ウエイト110キロのスラッガー、片山選手の体をつくったのは、実家でとれたおいしい米。離れた今も、その味に支えられているそう。とにかく食べることが大好き。全力で食を楽しむゆえに、「家メシ」でも食材や調理器具にこだわり、多少のお金をかけてでも「うまいもん」を楽しむと決めているとか。魚はさばくところから、煮物や作り置き、アレンジ料理もお手のもの。そのレパートリーも聞いてみました。
DATA
- 福岡県出身
- 小学校3年生からソフトボールを始める。
- 門司学園中学校時代では軟式野球部に所属
- 門司学園高校では1年生夏から外野手として出場し、
同秋からは4番打者として活躍。
2年生秋からは主将・捕手として、福岡県大会準優勝、
3年生夏の大会では、チームをベスト4に導き、高校通算32本塁打を放った。 - 九州共立大学に進学後は、1年生春から出場し、
福岡六大学リーグで通算93安打・14本塁打を記録。
4年生時には主将をつとめ、チームを明治神宮野球大会ベスト8に導いた。 - パナソニックへ入社後は、持ち前の豪快なバッティングを活かし、
2018年に社会人ベストナイン(DH)を獲得。
幸せの味
大食いならチームナンバーワンかな。すしの食べ放題では、50皿=100貫を超えたことがあります。周りの人が珍しがって写真を撮っていました(笑)。実家が農家で米作りをしているので、学生時代はビルドアップのためにとにかく大量に白ご飯を食べていました。食べる分、田植えを手伝ったりもしていましたね。なので、米の食味にはこだわりたくて。精米したてが一番なので、福岡の実家からもみ殻付きで送ってもらうようにしています。新米を食べられる時は、みずみずしさやふんわりした米のおいしさに幸せを感じます。炊飯器はパナソニック製の「おどり炊き」がめちゃくちゃ優秀で感動しました。けれど1升サイズを買ったら一人暮らしにはさすがに大き過ぎました(笑)。
家メシを究める
料理は材料から凝るタイプで、やり出したら楽しくて止まりません。カレーは絶対にすじ肉。ニンニクを多めにきかせて鍋いっぱいに作ります。3、4日分ぐらい作って、カレーうどんや焼きカレーにアレンジします。地元・博多流のもつ鍋を後輩に振る舞うこともありますね。具材で外せないのは、うまみが強い赤センマイです。魚を丸ごと1匹買って三枚おろしにして焼いたり、煮付けにしたり。“一人手巻きずし”もするんです。酢飯を作って、キュウリや大葉を細切りにして、卵焼きを作って……。いいイクラを買ったりして。おいしくて満足すると同時に、“ひとり飯”でここまでこだわっているのは、ちょっとヤバイ気もしています(笑)。
規格外がゆえに
私服はアバクロ(アバクロンビー&フィッチ)オンリーです。チームの皆も、「片山といえばアバクロ」のイメージだと思います。店舗で使われているにおいが特徴的で、その香水も使っているので、歩くアバクロです。でも一番の理由は、他では自分に合うサイズがないから。最大サイズのXXLが、僕には必要なんです。パワー強化のため、高校時代は1年で15キロ、大学は4年間で15キロ増量しました。比例して打撃の結果が出ましたが、ファッションにも制限が出てくるのは避けられません。ワイルドナイツのラグビー選手と、また情報交換しなきゃなあ(笑)。野球では、自分の体格に合う動きを模索しながら、キレを磨く日々。フル出力のパワーで、チームに貢献したいと思います。
自分を高めるルール
- ① 好きなYouTubeを鑑賞
- ② 結果を出した打撃動画を見て気持ちを高める
- ③ 悪いイメージのまま次にいかない
Editor's postscript
学生時代にはキャプテンを務め「勝つためには自ら打点を上げるしかない」と、奮闘していた片山選手。練習量、知識量を最大限に積み、自分を信じてプレーしてきた日々が原点なのでしょう。今も練習に没頭し、研究熱心な姿は変わりません。そしてパナソニックでは、「初めて、キャプテンをやらなくてよい立場」に、ちょっとほっとしているのだそう。「厳しい言葉をかけるタイプじゃない」、皆が下を向くことがないように、野球を楽しめるようにと仲間を見つめ、仲間の力を信じてグラウンドに立っています。悔いのない一日を――、その思いは強くなる一方。応援してくれる人たちの目の前で、魂のこもったフルスイングを見せてくれるでしょう。
EPISODE1. 場の空気を支配し、強烈なインパクトを与える長距離砲
EPISODE2. 本気で応援され、本気で応える。輪を広げるのは自分のプレー。