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Issue #02 / タカノシンヤ / 面白法人カヤック プランナー

2021.3.21

音楽と広告企画、二足の草鞋を履くタカノシンヤ
全ての時間をつなぐツイッターという3rdTIMEの存在

仕事も遊びもそれ以外も、自分だけの時間の使い方を自らデザインし、人生を思う存分楽しんでいる人たちに学ぶ「3rdTIME」マガジン。

本日は、音楽ユニットFrasco、クリエイティブプロデュースチーム「チームフラスコ」の中心人物でありJ-WAVEのナビゲーターも務める一方で、面白法人カヤックにて広告の企画やコピーライティングもこなすタカノシンヤさんにお話を聞きました。


ーカヤックで企画やコピーライティングなどを担当するタカノさんですが、Frascoというユニットで作詞・作曲やパフォーマンスなどの音楽活動もされています。あらためて、今はどのような仕事内容をしているのでしょうか?

普段はカヤックという会社で働いていて、企画やサウンドディレクション、プロジェクトマネジメント、コピーライティングなどの仕事をやっています。広告のクリエイティブ制作などに関わることが多いですね。そちらがメインで、副業的に音楽活動をしているイメージです。

ーこれまでの経歴は?

実は転職ばかりしていて、今の仕事に就いたのは2年前なんです。もともと大学卒業後に特別支援学校で理科の先生を6年間やっていたんですが、いろいろあって仕事を辞めて、2年くらい海外をフラフラしていました。カナダとオーストラリア、メキシコで生活をして日本に戻ってきて。そのあとは外資系のヘッドハンティングや人材のキャリアコンサルタントを経験し、今に至るという感じです。実は転職ばかりしていて、今の仕事に就いたのは2年前なんです。もともと大学卒業後に特別支援学校で理科の先生を6年間やっていたんですが、いろいろあって仕事を辞めて、2年くらい海外をフラフラしていました。カナダとオーストラリア、メキシコで生活をして日本に戻ってきて。そのあとは外資系のヘッドハンティングや人材のキャリアコンサルタントを経験し、今に至るという感じです。

ーいろんな職業を経験してきたのですね。それぞれの仕事を選ぶ基準というかモチベーションはどこにありましたか?

コミュニケーションが好きなので、それを軸に仕事を選んできた部分があります。教員や人材系の仕事もそうですし、広告の仕事もクリエイティブを介したコミュニケーションが重要になる仕事だと思います。とにかく変化が好きで、面白いことが好きなので、これまで積極的に転々としてきたのかもしれません。

ー音楽活動はいつから?

学生時代にバンドでベースをやっていたのですが、その頃はほんとうに遊びでした。就職してからは音楽をやる時間もほとんどなくなってしまって。でも、海外から戻った時に、仕事だけじゃつまらないからと、また音楽を始めたんです。今のFrascoというユニットを始めたのはほんの偶然で、飲み会でたまたま僕が民族楽器を演奏していた時に、初対面だった相方の峰(らる)が「リズム感いいから一緒にバンドやろうよ」って誘ってくれて。

ー作詞作曲の経験は?

それまで作詞作曲なんてやったこともなくて、峰から「一曲作ってみて」と言われて、ガレージバンドという作曲のアプリを教えてもらって作ったのが最初でした。ある程度形になったので、ちゃんとレコーディングをして友達に聞いてもらったら案外反応が良かったので、勢いで坂本龍一さんの「RADIO SAKAMOTO」というラジオ番組にデモテープを送ったんです。そうしたら、優秀作品に選出されてしまって。はじめて作った曲が取り上げられたことで自信がついて、そのあと音楽活動を本格化させました。それ以降お声かけいただくことが増えて、徐々に案件として音楽のプロジェクトをいただくようになりました。

ーすごい。音楽を仕事として捉え始めたのはいつからですか?

前職まではほんとうに趣味の延長として音楽をやっていたので、時間はないけど楽しいからやってしまうという感じでしたよ。電車の中で永遠とスマホで曲を作ってました。最初多分1年間で100曲くらいは作りましたね。音楽の筋肉をつけるじゃないですが、ひたすら作曲を続けていました。昼休みにドトールにこもってひたすら作ることも(笑)。そんなことができたのは、スマホのおかげですよね。操作も簡単だから移動中でもお昼休みでも作曲ができるし、どこからもアクセスできるし。

interview

ー現代ならではの時間の使い方ですね。今ではカヤックと音楽という二つの仕事をこなすようになったわけですが、仕事の割合としてはどのような時間配分なんでしょうか

ざっくり言えば、平日がカヤック、休日が音楽活動です。実際には音楽活動からカヤックの仕事につながることもあって、あまり区別なく横断的にやっている感じですが。平日でも空いてる時間には音楽を作りますし、そのぶん休日にカヤックの仕事をすることもあります。カヤックで「うんこミュージアム」のテーマソング制作をやったのですが、そこにはFrascoとして関わるなど、完全なシナジーが生まれる場合もあります。

ーそれ以外の、プライベートの時間はありますか?

プライベートの時間はなくなりましたねえ(笑)。でも、企画考えるのも音楽もすごい好きでやってるので、全然苦じゃないです。プライベートでもあり仕事であるような感覚。最近で言えば、ツイッター芸人かというくらい、時間さえあればツイッターばかりしています。でも、ツイッター経由でできた人脈から企画の依頼をいただいたり、カヤックの仕事につながったりもして、結局それも営業ツールとして機能するようになりました(笑)。

ーそれはすごい(笑)。じゃあ「今日は休むぞ!」みたいな日は全然ないんですか?

スケジュール的に余裕があれば、土曜日にダラダラしたりしますよ。脳みそをフル回転させる仕事が多いので、考えない時間を強制的に作るのは大事なんです。最近ずっとサウナにハマってるんですけど、それも強制的にリセットする時間なんですよね。

ー時間の使い方において、意識していることや気をつけていることはありますか?

これが難しいんですよね。ルーティンがあるわけでもないので、都度いろんなタスクがある中で、やりたいこと、やらなきゃいけないことの優先順位を直感的に決めて、ゴリゴリこなしていくだけです。だけど、時間の使い方は下手だと思います(笑)。タスク管理みたいなことは全然やれていません。

ーそれでもやりたいことが浮かんだりして、どんどん時間が足りなくなっていく、みたいなことはありませんか?

ありますねぇ(笑)。音楽で言えば、そんな時には人に振るようにしています。苦手なことでも自分がやらなきゃいけない時には、得意な人に振っちゃった方がチームとしてはうまくいくので。僕は作詞・作曲・アレンジまで得意なのですが、サウンドを作るのは得意じゃないので、そういう作業はエンジニアに丸投げしちゃって、僕は得意な部分に集中する。国語と数学は得意だけど、英語はできないからほかの人に任せて、全員でオール5目指すみたいな感じですね。

ークリエイティブな仕事が多いと思うのですが、どこからアイデアが出てくるのでしょうか。

これが、いまだに困っているんですが、決まった型がなくて。この業界の先人たちが言ってることでいうと、どんなひどいアイデアでもいいからとにかく量を出して、その中からいいものが生まれてくるという考え方があります。スポーツみたいですよね。だから、実践を続けないと意味がなくて、ひたすら考えてアウトプットをしているんだと思います。苦しんでますね、今でも(笑)。カフェや喫茶店へ行って気分を変えたり、手を動かしてノートに書きまくることでアイデアが見えてきたり、一旦発散させたアイデアを寝かしているとお風呂はいっている時にいいアイデアが生まれることもあります。

interview

ーでは、そんなタカノさんにとって、仕事とは何なのでしょうか。

そもそも、仕事をやっている感覚じゃないようにと、意識しているのかもしれないです。楽しいことをやっていて、それがお金になるのが理想的じゃないですか。だからなるべくつまらないことも楽しくなるようにマインドチェンジをしようと思っています。仕事をしなきゃお金がもらえない、お金がないと生きていけない、どうせやらなきゃならないことだったら、少しでも楽しい方がいいですからね。あと、そうですね、仕事という言葉がよくないのかもしれないですね。音楽は自由時間みたいなものだし、仕事だと捉えずにセックスだと思うようにしています。ほかにも、表現の問題ですが、会議というとテンションが下がるのでパーティって予定に入れたり、重めの会議のことをフェスと呼んだりして謎に楽しんでいます(笑)。

ー(笑)。タカノさんにとっての3rdTIMEはどんな時間ですか?

以前は電車の移動中やドトールにこもって音楽をやってる時間が3rdTIMEだったのかもしれませんが、それが仕事になってきたりもしたので、今はツイッターがある意味で一番の3rdTIMEかもしれないです(笑)。遊びの場であり、言葉を磨く練習の場であり、実験の場であり、営業の場でもある。基本的には楽しくてやっているけれど、結果として仕事にも繋がるし、歌詞を書くための練習とか、反応を見るための実験だとか、いろんな役割があるんです。ラジオに出演いただいた蔦谷好位置さんともツイッターがきっかけでつながりましたし、ツイッターが僕のあらゆる時間をつないでいる(笑)。

ーそれは面白い。もはやツイッターが3rdTIMEでもあり生活の一部ですね。

そうですね。日課として、日々バズっているツイートをとりあげて分類しているんですよ。何がしたいかというと、どういうコンテンツが人の心を動かすのかを見ているんです。今まで半年くらい続けてみたんですが、共感系と振り切り系、そのほかにざっくりと分類ができました。喜怒哀楽に絡むものがバズりやすいとか、圧倒的にバカなもの・美しいものとかに振り切った投稿はバズるとか、そんなことが見えてきました。最近は政治的な発言がバズりやすいですが、あれも自分が言いたくても言語化できていない怒りを誰かがズバッと言ってくれているからですよね。

ーツイッターがなくなったらどうしますか?(笑)ーツイッターがなくなったらどうしますか?(笑)

ツイッターがなくなってしまったら僕も一緒に消えちゃうんじゃないかな(笑)。


profile

タカノシンヤ / 面白法人カヤック プランナー

作詞・作曲・アレンジ、企画等。Twitterの「すぃんや」アカウントではバズツイートを連発し最高でテキストツイートのいいね数が日本歴代30位以内にランクイン。ライブではプレゼンのようなスタイルでMCを行う。面白法人カヤックにて広告の企画やコピーライティングも。
持ち前の明るさで一人コントもたまに行う。


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