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屋外の監視カメラや防犯カメラの落雷対策とは?被害の例や雷サージを防ぐ方法を解説

更新日:2025/09/12
屋外の監視カメラや防犯カメラの落雷対策とは?被害の例や雷サージを防ぐ方法を解説
監視カメラや防犯カメラは、今や多くの企業や公共施設に欠かせない防犯インフラです。しかし、屋外に設置された機器は、常に落雷という自然災害のリスクにさらされています。特に近年では、監視カメラ・防犯カメラの高性能化・ネットワーク化が進んだことで、落雷による影響や被害が拡大する傾向にあります。本記事では、雷の発生傾向や落雷の種類を踏まえ、屋外ネットワーク機器に求められる落雷対策について解説していきます。
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雷が発生しやすい時期はいつ?

気象庁のデータ(1991~2020年までの30年間の平均)によると、年間の雷日数(雷を観測した日の合計)は東北から北陸地方にかけての日本海沿岸の観測点で多く、金沢の「45.1日」が最多となっています。主要都市を見ると、東京で「14.5日」、大阪で「17.3日」、名古屋で「18.0日」、福岡で「25.5日」となっています。このように地域によって差があり、4月から9月は太平洋側、10月から3月は日本海側での報告が多くなっています。なお、年間でもっとも雷が発生しやすい月は8月です。

落雷の主な種類

落雷の主な種類

落雷にはいくつかの種類があり、それぞれ異なるメカニズムで被害をもたらします。誘導雷、侵入雷、直撃雷、側撃雷という4つの落雷について解説します。

誘導雷

誘導雷とは、雷が近くに落ちたときに発生する電磁誘導によって、電線や通信線などに高電圧が誘導される現象のことです。雷が直接落ちなくても、周囲の強い電磁場の影響で電流が発生し、接続されたネットワーク機器などに過電圧が侵入することで、機器の基板損傷や誤動作、破損などの被害をもたらします。

侵入雷

侵入雷とは、建物や構造物に落雷した電流が、電源線や通信線などを通して屋内のネットワーク機器などに侵入する現象のことです。雷電流が地面に流れきれず、配線を伝って建物内部へ入り込み、コンセントやモジュラージャックから機器に達します。被害は、電源装置の焼損や通信機器の機能停止など多岐にわたります。

直撃雷

直撃雷とは、建物やアンテナ、電柱、カメラポールなどに直接、落雷する現象のことです。高エネルギーの電流が瞬時に流れることで、構造物や接続されているネットワーク機器などを破壊するだけでなく、火災や感電などの二次被害にもつながります。もっとも被害が大きく危険な雷であり、落雷対策をしていても機器を保護できない可能性があります。

側撃雷

側撃雷とは、雷が落ちた対象から近くの物体や人へ放電が飛び移る現象のことで、「再放電」とも呼ばれます。たとえば、建物や木に落ちた雷が、近くにいる人や金属製の構造物に飛び移ることで感電や機器の損傷を引き起こすのが側撃雷の特徴です。屋外での作業時や構造物の近くにいる場合は特に注意が必要で、安全な場所への退避が推奨されます。

屋外に設置する監視カメラ・防犯カメラは落雷の影響を受けやすい

屋外に設置する監視カメラ・防犯カメラは落雷の影響を受けやすい

屋外に設置される監視カメラや防犯カメラは、常に自然災害の影響を受けやすい環境に置かれており、特に落雷による被害リスクが高い機器です。

雷が発生すると、誘導雷や侵入雷が電源線や通信線を通して機器に過電圧を与え、内部回路の焼損や映像信号の途絶といった障害を引き起こす可能性があります。適切な落雷対策をしていないと、カメラの故障だけでなく、記録装置やネットワーク機器にも被害が波及し、映像データの喪失や監視機能の停止といったリスクにつながります。

雷サージとは

雷サージとは、落雷によって発生する一時的かつ異常な過電圧・過電流のことです。雷サージは、雷が建物やその周辺に落ちた際に、電源線や通信線、アンテナ線などを介して屋内のネットワーク機器に侵入します。たとえ雷が直接建物に落ちていなくても、近隣で落雷があると電磁誘導や接地電位の上昇によって高電圧が発生し、ネットワーク機器に深刻なダメージを与えることがあります。

雷サージの侵入経路はいくつかありますが、電源コンセントやLANケーブル、電話線などが代表的です。雷サージからネットワーク機器を守るには適切な落雷対策が不可欠です。

雷被害の仕組み

屋外に設置する監視カメラ・防犯カメラの落雷対策

屋外に設置された監視カメラや防犯カメラは雷の影響を受けやすく、故障リスクも高くなります。効果的な落雷対策として、「SPD(サージ保護デバイス)の設置」「共通接地化による電位差の解消」についてご説明します。

SPD(サージ保護デバイス)の設置

屋外に設置された監視カメラや防犯カメラの落雷対策として、一定の効果が見込めるのがSPD(Surge Protective Device:サージ保護デバイス)の設置です。

SPDとは、電源線や通信線などを介して侵入する過電圧・過電流を安全に地面に逃がす装置のことで、雷サージによるネットワーク機器の損傷を防ぐ効果があります。SPDを設置する際は、カメラ本体の電源系統だけでなく、LANケーブルや同軸ケーブルなど信号線の各端にも設置するのがポイントです。

共通接地化による電位差の解消

屋外に設置された監視カメラや防犯カメラは、カメラ本体と接続機器が離れた場所にあるケースが少なくありません。このように、それぞれのネットワーク機器が別々に接地されていると「接地間電位差」が生じ、雷サージによって大きな損傷につながるリスクが高くなります。

これを防ぐために有効なのが「共通接地化」です。共通接地化とは、関連するすべての機器を同じ接地極に接続し、接地電位を統一することで、雷サージの侵入経路を遮断する落雷対策です。

監視カメラの落雷対策ならパナソニックEWネットワークス

パナソニックEWネットワークスは、業界水準を大きく上回る雷サージ耐性を備えたスイッチングハブを多数提供しています。全ポートに誘導雷をアースへ逃がすSPDを搭載。当社従来製品比で、雷サージ耐性を2.5倍の10kVに向上させています。監視カメラや防犯カメラなど、屋外ネットワーク機器の落雷対策として、ぜひ当社のスイッチングハブの導入をご検討ください。

まとめ

屋外に設置される監視カメラや防犯カメラは、雷サージによる損傷リスクが高いネットワーク機器です。落雷対策を怠ると、映像データの喪失や監視機能の停止など、重大なセキュリティ被害につながるおそれがあります。

SPDの設置や共通接地化による電位差の解消は、落雷によるリスクを軽減するための基本的な対策であり、信頼性の高いシステム運用には欠かせません。安定した映像監視を実現するために今一度、落雷対策を見直してみましょう。

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