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PSE認証とは?認証までの流れやマークの概要、費用について解説

更新日:2026/03/24
PSE認証とは?認証までの流れやマークの概要、費用について解説
電気用品を日本国内で製造・輸入・販売する企業は、「PSE認証」を正しく理解しておかなければいけません。対象製品の判定を誤れば販売停止や回収命令、罰則につながる可能性もあります。特に近年は、リチウムイオン蓄電池関連製品など規制対象の拡大も進んでいます。本記事では、PSE認証の基本概念のほか、対象製品の区分、マークの種類と表示方法、PSE認証にかかる費用・期間、違反時の罰則などについて解説します。
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PSE認証とは何か

PSE認証とは何か

PSE認証とは、電気用品による火災・感電などの事故を未然に防止し、消費者の生命・身体の安全を確保するとともに、市場に流通する電気用品の安全水準を一定以上に保つことを目的とした「電気用品安全法」に基づく制度です。

対象製品が国の定める技術基準に適合していることを事業者が確認・届出し、所定のPSEマークを表示することで適合を示します。製造・輸入事業者には、事業届出や基準適合確認、検査、表示などの義務が課されています。

電気用品安全法の仕組み

電気用品安全法は、電気用品の製造・輸入・販売を規制し、技術基準への適合を通じて事故の未然防止を図る法制度です。対象製品は「特定電気用品」と「特定電気用品以外」に区分され、危険性の高い特定電気用品には登録検査機関による適合性検査が義務づけられています。

製造・輸入事業者は、事業開始後30日以内の届出、技術基準適合確認、自主検査の実施と記録保存(3年間)、必要に応じた適合性検査証明書の取得・保存をおこなわなければなりません。これらの義務を履行したうえで、PSEマークや事業者名、定格表示などを適正に表示することが求められます。なお、届出や検査義務を怠った場合は、表示の禁止や改善命令、罰則の対象となる可能性があります。

認証制度の全体像

電気用品安全法では、規制対象となる電気用品を457品目に指定し、その危険性の程度に応じて2つの区分に分類しています。

●特定電気用品(116品目)

特定電気用品は、構造や使用方法その他の使用状況からみて、特に危険又は障害が発生するおそれが高い電気用品です。これらの製品は、登録検査機関による適合性検査の受検および適合性証明書の取得・保存が義務づけられています。

●特定電気用品以外の電気用品(341品目)

特定電気用品以外の電気用品は、上記116品目以外の341品目を指します。登録検査機関による適合性検査は原則不要ですが、事業者による技術基準適合確認と自主検査の実施、検査記録の保存が義務づけられています。

PSE認証が必要な製品

PSE認証が必要な製品

PSE認証が必要な製品は、電気用品安全法で指定された457品目の電気用品です。家庭用電源(AC100V/200V)に接続して使用する機器や、リチウムイオン蓄電池、ACアダプターなどが該当します。これらは危険性の高い特定電気用品(116品目)と、特定電気用品以外の電気用品(341品目)に区分されており、それぞれ異なる検査や表示方法が求められます。

特定電気用品リスト

特定電気用品は、電気用品安全法施行令別表第一において、構造又は使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品として指定されている116品目です。区分と具体例は以下のとおりです。

  • 電線類
    ゴム絶縁電線、キャブタイヤケーブル、ビニルキャブタイヤケーブル、金糸コード など
  • ヒューズ
    温度ヒューズ、つめ付ヒューズ、管形ヒューズ など
  • 配線器具
    タンブラースイッチ、配線用遮断器、差込みプラグ、コンセント、マルチタップ、延長コードセット など
  • 電流制限器
    アンペア制用電流制限器、定額制用電流制限器
  • 小形単相変圧器類
    おもちや用変圧器、家庭機器用変圧器、蛍光灯用安定器 など
  • 電熱器具
    電気便座、電気温水器、電気サウナバス、観賞魚用ヒーター、電熱式おもちや など
  • 電動力応用機械器具
    電気ポンプ、電気マッサージ器、自動販売機、電動式おもちや、電気乗物 など
  • 電子応用機械器具
    高周波脱毛器
  • 交流用電気機械器具
    磁気治療器、電撃殺虫器、電気浴器用電源装置、直流電源装置
  • 携帯発電機
    携帯発電機

特定電気用品以外の電気用品リスト

特定電気用品以外の電気用品は、341品目が指定され、日常生活で広く使用される製品が中心です。区分と具体例は以下のとおりです。

  • 電線類
    ケーブル、電気温床線、蛍光灯電線、ネオン電線 など
  • 電線管類及び附属品
    金属製の電線管、合成樹脂製電線管、ケーブル配線用スイッチボックス など
  • ヒューズ
    筒形ヒューズ、栓形ヒューズ
  • 配線器具
    リモートコントロールリレー、カットアウトスイッチ、分電盤ユニットスイッチ など
  • 小形単相変圧器類
    ベル用変圧器、ネオン変圧器、電圧調整器 など
  • 小形交流電動機
    分相始動誘導電動機、コンデンサー誘導電動機 など
  • 電熱器具
    電気ストーブ、電気がま、電気アイロン、電気ホットプレート、電気湯沸器 など
  • 電動力応用機械器具
    電気冷蔵庫、電気洗濯機、電気掃除機、扇風機 など
  • 光源及び光源応用機械器具
    白熱電球、蛍光ランプ、エル・イー・ディー・ランプ、電気スタンド など
  • 電子応用機械器具
    電子時計、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、電子レンジ、インターホン など
  • 交流用電気機械器具
    電灯付家具、調光器、防犯警報器、アーク溶接機 など
  • リチウムイオン蓄電池
    リチウムイオン蓄電池

PSEマークの種類と表示方法

PSEマークは、製品のリスク区分に応じて「ひし形」と「丸形」の2種類があります。ひし形のPSEマークは特定電気用品(116品目)に表示され、事故発生時の危険性が高い製品を示します。丸形のPSEマークは特定電気用品以外の電気用品(341品目)に表示されます。また、PSEマークを表示する方法も定められています。それぞれのPSEマークの特徴や表示方法を確認しておきましょう。

特定電気用品用PSEマーク

特定電気用品用PSEマーク(ひし形)は、電気用品安全法で定める116品目の特定電気用品に表示されます。対象は、電気温水器、電気マッサージ器、配線器具、電流制限器、直流電源装置など、構造や使用状況からみて特に危険又は障害が発生するおそれが高い製品です。

これらの製品は事業者の自主確認に加え、国に登録された検査機関による技術基準適合性検査を受け、適合性証明書の交付を受けることが義務づけられています。製品試験だけでなく、製造工程や検査体制の確認もおこなわれるのが特徴です。また、適合性証明書は型式ごとに取得・保存する必要があり、設計変更時には再評価が求められる場合もあります。これにより、市場流通後も継続的に高い安全水準を維持する制度設計となっています。

特定電気用品以外用PSEマーク

特定電気用品以外用PSEマーク(丸形)は、341品目の特定電気用品以外の電気用品に表示されます。対象には、電気冷蔵庫、電気洗濯機、音響機器、電気こたつ、電気スタンドなど、広く流通する家電製品が含まれます。

これらの製品は、登録検査機関による適合性検査は原則不要ですが、事業者が自ら技術基準への適合確認をおこない、自主検査を実施し、その記録を保存することが義務づけられています。自主検査の記録は原則3年間保存し、行政からの報告徴収や立入検査に対応できる体制を整える必要があります。このように、事業者の責任に基づいて安全性を確保する仕組みになっているため、事業者の内部管理体制やコンプライアンスが重要になります。

正しい表示位置と大きさ

PSEマークは、原則として製品本体に直接表示することが求められており、銘板やラベルなど見やすく、かつ容易に消えない方法で表示する必要があります。また、届出事業者名、定格電圧・定格消費電力などの表示事項を近接して記載しなければなりません。本体への表示が構造上困難な場合は、包装や取扱説明書への表示が認められるケースもありますが、基本的には製品自体への表示が求められます。

マークの大きさや色は一定の範囲で自由に設定できますが、縦横比や枠線の形状、文字の配置などの基本構成を変更することはできません。なお、電線やヒューズなど表示面積が限られる製品では、「<PS>E」や「(PS)E」といった簡略表記が認められています。

PSEマークの表示が不適切な場合は、是正指導や表示禁止命令の対象となる可能性があります。デザイン段階で法令に基づく表示要件を確認し、量産前に社内チェック体制を整備しておくことが重要です。

PSE認証の取得手順

PSE認証を取得する際は、次の流れで進める必要があります

①対象製品の区分確認(特定電気用品か否かの判断)
②事業届出
③技術基準への適合確認
④必要に応じた適合性検査の受検
⑤自主検査の実施
⑥表示事項を含めたPSEマーク表示

特定電気用品に該当する場合は登録検査機関による適合性検査が必須となり、非特定品目の場合は、事業者による自主検査が求められます。製品設計段階から法令要件を確認し、試験仕様や表示内容を理解しておくことで、手戻りを防ぐことができます。

検査と証明書取得手順

PSE認証を取得する際は、まず対象製品が特定電気用品か特定電気用品以外かを確認します。特定電気用品に該当する場合、国に登録された検査機関へ申請し、技術基準適合性検査を受ける必要があります。

検査では、製品サンプルの安全試験(耐電圧試験、絶縁性能確認、構造確認など)に加え、製造工場の品質管理体制や検査設備の確認もおこなわれます。さらに、型式ごとの設計図書や部品仕様書の整合性確認も実施され、量産品との同一性が担保されます。適合が確認されると、型式ごとに適合性証明書が交付されます。なお、設計変更や部品変更が生じた場合には、再評価や追加試験が必要になることがあります。

一方、特定電気用品以外の場合は登録検査機関による適合性検査は不要ですが、技術基準の適合確認をおこなったうえで自主検査を実施します。外観検査、通電試験、絶縁耐力試験などをおこない、その結果を記録として3年間保存します。輸入品については、海外メーカーの試験データを活用する場合でも、日本の技術基準に適合しているかを改めて確認する必要があります。

輸入業者がおこなうべき手続き

輸入業者は、日本国内で電気用品を販売する前に、電気用品輸入事業の届出をすることが義務づけられています。事業開始の日から30日以内に経済産業大臣へ届け出る必要があり、取り扱う製品区分ごとに届出内容を整理します。新たな区分の製品を追加する場合や、届出事項に変更が生じた場合も、所定の変更届出が必要です。届出をおこなわずに販売した場合は、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。

そのうえで、輸入製品が日本の技術基準に適合しているかを確認します。他国の認証(CEやULなど)を取得していても、日本の基準に適合しているとは限らないため、必ず確認が必要です。特定電気用品の場合は、海外製造事業者が取得した適合性証明書の副本を入手・保存します。また、輸入ロットごとに自主検査を実施、または実施状況を確認し、記録を保存します。最後に、所定の事項を製品に適正に表示することで国内販売が可能になります。

PSE認証にかかる費用と期間

PSE認証の費用や期間は、特定電気用品と特定電気用品以外で大きく異なります。

特定電気用品は登録検査機関による適合性検査が必須であり、費用は試験費用・工場審査費用を含め数十万円~数百万円、期間は1~3ヶ月程度かかるのが一般的です。一方、特定電気用品以外は自主検査が中心となり、費用は数万円~数十万円、期間は2~6週間程度が一般的です。設計段階で技術基準を織り込むことや、既存の試験データを活用することがコスト削減や期間短縮につながります。

認証費用の内訳

●特定電気用品のPSE認証にかかる主な費用

①登録検査機関への申請費用
②製品試験費用(耐電圧試験、温度上昇試験、異常試験、耐トラッキング試験など)
③工場審査費用(品質管理体制・検査設備の確認)
④適合性証明書発行費用
⑤試験用サンプル製作費や輸送費 など

上記に加えて、試験立会いのための渡航費や通訳費用が発生するケースもあります。製品の構造が複雑で試験項目が多い場合や、海外工場での立会審査が必要な場合は費用が増加します。

●特定電気用品以外の製品のPSE認証にかかる主な費用

①社内または外部試験機関での技術基準適合確認試験費用
②試験設備の整備・校正費用
③技術文書や試験記録の作成・管理費用
④表示ラベルや銘板の作成費用 など

外部試験機関へ委託するか自社設備で実施するかによって費用は大きく変わってきます。少量生産品は外部委託のほうが効率的な場合もあります。

取得までの標準期間

PSE認証を取得するまでの期間は、特定電気用品の場合、登録検査機関への申請から試験実施、工場審査、証明書発行までを含め1~3ヶ月程度が目安になります。海外工場審査の日程調整や試験不適合による再試験が生じた場合は、さらに期間が延びる可能性があります。

特定電気用品以外の場合は、自主検査と書類整備が中心になるため、設計が確定していれば2~6週間程度で取得できます。ただし、外部試験機関へ委託する場合や、試験結果に不適合があり、再評価が必要になる場合などは、期間が延長することがあります。早期に試験計画を立て、量産前試作段階で評価をおこなうことがスムーズな認証取得につながります。

PSE認証なしで販売した場合の罰則

電気用品安全法に基づくPSE認証を受けず、必要な表示をおこなわないまま対象製品を販売した場合、同法違反として厳格な罰則が科されます。無届での製造・輸入、技術基準不適合品の販売、不適切表示などは違反行為に当たります。

個人事業者と法人では罰則の上限が異なり、法人の場合は高額な罰金が科される可能性があります。さらに、行政処分として販売停止命令や回収命令が出されることもあります。行政処分が下されると、取引停止など事業の継続に重大な影響を及ぼすこともあります。

法律違反の罰則内容

電気用品安全法に違反した場合、個人に対しては「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科」が科される可能性があります。懲役刑と罰金刑は併科できるため、悪質性や故意性が認められた場合には、両方が同時に適用されることがあります。

法人の場合は両罰規定が適用され、行為者個人の処罰に加え、法人に対して「1億円以下の罰金」が科される可能性があります。違反が継続的・組織的におこなわれた場合や、事故が発生した場合には、より厳しい罰則が科されることがあります。また、罰則とは別に、販売停止命令や回収命令、改善命令などの行政処分が科されることもあり、そうなると企業活動は大きな制約を受けることになります。

過去の違反事例

過去には、PSEマークを表示せずにモバイルバッテリーや電気ストーブを販売した事例で、販売停止命令や製品回収命令が出されたケースがあります。また、輸入段階でPSE表示のない製品が税関で差し止められ、市場流通前に廃棄や積戻しとなった例もあります。行政処分が科されると企業名が広く知られることになります。その結果、取引先からの契約解除やECモールへの出店停止につながった例も見られます。

また、技術基準不適合が判明すると、販売済み製品の自主回収や無償交換対応を余儀なくされます。その結果、多額の回収費用や対応コストが発生した事例もあります。

まとめ

PSE認証を取得するためには、製品設計段階から製造管理、検査、記録保存、表示管理までを含む総合的な法令対応が必要です。特定電気用品と特定電気用品以外で求められる手続きや責任範囲は異なるため、それぞれに応じた体制整備が不可欠です。PSE認証の取得費用や取得期間も踏まえ、早期に対応方針を明確にすることが重要です。