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PoEの省エネ機能について 消費電力を抑える方法を解説

更新日:2025/09/29
PoEの省エネ機能について 消費電力を抑える方法を解説
工場や学校、オフィスなどでネットワーク機器を効率的に運用するためには、省エネとコスト削減を両立できる仕組みが求められます。その解決策として注目されているのが、PoEスイッチングハブです。PoEスイッチングハブは、LANケーブル1本でデータ通信と電力供給を同時に実現できるネットワーク機器であり、配線の簡素化や設置の自由度向上といったメリットに加え、消費電力の削減にも貢献します。本記事では、省エネ機能を中心にPoEスイッチングハブのメリットを解説していきます。
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PoEを利用して消費電力を抑える方法は?

PoEを利用して消費電力を抑える方法は?

工場や学校、オフィスなどでは、PoEスイッチングハブを活用することで消費電力を効率的に抑えることができます。PoEの導入によって、LANケーブル1本でデータ通信と給電ができるようになるため、電源コンセントや追加配線が不要になり、設備全体のエネルギー使用を最適化できます。特に、「スマートPoEスイッチ」は、接続された機器を自動的に検出し、それぞれに必要な電力量だけを供給できるので、無駄な電力供給を削減できます。

PoEの省エネ機能

PoEの省エネ機能

PoEの省エネ機能として、「省電力イーサネット」「スマートPoEスイッチ」「PoEタイマー」「未使用ポートやリンクダウン時の自動省電力モード」の4点についてご説明します。

省電力イーサネット

省電力イーサネット(EEE:Energy Efficient Ethernet)は、ネットワーク機器の稼働状況に応じて自動的に電力消費を抑える仕組みです。データ通信が少ない時間帯には「Low Power Idle(低消費電力アイドル)」モードに移行し、チップの一部を停止させることで不要な電力を削減します。これにより、特に夜間や休日などトラフィックが少ない時間帯の電力消費を抑制でき、省エネ効果が期待できます。

スマートPoEスイッチ

スマートPoEスイッチは、接続されている機器を自動的に識別し、それぞれの機器に必要な電力量のみを供給できるPoEスイッチングハブです。消費電力の大きな機器には十分な電力を供給しつつ、消費電力の少ない機器には最小限の給電をすることでエネルギーの浪費を防げるのがスマートPoEスイッチの魅力です。また、PoE非対応機器と接続された場合には給電をおこなわず、データ通信だけを維持する設計になっているため、無駄な電力供給をカットできます。

PoEタイマー

PoEタイマーは、接続機器への給電をスケジュールに応じて自動的にON/OFFを切り替える機能です。たとえば、営業時間中だけIP電話や監視カメラに電力を供給し、夜間や休日は自動で電源を落とすといった運用が可能になります。機器が使われていない時間帯に無駄な電力を供給するのを防ぎ、省エネ効果を高められるのがPoEタイマーのメリットです。遠隔から制御でき、必要に応じて即時に電源を切り替えられるのも利点の一つです。

未使用ポートやリンクダウン時の自動省電力モード

PoEスイッチングハブのなかには、未使用ポートやリンクがダウンしているポートの消費電力を自動的に抑える省電力モードが搭載されている製品もあります。通常は、未使用ポートでも最低限の待機電力を消費しますが、この機能を活用することで不要な電力をカットできます。また、接続機器が一時的にオフラインになったときに自動的に給電を停止し、再びオンラインになったときに給電を再開する製品もあります。さらに、一部の製品にはLEDの点灯を抑制するECOモードも搭載されています。

省エネや配線の簡素化など、PoEを導入するメリットを解説

PoEスイッチングハブを導入するメリットとして、「電気料金を削減できる」「配線がシンプルになる」「機器設置の自由度が高まる」の3点についてご説明します。

電気料金を削減できる

近年のPoEスイッチングハブは省エネ機能が進化し、電力供給を効率的に管理できるようになっています。ポートごとに接続機器を自動認識し、必要な分だけ給電するスマートPoEスイッチであれば、無駄な電力消費を抑止できます。未使用ポートやアイドル状態のデバイスには給電を停止する省電力モードや、利用時間に合わせて給電を制御できるPoEタイマーを搭載した製品も増えています。こうした製品・機能を活用することで、無駄な電力供給をカットでき、年間を通して電気料金の削減が見込めます。

配線がシンプルになる

PoEスイッチングハブを導入する大きなメリットが、配線が非常にシンプルになることです。従来であれば、ネットワーク機器ごとに電源ケーブルとLANケーブルが必要でしたが、PoEスイッチングハブを導入すれば、LANケーブルだけでデータ通信と電力供給を同時にできるようになります。その結果、配線を簡素化できるだけでなく、電源工事などの設備投資費を削減できます。

機器設置の自由度が高まる

PoEスイッチングハブを活用することで、電源コンセントの位置にかかわらず機器を設置できるようになり、自由度の高いネットワーク構築が可能になります。従来はIPカメラや無線APを設置する際、近くにコンセントがなければ延長ケーブルや電源工事が必要でした。しかし、PoEスイッチングハブはLANケーブル1本でデータ通信と給電を同時におこなえるので、天井や廊下、屋外の高所など電源確保が難しい場所にも容易に機器を設置できます。これにより、防犯カメラの死角解消や無線LAN環境の最適化を実現できるほか、レイアウト変更や設備拡張の柔軟性も向上します。

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PoEに関することなら、パナソニックEWネットワークスにお任せください。当社はネットワーク機器メーカとして、PoEの黎明期から高品質・高性能を追求し、L3スイッチからエッジスイッチ、無線APまで幅広い機器をご用意しています。PoE対応スイッチングハブは、高温環境対応モデルや雷サージ耐性強化モデル、ファンレスモデルなど、様々な環境で安定した通信を確保できる機器をラインナップしています。

オフィス・学校・工場など、お客様によって異なる環境やニーズに合わせ、スイッチングハブの機器選定、ネットワーク構築・工事、保守に至るまでトータルでサポートさせていただきます。

まとめ

近年のPoEスイッチングハブは、省エネ性能が大幅に向上しています。省電力イーサネットやスマートPoEスイッチ、PoEタイマーや未使用ポートの自動制御といった機能を活用することで不要な電力消費をカットできるのは、工場や学校、オフィスや公共施設にとって大きなメリットになります。PoEスイッチングハブを適切に選定・運用することで「省エネ」「コスト削減」「利便性向上」を同時に実現し、持続可能なネットワーク環境を構築しましょう。

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