EPISODE 2

【#16 小倉悠史】堂々とした振る舞いが理想、
そこに近づくために

2023-08-21

「無理に理想の姿を演じると、空回りする」。大学時代にけがやリハビリ、コンディションの浮き沈みを味わった経験から、冷静に自身を見つめる小倉投手。周囲からのアドバイスに耳を傾け、「日に新た」を胸にフィジカル、メンタルのブラッシュアップに取り組む日々です。自身を俯瞰(ふかん)して思うこと、ルールにしていることを聞きました。

#16 小倉悠史

[Yushi Ogura]

DATA

  • 京都府出身
  • 小学3年生からアメリカで野球をはじめ、中学2年生時に帰国。
  • 中学2~3年生時にはバスケ部に所属するも
    同志社国際高校に入学後、野球に再熱。
    2年生からは背番号「1」を背負いエースとして登板する。
  • 同志社大学に進学後、4年生秋には
    関西学生リーグで最優秀投手に選出される。
  • 今シーズンからは、ルーキーとして躍動感あるフォームと
    ノビのあるストレートを武器に先発投手陣の一角を目指す。
小倉選手
小倉選手

一球の重み

忘れられないのは、大学4年生の時のマウンド。同志社大の数年ぶりの優勝がかかった試合が、春、秋2回訪れました。結果、ホームランや失点を許して両試合とも敗戦。ホームランにされたあの一球、暴投してしまったあの一球……、その重みを痛いほど感じました。パナソニックに入り、JABA大会で初めて黒星が付いた時には、また少し違う感覚に。企業として戦う責任の大きさを感じると同時に、「優勝することが野球部にいる価値」だと、心に刻みました。ピッチャーの評価って、なんで減点方式なんやって思うこともあるけれど、まあ、1番注目されるからしょうがないですよね(笑)。

小倉選手

“100%の小倉”に

もっともっと実力をつけたい。ハイレベルな社会人野球で勝利をつかむための、突破口を探っています。体の状態は良くなってきた実感があります。すると「もっと球速を」「コントロールを」と、多くのことを考えがちに……。調子が上がってきた時に、「もっと」と欲求が出てしまうのでしょうね。過去の経験から、それが吹っ切れて「自分の100%を」と客観視できたら、余計な考えは淘汰(とうた)されていくと思います。きっと今は地に足を着けて練習に取り組む時期なのでしょう。しっかりやっているつもりでも、周りの言葉で「詰めが甘かった」と気づくことが多々あるので、監督やコーチ、バッターなどに、いろんな目線の話を聞くことも大切にしています。

小倉選手

唯一の決め事

モチベーションをキープするには、他人と比べないこと。比べるとしたら、過去の自分と現状です。例えば、チーム内で羽田野選手が156キロ出て、僕が今147キロだと比べたら、モチベーションは下がります。けれど、昨年の春にけがから復帰したころの130キロ台から比べると、ちゃんと成長しているんだ、と考えれば前向きになれる。「人は人」という考えは、アメリカにいた頃に自分の支柱になったのかもしれません。試合で結果が出ない時もありますが、「でも今日は146キロ出たぞ」とプラスの面も考えれば、落ち込んで立ち止まることはありません!

Panasonic社員としてのスピリッツ

  1. ① 歴史ある企業としてのプライド
  2. ② 大企業の代表として試合に出場する責任
  3. ③ パナソニック内のスポーツチームと切磋琢磨
小倉選手

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