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VPN接続とは?仕組みや導入メリット・デメリットを紹介

更新日:2026/02/20
VPN接続とは?仕組みや導入メリット・デメリットを紹介
テレワークの普及やクラウドサービスの活用拡大により、企業のネットワークでは「場所を問わず安全に接続できること」が重視されるようになりました。こうしたなかで注目を集めているのが「VPN接続」です。VPN接続は、インターネット回線を利用しながらも、あたかも専用線のように安全な通信環境を実現できる技術です。本記事では、VPN接続の基本的な考え方や専用線との違い、仕組みや接続方式の種類、メリット・デメリットなどについて解説します。
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VPN接続とは

VPN接続とは、インターネットなどの公衆回線を利用しつつ、通信内容を暗号化することで、仮想的に専用線と同等の安全性を確保する接続方式です。
※VPNは「Virtual Private Network(仮想専用通信網)」の略

データの盗聴や改ざん、不正アクセスなどのリスクを抑えられるのがVPN接続の特徴で、本社と支社・工場間の拠点間通信や、テレワーク・出張先からの社内システム利用など、場所を問わず安全に社内ネットワークへ接続できます。専用線に比べて導入・運用コストの負担が少ないこともあり、幅広い現場で導入が進んでいます。

VPN接続が重視されている背景

VPN接続が重視されている背景には、働き方やIT環境の大きな変化があります。昨今は、テレワークやモバイルワークの一般化により、社外から社内システムへアクセスする機会が急増しました。自宅や出張先で業務をおこなう場合、従来の社内ネットワークを前提としたセキュリティ対策では不十分です。

また、クラウドサービスやSaaSの利用拡大により、企業のデータがインターネット上でやり取りされるシーンも増えています。その結果、通信の盗聴や不正アクセス、情報漏えいといったリスクが高まり、通信経路そのものを安全に保つ仕組みが求められるようになりました。

専用線は安全性に優れている一方で、コストや拡張性に課題があります。こうした背景から、コストを抑えつつ柔軟に導入でき、一定のセキュリティ性を確保できるVPN接続が注目されるようになったのです。

VPNと専用線の違い

VPNと専用線では通信方式がまったく異なるため、セキュリティ性やコスト、柔軟性なども変わってきます。

専用線は、拠点間を物理的な回線で直接結ぶ通信方式で、第三者が介在しないため、高度なセキュリティ性と安定した通信品質を確保できます。金融機関や官公庁など、常に高度な信頼性が求められる現場に適していますが、回線敷設や維持管理に多額のコストがかかり、拠点追加や構成変更にも時間を要します。

一方で、VPNはインターネットなどの公衆回線を利用し、暗号化や認証技術によって仮想的な専用通信環境を構築します。専用線に比べると物理的な独立性に劣るものの、低コストで導入しやすく、拠点間通信やテレワークなど多様な働き方に柔軟に対応できます。ただし、公衆回線を利用するため通信品質が時間帯や環境に左右される点には注意が必要です。

ネットワークの規模や求めるセキュリティレベルに応じて、両者を適切に選択・併用することが重要です。

VPNの仕組み

VPNの仕組み

VPNは、複数の技術を組み合わせて構成されています。VPNの仕組みを理解するため、「認証」「トンネリング」「カプセル化」「暗号化」という4つの技術について解説します。

認証

認証とは、VPN接続を開始する際に「正規の利用者かどうか」を確認する技術です。IDやパスワードによる基本認証に加え、端末認証やワンタイムパスワード、多要素認証などが用いられる場合もあります。認証をおこなうことで、第三者による不正アクセスを防止し、許可された利用者のみがVPN通信を利用できる状態を確保します。

トンネリング

トンネリングとは、VPN接続においてインターネット上に仮想的な専用通信路(トンネル)を作る技術です。通常は、不特定多数が利用する公衆回線のなかに、特定の拠点や端末間だけが通れる通信経路を構築します。このトンネルを通してデータを送受信することで、第三者から通信内容を見られにくくなり、安全な拠点間通信やリモートアクセスを実現できます。

カプセル化

カプセル化とは、通信データを別の情報で包み込み、外部から中身が分からない状態にする技術です。VPN接続では、送信するデータ(パケット)をそのまま流すのではなく、VPN用のヘッダ情報を付加してカプセルのように覆います。これにより、通信内容や宛先が第三者から分かりにくくなり、盗聴や改ざんのリスクを低減できます。

暗号化

暗号化とは、通信データを第三者に読み取れない形に変換する技術です。VPN接続では、送信前にデータを特定の方式で暗号化し、受信側でのみ復号できる仕組みを採用しています。これにより、万が一通信が盗聴されても内容を解読されることはありません。この暗号化により、公衆回線を利用する環境でもデータの機密性を高い水準で確保しています。

VPN接続の種類

VPN接続には複数の種類があります。「インターネットVPN」「エントリーVPN」「IP-VPN」「広域イーサネット」の4種類について、それぞれの特徴や適した利用シーンを押さえておきましょう。

インターネットVPN

インターネットVPNとは、一般のインターネット回線を利用して構築するVPN接続方式です。認証・暗号化などの技術を用いて仮想的な専用通信路を作ることで、安全にデータを送受信します。

既存のインターネット回線を活用するインターネットVPNは、低コストかつ短期間で導入できるのが大きな特徴です。テレワークや小規模拠点との接続など、柔軟に運用できることもあり、多くの企業で導入が進んでいます。一方で、公衆回線を使用するため、時間帯や回線の混雑度によって通信品質が影響を受けやすいというデメリットもあります。

エントリーVPN

エントリーVPNは、通信事業者が提供する閉域網と、光回線などのブロードバンド回線を組み合わせて構築するVPN接続方式です。

インターネットを直接経由しないため、インターネットVPNに比べて第三者からの不正アクセスリスクが低く、一定のセキュリティ性と通信の安定性を確保できます。中小企業や3〜5拠点程度の拠点間通信、テレワークなどに適した方式だと言えます。導入・運用コストもIP-VPNや専用線ほど高くなく、コストと安全性のバランスに優れているのがエントリーVPNの魅力です。一方で、帯域保証がなく、通信速度や通信品質が利用環境に左右される点はデメリットだと言えるでしょう。

IP-VPN

IP-VPNは、通信事業者が提供する閉域網(クローズドネットワーク)を利用して拠点間を接続するVPN接続方式です。

インターネットを経由せず、契約者のみが利用できる専用ネットワーク上で通信するため、高度なセキュリティ性と安定した通信品質を確保できます。通信品質が保証されるケースも多く、基幹システムや多拠点間通信に適しています。一方で、インターネットVPNに比べて導入・運用コストが高く、回線増設などの柔軟性が低い点はデメリットです。高度な安全性と信頼性を重視する中〜大規模組織向けのVPN接続方式だと言えるでしょう。

広域イーサネット

広域イーサネットは、通信事業者が提供する閉域網を利用し、拠点間をLANの延長のように接続するVPN接続方式です。

IP-VPNと同様にインターネットを経由しないため、外部からの不正アクセスリスクが低く、高度なセキュリティ性を確保できます。また、レイヤ2(LANレベル)で接続できるのが特徴で、IPアドレス設計やルーティングを企業側で柔軟に構成でき、複数拠点を同一ネットワークとして運用できます。高速・低遅延で通信品質が安定しているのも広域イーサネットのメリットです。一方で、初期コストが高く、設計・運用に専門的なネットワーク知識が求められるのはデメリットだと言えるでしょう。

企業がVPNを導入するメリット3つ

企業がVPNを導入するメリット3つ

企業がVPNを導入する主なメリットとして挙げられるのが、「通信セキュリティが向上すること」「テレワークや拠点間通信に柔軟に対応できること」「コストの負担を抑えられること」の3点です。

通信セキュリティが向上する

VPN接続は通信内容を暗号化し、正規利用者のみが接続できる認証を組み合わせることで、第三者による盗聴や改ざん、不正アクセスのリスクを大幅に低減します。インターネット回線を利用する方式でも、安全な仮想通信経路を確保できるため、拠点間通信やテレワーク環境においても社内ネットワークと同等のセキュリティ水準を維持できます。

テレワークや拠点間通信に柔軟に対応できる

VPN接続は、自宅や出張先など社外からでも安全に社内ネットワークへ接続できるため、テレワーク環境をスムーズに構築できます。また、本社と支社・工場など複数の拠点を安全に接続できるため、場所に依存しない業務遂行が可能です。拠点の増設や人員の増加にも柔軟に対応でき、働き方の多様化や事業拡大を支える基盤となります。

コストの負担を抑えられる

VPN接続は、インターネット回線を活用して仮想的な専用通信環境を構築するため、物理的な専用線に比べてコストの負担が少なく済みます。回線敷設費や維持管理費の負担がなく、初期費用・運用費用を最小限に抑えられるのはVPN接続の大きなメリットだと言えるでしょう。拠点数が多い企業や段階的に環境を拡張したい場合でも、コストの負担を抑えながら安全な通信環境を整備できます。

企業がVPNを導入するデメリット3つ

VPNを導入するうえでは、そのデメリットも正しく認識しておく必要があります。VPNを導入するデメリットとして挙げられるのが、「通信速度・品質が不安定になる可能性があること」「運用・管理の負担が発生すること」「セキュリティリスクがゼロではないこと」の3点です。

通信速度・品質が不安定になる可能性がある

インターネットVPNなどの公衆回線を利用する場合は、回線の混雑状況や利用時間帯によって通信速度や通信品質が低下することがあります。特に、オンライン会議や大容量データの送受信では、遅延や接続不良が業務効率に影響を及ぼすおそれがあります。

運用・管理の負担が発生する

VPNの導入後は、機器やソフトウェアの設定管理、利用者アカウントの追加・削除、ログ監視やセキュリティ更新などの運用作業が発生します。専門知識が求められる場面も多く、IT担当者の負担が増える可能性は認識しておかなければいけません。

セキュリティリスクがゼロではない

VPN接続は通信を暗号化する仕組みですが、セキュリティリスクを完全に排除できるわけではありません。設定ミスや機器・ソフトウェアの脆弱性、ID・パスワードの漏えいなどが原因で、不正アクセスや情報漏えいが発生する可能性もあります。

ネットワーク会社を選ぶポイント

VPN導入を支援するネットワーク会社を選ぶ際は、いくつかのポイントがあります。特に意識したいのは、「セキュリティ対策のレベル・技術力」「構築実績と業種・規模への対応力」「運用・サポート体制の充実度」の3点です。

セキュリティ対策のレベル・技術力

VPNを導入する際は、ネットワーク会社のセキュリティ技術力を見極めることが非常に重要です。「暗号化方式や認証方法が最新の基準に対応しているか」「多要素認証や端末認証などの対策を提案できるか」といったポイントを確認しましょう。また、VPN機器やソフトウェアの脆弱性情報への対応力、定期的なアップデートや監視体制も重要です。単に回線を構築するだけでなく、運用を見据えたセキュリティ設計ができる会社を選ぶことが、長期的なリスク低減につながります。

構築実績と業種・規模への対応力

製造業、官公庁、教育機関など、業界によってVPNに求められるセキュリティ水準や通信特性は異なります。また、企業の規模や拠点数によっても最適なVPNの構成は変わってきます。そのため、自社と同業種・同規模の企業への導入実績が豊富なネットワーク会社を選ぶことが重要です。実績のある会社であれば、過去の事例をもとに適切な接続方式や設計を提案してくれるでしょう。将来的に拠点増設の予定がある場合は、拡張性への対応力も確認しておくべきポイントです。

運用・サポート体制の充実度

VPNは構築して終わりではなく、構築後の運用・保守が重要です。ネットワーク会社を選ぶ際は、「障害発生時に迅速に対応できる体制を整えているか」「24時間・365日の監視や問い合わせ対応が可能か」といった点を確認しましょう。また、機器やソフトウェアのアップデート、脆弱性情報への対応、設定変更時のサポートも重要なチェックポイントです。トラブル発生時の円滑なサポート体制を持つネットワーク会社を選ぶことが、安定したVPN運用につながります。

ネットワーク構築や空間インフラの施工はパナソニックEWネットワークスへ

ネットワーク構築や空間インフラの施工なら、パナソニックEWネットワークスにお任せください。長年にわたって培ってきたネットワーク技術と現場対応力を強みに、設計・構築から施工、運用・保守までをワンストップでご提供しています。オフィスや工場、商業施設など多様な現場に対応し、VPN接続も含め最適なネットワークをご提案。信頼性と拡張性を重視したネットワーク構築で、長期的に安心・安全な環境づくりをサポートします。

まとめ

VPN接続は、インターネット上でも安全な通信環境を実現する仕組みです。専用線に比べてコストを抑えながらセキュリティ性を確保できることや、テレワークや拠点間通信に柔軟に対応できることから、幅広い現場で導入が進んでいます。一方で、VPNの接続方式やネットワーク構成は、企業の業種や規模によって最適解が異なります。VPNの特性を正しく理解したうえで、信頼できるネットワーク会社を選び、安定したネットワーク運用を実現しましょう。