人に気を遣うのがいやだから、そういう場面を極力作らない。結局は、とても気遣いの人なのかもしれない。オフの時は、自分も周りも気楽に過ごせることが理想のようです。そんなダンテ選手には、野球以外の夢もあります。中学時代から、好きなことを仕事にしていけたらと描いていたのは……。
DATA
- 広島県出身
- 中学では広島瀬戸内リトルシニアに所属
シニア西日本代表に選抜され、オーストラリアで交流試合に参加。 - 大阪桐蔭高校では3度の甲子園出場を果たす
3年生時には副キャプテンを務め、センバツ高校野球で全国制覇に大きく貢献 - 國學院大学では、4年生時には東都リーグで本塁打・打点王を獲得し、
春秋通じて全国大会に出場した - 昨年は怪我で出場機会が無かったものの、今シーズンからは打線の主軸として奮起する
都市対抗野球大会初戦ではレフトスタンドへ特大ホームランを放つなどの活躍
“楽”を求めて
オフはまずたっぷり寝ます。そして、予定を決めずにその日その日で行動するのが好き。事前に予定が決まっているのがどうも苦手なんです。「明日は車を運転するから何時には帰って寝ないと」とか考えて、行動が制限されてしまうので。ご飯や飲みに行こうと誘うのは、同期や後輩がほとんど。先輩がごちそうしてくれると「それが目的じゃないんだけど……すみません」って気になってしまうから。プライベートでは、いかに気を遣わずに過ごせるか、気持ちが楽にいられるかが優先です。オフでは基本的に野球の話はしない。飲みに行ったら「これから先、どうする?」と未来を語るが楽しいですね。
将来はプロ“アマ”兼業?
野球選手じゃなかったら、海女(海士)とプロ雀士を兼業したいです。中学生のころからそんなことを考えていました。釣りのように獲物をかかるのをじっと待つタイプではないし、海に潜って収穫したり、モリで突いて魚を獲ったりするのに興味があります。マージャンは数年前にプロリーグが発足したので、夢が膨らみますね。この二つは、これからの夢として温めておきます。その他に趣味を新しく見つけようという気持ちにもならず、今の生活が満ち足りています。眠る前に「起きたらまた練習だなあ」と思いながらゴロゴロする、最高です! 一日一日、楽しく生きるのが一番ですね。
自分らしく
僕が目指している姿は今のレベルではない。まだまだ自分のバッティングに「よし」とは思えません。たとえ調子の波があったとしても、「試合で最低3割は打つ」と課しています。そのためには、ツースリーでの勝負の仕方など、細かな部分を詰めていくことが大事。この打席でどんなアプローチで仕掛けてくるか、その配球と攻防が楽しいところでもあります。心の準備をしっかりして打席に入り、チームの勝利に貢献したいです。いざ大会に望む時は、「さあ、ちょっと頂点をもらいにいくか」という心構えでいられたら。自分の持ち味が、チームの引き出しになればいいですね。
自分を高めるルール
- ① 本番でミスしたことに対して明確な課題を持ち取り組む
- ② 自分が活躍しているイメージを持ち練習する
- ③ 自分が目指している方向を間違えない
Editor's postscript
入社時のダンテ選手に、前監督は「パナソニックに染まるな」と言ったそう。本人も「新しい風を吹かせることを期待されている」とは知りつつも、それが何かと意識はしていない。「打率10割」と言い放ち、いつも通りに声を出す、全力で走る――。チームがエネルギーを爆発する起点となるのは、まさにその姿でしょう。パナソニックのムードチェンジャーが、次の試合でも、歓喜の中心にいることを期待します。
EPISODE1. のるかそるか、自ら野球人生をかけた改革とは
EPISODE2. どんな選手になるのかは、自分で決める