「町田市立国際版画美術館所蔵 長谷川潔展 ―パリに生きた銅版画家の軌跡」
価格:3,000円(税込)
会期:2026年7月11日(土)〜 9月23日(水・祝)
発行年:2026年7月
発行:東京新聞 Ⓒ2026-2027
255×186㎜/208ページ
販売:東京新聞オフィシャルショップ
販売期間:2026年7月11日(土)10:00 ~ 2027年6月27日(日)23:59

「長谷川潔展 ―パリに生きた銅版画家の軌跡」ご来館にあたって
8月29日(土)~9月23日(水・祝)の土・日・祝日は日時指定予約をお願いします(平日は予約不要)。
受付は終了致しました。
日本を代表する版画家長谷川潔(1891-1980)は第一次世界大戦後に単身渡仏し、同地で生涯を終えました。失われつつあった銅版画の古典技法マニエール・ノワール(メゾチント)を独自の形で復興させ、版画の歴史に大きな足跡を残し、またエングレーヴィング、アクアチントなど様々な技法を探求しました。モノクロームで表現された深遠な精神世界は、今なお多くの人を惹きつけています。
長谷川の作品は日本の版画界に大きな影響を与えましたが、彼の活躍の舞台はやはりパリでした。1920年代から版画家としての才能を発揮した長谷川は、まもなくフォーヴの画家・版画家デュフィに見いだされ、マティス、ピカソ、シャガールら名だたる画家が名を連ねる「独立画家=版画家協会」に加わりました。またフランスの人々に日本の版画を紹介することにも尽力した長谷川は、日本の古典文学にエングレーヴィングのイラストレーションを添えた挿絵本『竹取物語』を手がけています。本展では、長谷川に影響を与えた十九世紀以前の版画や、パリで交流した同時代画家の作品とともに、町田市立国際版画美術館が所蔵する日本有数の長谷川潔作品コレクションを中心に初期から晩年に至る名品を展覧します。
展示室では、身近な物を描きながら、無限の奥行きを感じさせる作品に出会えるでしょう。そこには、深く沈む黒とやわらかに澄んだ白とが静かにひびき合っています。その前に立つとき、見えるものは一つではないのかもしれません。見つめるまなざしにだけ、ひらかれるものがあります。ぜひ会場で作品と向き合ってください。
*未就学児はご遠慮ください。
長谷川潔作品の白と黒にちなんで、会期中の4と6と9のつく下記の日程にオリジナル・ポストカードをプレゼントいたします。
実施日:7月14日(火)、7月16日(木)、7月24日(金)、8月4日(火)、8月6日(木)、8月24日(月)、9月14日(月)
各日先着200名様
価格:3,000円(税込)
会期:2026年7月11日(土)〜 9月23日(水・祝)
発行年:2026年7月
発行:東京新聞 Ⓒ2026-2027
255×186㎜/208ページ
販売:東京新聞オフィシャルショップ
販売期間:2026年7月11日(土)10:00 ~ 2027年6月27日(日)23:59

町田市立国際版画美術館が誇る「長谷川潔作品コレクション」を初めて館外で展覧します。渡仏前の明快な構成の初期作品にはじまり、パリで銅版技法を研究することで線の芸術性を研ぎ澄ませていった探求の時代を経て、やがて漆黒の深みに静かな精神性を湛える晩年のメゾチント作品に至るまで、長谷川の画業を通覧できます。
1920年代のパリで版画家としての活動を始めた長谷川は、画家で版画家のラウル・デュフィからの勧誘をうけて「独立画家=版画家協会」に加わりました。その時期の作品とともに、マティス、デュフィ、ラブルール、スゴンザックら交流のあった画家らによる同時代の名品をお楽しみいただけます。
日本の伝統性と西洋文化の融合ともいえる挿絵本の傑作、仏訳『竹取物語』。エングレーヴィングやドライポイントによる、繊細な線刻がもたらす凛とした気品ある仕上がりの挿絵が格調高く展開されています。本展は、特装本にしか入っていないスイット(挿絵部分を別刷りしたシート)を一挙に見ることができる、貴重な機会となります。
1891年、横浜に生まれた長谷川潔は、少年の頃より外国船の行き交う港を眺め、遠い異国に思いを馳せていました。本章では、長谷川が1913年から手がけるようになった文芸雑誌の表紙や口絵と、彼に影響を与えたオディロン・ルドン、ヴァシリィ・カンディンスキー、ウィリアム・ブレイクらの版画を展示します。

1919年、銅版画を学ぶためにフランスに渡った長谷川は、銅版をビュランで刻むエングレーヴィングなどの高度な技法を会得し、失われつつあった古典技法マニエール・ノワール(メゾチント)を独自の手法で復興させました。本章では長谷川の作品を技法別に紹介します。

1920年代初頭、フォーヴの画家ラウル・デュフィと知り合った長谷川は、彼が創設に関わった「独立画家=版画家協会」に勧誘されるなど活動の幅を広げ、次第にパリの版画界で注目されるようになりました。本章では、1920-30年代の長谷川の作品を、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、ジャン=エミール・ラブルールら同協会の画家たちの作品と並べて展示します。

渡仏後に「日本の尊厳」を知ったという長谷川は、1920年代後半から竹取物語を題材とする銅版画の制作に取り組み、1933年に挿絵本を完成させました。本章では、口絵から文字の図案、紙の種類にまでこだわった長谷川の珠玉の挿絵本をご紹介します。

第二次世界大戦中もフランスに留まった長谷川は、物心両面の苦労を重ねる日々のなかで創作活動を続け、ありふれた樹木や草木にも神秘が宿ることに気づいたといいます。本章では、戦中・戦後の長谷川が自然のかたちを克明に描き出した版画をご紹介します。

1950年代後半、長谷川は伝統的なマニエール・ノワール(メゾチント)の制作に立ち返り、深遠な黒を背景とする象徴性を帯びた静物画を制作するようになりました。本章では、激動の時代を生きた長谷川の集大成とも言える晩年の代表作が一堂に会します。
