除菌・ウイルス抑制効果が
あるとして
大きく注目を浴びた次亜塩素酸。
一方で次亜塩素酸は危険という意見が
あるのは何故なのか?
実は過去から身近なところで活躍している
次亜塩素酸を3つのポイントから紐解きます。
水道の塩素消毒の主役。次亜塩素酸は強力な酸化剤の一種で、
菌やニオイから電子を奪い働きを抑制(酸化)することで除菌・脱臭を行います。
身近なところから意外なところまで
様々なものの除菌・消毒に活躍しています。
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野菜の洗浄
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水道水の浄化
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プールの除菌
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哺乳瓶の除菌
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台所用品の漂白
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病院や施設などの
拭き掃除・ふきんの消毒 -
農業(うどんこ病予防)
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畜産業(鶏舎、牛舎、豚舎の消毒)
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競走馬の目の消毒
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工業排気の脱臭
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野菜の洗浄
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水道水の浄化
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プールの除菌
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哺乳瓶の除菌
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台所用品の漂白
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病院や施設などの
拭き掃除・ふきんの消毒 -
農業(うどんこ病予防)
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畜産業(鶏舎、牛舎、豚舎の消毒)
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競走馬の目の消毒
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工業排気の脱臭
「次亜塩素酸」は人間の血液中の白血
球の一種「好中球」でも生成されてお
り、体内にも存在しています。好中球
で作られた次亜塩素酸は、体内に侵
入してきた菌を排除し感染を防ぐ
役割をしています。(体内におけるウイルスの排除は、主に「リンパ球」が担っています。)
塩素の消毒利用の歴史は古く、さかのぼること約170年前から活躍してきました。代表的な水道水の浄化においては、塩素消毒が普及するにつれて水系感染症に罹る患者が減少したというデータがあります。(塩素は水に溶けると次亜塩素酸が生成されるため、塩素消毒は次亜塩素酸消毒と言い換えることができます。)
塩素の発見と消毒への利用
・1774年 カール・ヴィルヘルム・シェーレが塩素(Cl)を発見
・1810年 ハンフリー・デービーが塩素(Chlorine)と命名
・塩素を水に溶解すると消毒効果が発現
・病院への感染防止や治療へ応用
院内感染対策の先駆者
センメルヴェイス・イグナーツ・フュレプ (1818~1865)
・産褥熱の発生原因が医師の手の汚れであると指摘
・1847年 塩素水で手指の消毒を実施
・産褥熱の発生が激減
一口に次亜塩素酸といっても「酸性」なのか「アルカリ性」なのかを示すpH(ペーハー)値によってその性質は異なります。
pH値と次亜塩素酸の濃度によっては取り扱い注意となる領域もあり、この領域が混同されてしまったために次亜塩素酸は「危険」という認識が広がってしまったのです。
適切な濃度で、適切に使用すれば次亜塩素酸は安全かつ高い除菌・脱臭効果を発揮することができます。
次亜塩素酸には「①次亜塩素酸分子(HOCl)」と「②次亜塩素酸イオン(OCl-)」の2つの形態があり、酸性とアルカリ性の水溶液では異なる比率で存在します。
パナソニックはpH値約8.5の弱アルカリ性に着目。
次亜塩素酸分子(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)のバランスが約1:9で、水溶液としての除菌力を保ちながらゆっくりと揮発し、気体状次亜塩素酸としても効果を発揮できる特性があります。
次亜塩素酸水溶液はpH値(酸性・アルカリ性)とその濃度により分類されます。身近で活躍している次亜塩素酸はどの水溶液に分類されるか確認してみましょう。高濃度なものほど取り扱いに注意が必要です。
※用途と濃度・pHは一例です。
①次亜塩素酸水(強酸性)
厚生労働省認定 食品添加物(殺菌料)として指定
pH ≦2.7, 20~60 mg/L
②次亜塩素酸水(弱酸性)
厚生労働省認定 食品添加物(殺菌料)として指定
pH 2.7~5.0, 10~60 mg/L
③次亜塩素酸水(微酸性)
厚生労働省認定 食品添加物(殺菌料)として指定
pH 5.0~6.5, 10~80 mg/L
④次亜塩素酸ナトリウム
厚生労働省認定 食品添加物(殺菌料)として指定
濃度:40000 mg/L(4%)以上
(pH表示は一般的に使われることの多いpH 12以上としています)
⑤次亜塩素酸ナトリウム希釈液
④を希釈したもの、食品添加物(殺菌料)と同様に扱えます
pH 7.5以上、濃度:100~1000 mg/L
⑥電解次亜水
⑤と同類性あり、食品添加物(殺菌料)と同様に扱えます
pH 7.5以上
(濃度表示は一般的に使われることの多い30~200 mg/Lとしています)
⑦弱酸性次亜水
⑤を塩酸または二酸化炭素などで酸性側にpH調整したもの
pH・濃度に規定なし
(表示は一般的に使われることの多いpH 4~6.5、濃度:50~200 mg/Lとしています)
次亜塩素酸は、アルコールが入り込めないウイルスの内部まで浸透、素早く作用することができるため除菌効果に優れています。
アルコール除菌に劣らず、次亜塩素酸は高いポテンシャルを持っています。
ウイルスには構造の異なる2種類が存在します。
1つはエンベロープと呼ばれるウイルスの外側を覆う膜(脂質二重層膜)を持つ「エンベロープウイルス」、もう1つは膜を持たずタンパク質の殻(カプシド)に覆われた「ノンエンベロープウイルス」です。
エンベロープウイルスには「コロナウイルス」や「インフルエンザウイルス」があり、
ノンエンベロープウイルスには「ノロウイルス」や「ロタウイルス」などがあります。一般的なアルコール除菌はエンベロープを破壊できるためエンベロープウイルスには有効ですが、カプシドを破壊することができないためノンエンベロープウイルスには効果が発揮されにくいことが知られています。
対して、次亜塩素酸に含まれる次亜塩素酸分子(HOCl)はエンベロープのみならずカプシドも透過できるため、エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの双方に除菌効果があります。
次亜塩素酸分子(HOCl)はウイルス以外の菌・ニオイへも有効なことが確認されています。様々な分野で除菌・消毒に用いられており、高いポテンシャルを持つ次亜塩素酸をパナソニックはこれからも研究していきます。
※「次亜塩素酸ラボ」掲載の情報は、当社の技術研究成果もしくは研究中の内容であり、商品による効果ではありません。商品の効果・効能については、商品ページにてご確認ください。
水道普及率が50%を超える1960年頃から、急激に水系感染症の患者数が減っており、塩素消毒の有効性が見て取れます。
日本では「蛇口での残留塩素濃度を0.1 mg/L以上保持すること」が水道法で定められており、浄水場から各家庭に給水されるまでに病原性微生物に汚染されるのを防いでいます。水道水はいわば極めて薄い次亜塩素酸水溶液。私たちは日常的に飲料水や洗顔・入浴等に次亜塩素酸水溶液を使っているとも言えます。