
埼玉ワイルドナイツ
埼玉WK
15
前半
24
26
後半
13
コベルコ神戸スティーラーズ
神戸S
ユニバ(兵庫)
STARTING MEMBER
ジョージ クルーズ
ハドレー パークス
★ゲームキャプテン
RESERVE MEMBER
マッチリポート
前半
試合開始早々、13番ディラン ライリー選手のプレッシャーからノックオンを誘い、マイボールでのファーストスクラムを獲得したワイルドナイツ。しっかりとSH内田啓介選手がボールアウトしSO松田力也選手が受け取るが、11番マリカ コロインベテ選手への内に返すサインプレーを完全に読まれてしまう。前半3分、ターンオーバーから先制トライを許した。
攻撃を繋げまずは得点を奪いたい一方、ペナルティが重なりインゴールまでボールを持ち込めない。前半7分で2つ目のノットリリースザボール。一瞬のサポートの遅れすらも許さない、神戸S。
前半10分、神戸Sにディフェンスの隙間を縦に走られゴール前までボールを運ばれてしまう。一度はボールを取り戻したものの、オフロードを放った所でまたもターンオーバーからのトライ。0-14、リードを広げられる。
前半14分、相手の反則にペナルティゴールを選択したワイルドナイツ。SO松田選手が落ち着いて沈めれば3-14。まずは着実に3点を返した。
3分後にもセカンドスクラムからペナルティを得ると、再びPGを選んだ。しかしこれは外れ、追加点ならず。
流れを掴み切れない中、待望のファーストトライは前半20分。ラインアウトモールから展開した先で、14番・竹山晃暉選手が3人に囲まれながらトライ。念願の5点を追加する。
前半30分、オフフィートの反則から神戸Sに3点を許すと、相手10番へのキックチャージがペナルティに。ラインアウトでも反則が重なり、タップキックからトライを許せば8-24。前半36分、この試合最大の16点差をつけられてしまう。
しかし、そこで終わらないのがワイルドナイツ。
前半終了のホーンもなり、ラストワンプレーから攻撃を繋げると、12番ハドレー パークス選手が小さく蹴り上げた所、13番ライリー選手が落下点に入りトライ。松田選手のゴールも成功し15-24。9点のビハインドまで盛り返し、前半を終えた。
後半
後半も、神戸Sの強力なディフェンスを前になかなか陣地を進めることが出来ない。11番コロインベテ選手のボールキャリーや、後半から登場したFLラクラン ボーシェー選手の力強いブレイクダウンなど見せ場を作るが、序盤は自陣22m内でのプレーが続く。
危険なエリアで神戸Sにラインアウトの機会を与えると、モールから展開された先でトライ。後半9分、欲しかった後半最初のトライを神戸Sに献上し、15-31とまたもやリードを広げられる。
後半はキックを多用し、エリアの獲得を優先するラグビーに変更したワイルドナイツ。相手のタッチキックがダイレクトで出ると、相手陣でのラインアウトからすぐさま展開。12番、11番と繋がり、最後は14番・竹山選手がグラウンディングした。コンバージョンゴールも成功し後半17分、22-31と再び9点差に縮めた。
しかしその後、後半23分・26分と立て続けにペナルティゴールを許し、22-37に。残り時間15分で15点差、万事休すかと思われた。
だが、一番苦しい時間帯に足を動かすことが出来たのはワイルドナイツだった。
ラインアウトモールを組めば、途中出場の堀江翔太選手が前進。するとモール真横でボールを受け取ったコロインベテ選手が押し込んでトライ。後半29分、まずは10点差まで詰め寄る。
交代で入ったヴィンス アソ選手のインパクトに、大外で強さを発揮するNo.8ジャック コーネルセン選手。自ら積極的にボールを要求した福井翔大選手ら全員ラグビーで陣地を進めると、後半34分、ラインアウトモールから大きく振った先でまたしてもコロインベテ選手がトライ。松田選手も厳しい角度のコンバージョンゴールを成功させ、34-37。3点差に迫った。
後半39分、ゴール目の前でペナルティを得ると、少し時間を掛けて次のプレーをチョイスしたワイルドナイツの面々。下された判断は、PGで同点を狙うのではなく、敢えてタッチに蹴り出しトライを狙うこと。同点ではなく、勝利を掴みに行く。
敵陣5mから落ち着いてラインアウトを投げ入れれば、モールを形成。バックスも加勢しながらじりじりと押し込めば、最後はHO堀江選手がトライを取り切った。
41-37、最大16点差を跳ね返しての大逆転勝利。笑顔で試合を終えた。
試合後記者会見
■ロビー ディーンズ監督
今日の試合は価値あるものだった。今日の試合をご覧頂けたことで、リーグワン、ひいては日本ラグビーのレベルの高さをご覧頂けたと思う。
(前節とは堀江選手と坂手選手の先発・リザーブを入れ替えたことについて)日本でベストなフッカーが2人いることは有難く、感謝している。今日ローテーションしたのは、先週の試合後の堀江選手のコンディションがあまりよくなかったこと、逆に坂手選手が今週100%に近いパフォーマンスを見せてくれたため入れ替えた。ショートウィークだったので、リカバリーを高めるための策でもある。
堀江選手がゲームに与えるインパクトは、フィジカルを越えた経験値。チームが進む方向性を示してくれる。見て頂いた結果が全てです。
■坂手淳史キャプテン
前半9つ、後半5つの反則。規律を強みにしているチームとして、反省すべき点。しかしペナルティの内容はロールアウェーやモールオフサイドなど明確。やるべきことがはっきりしているので、どういうラグビーをしていくか来週チームで話し合っていきたいと思います。
(逆転のトライを狙ってタッチに蹴り出したシーンについて)ワイルドナイツとしては先週開幕し、勝ち点も欲しかった。試合に出ている選手たちの判断でトライを選んだ。安心して見ていられました。これからも強気にチョイスしていきたい。
■堀江翔太選手
前半はアウェーで硬くなった、という感じが見えていた。プレー中の声が少なく、ディフェンスでも個人任せにしている部分があった。自分がピッチに入ったら、声を出してチームを元気づけようと心掛けた。チームとしてのアタックやディフェンスを出来るよう、ゲーム中のコールを意識的に出すイメージを持っていた。
(逆転のプレーについて)まずは自分たちがやってきたラグビーを最後まで出し切ろう、と。最後はPGでもと思ったが、(松田)力也がラインアウトにしよう、と声を出した。力也の判断です。試合を通してラインアウトで競ってくる感じではなく、バックスから見てもプレッシャーを与えられると感じての判断だと思う。
■松田力也選手
(最後トライを狙ったシーンについて)ラスト2分で3点差。FWの勢いも感じていたし、僕たちが逆転する方が相手にとっては嫌だろうなと思った。勝てたことは凄く良かった。冷静に、時々によって良い判断をしていきたい。
(プレイスキックの成功率が低かったことについて)キックが入らない時にどう原因を見つけ、アジャストし次のプレーに繋げるか。2本外して、少しパニックになったと思う。今日はベンチに佐藤トレーナーがいたので、修正ポイントを教えてもらって後半蹴ることが出来た。だが自分でそれをやっていかないといけないとも思うので、自分の課題と捉えている。
試合経過
試合開始
埼玉WKボールのキックオフで試合開始
前半3分
神戸S、神戸S陣10mライン付近中央でインターセプトしそのまま走り切り中央にトライ、ゴール成功 0-7
前半10分
神戸S、埼玉WK陣にけり込んだボールにプレッシャーをかけ、ゴール前約5m右中間でインターセプトしそのままトライ、ゴール成功 0-14
前半14分
埼玉WK、松田 力也、ペナルティーゴール成功 3-14
前半21分
前半31分
神戸S、ペナルティーゴール成功 8-17
前半35分
神戸S、埼玉WK陣ゴール前5m左中間で得たペナルティーキックからクイックリスタートしそのまま左中間に飛び込みトライ、ゴール成功 8-24
前半42分
前半終了
埼玉WK 15 - 24 神戸S
後半開始
神戸Sボールのキックオフで後半開始
後半0分
[選手交代]ジョージ クルーズ → 長谷川 崚太、布巻 峻介 → ラクラン ボーシェー
後半9分
神戸S、埼玉WK陣ゴール前5m左ラインアウトからモールを作り前進、展開し中央でラインブレイクしそのままトライ、ゴール成功 15-31
後半12分
後半17分
後半17分
埼玉WK、敵陣中盤左ラインアウトから展開し、中央でマリカ コロインベテがラインブレイクし、大外の竹山 晃暉にボールを繋ぎ右中間にトライ、松田 力也、ゴール成功 22-31
後半23分
神戸S、ペナルティーゴール成功 22-34
後半23分
後半26分
神戸S、ペナルティーゴール成功 22-37
後半26分
[選手交代]ハドレー パークス → ヴィンス アソ
後半28分
埼玉WK、敵陣ゴール前約10m左ラインアウトからモールを作り力強く前進を続け、最後はマリカ コロインベテが飛び込み左中間にトライ、松田 力也、ゴール不成功 27-37
後半34分
埼玉WK、敵陣ゴール前5m左ラインアウトからモールを作りゴール目前まで前進、できたラックからブラインドサイドのマリカ マリカ コロインベテにボールを繋ぎ左端にトライ、松田 力也 ゴール成功 34-37
後半40分
試合終了
埼玉WK 41 - 37 神戸S
ギャラリー
ギャラリー
試合の見どころ
第4節で戦うは、コベルコ神戸スティーラーズ。昨シーズン、唯一勝ち点を分け合った相手である。
日曜日にタフなフィジカルゲームを戦い終えたばかりのワイルドナイツにとって、今週は中5日のショートウィーク。どれだけ体が回復し、またどれだけの準備が出来ているか。初めて経験する、ビジターゲーム特有の空気感もあるだろう。
しかし、ワイルドナイツのチーム総合力は横浜E戦で証明済み。自慢の青い壁を武器に、いざ神戸へ向かう。
今節の注目ポイント
①ペナルティ数
横浜E戦では反則数11。相手の反則数を3つ上回った。
規律高く戦いたいワイルドナイツにとって、神戸S戦ではどれだけ反則数を減らすことが出来るか。相手ボールでのセットプレーを少なくすることはもちろん、自陣でのペナルティは、3点失うことにも直結する。
FW戦必至の今節、厳しい時間帯にも早い集散が求められる。まずは前節よりも少ない反則数で戦うこと、そして相手のペナルティ数を下回ることが出来るか、が鍵となりそうだ。
②攻守の要。10歳差の両センター
前節ではアタックで何度もチャンスメイクをし、それぞれに1トライ。守備でも体を当て強烈なタックルを見舞ったのが、昨シーズンから続くセンターコンビである。
12番ハドレー パークス選手と13番ディラン ライリー選手の年の差は10歳。それぞれにナショナルチームを経験したベテランと若手有望株は、重厚感ある神戸Sを相手に、どのような連携を見せるのか。隙間を埋めるように出没する2人の攻守に注目したい。
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