
2015年11月11日
-
まずはじめに、11月2日の初戦(対 Honda)に球場まで応援にお越しいただきました皆様、そして日頃より選手たちの活動にお力添えをいただいております皆様に心より厚く御礼申し上げます。
7月より日本選手権優勝に向けた「100日計画」を立て、それを全員で実践して臨んだHonda戦でしたが、成長した選手たちの力を私が十分に発揮させることができず、初戦敗退となりました。誠に申し訳ございませんでした。今年のチームは大きく若返ったチームになりましたが、キャプテンの松元を中心に結束して、まずは体の芯を鍛える「土台づくり」からシーズンをスタートし、選手たちは「準備」「ファーストプレー」「つながり」「執念」……等々のキーワードを意識して日々の練習、そして大会にチャレンジしてくれました。結果は皆様のご期待にお応えすることができませんでしたが、この一年間の選手たちそれぞれの取り組みが必ず来シーズンに結実することと信じております。
本年度の野球部の活動はいったん区切りを迎えることになりますが、来年度はこの悔しさをバネに、必ずや、反転攻勢し、悲願の社会人野球二大大会優勝を目指し、チーム・スタッフ一丸で頑張ってまいります。
一年間のご声援、誠にありがとうございました。
パナソニック 野球部監督 奥代恭一

2015年10月16日
-
都市対抗予選敗退を真摯に受け止め、予選敗退の要因と課題解決策を本音で話し合い、日本選手権優勝に向けた「100日計画」を立てました。そして、7月13日にこの「100日計画」を全員に確認・徹底して、チームの再スタートを切りました。
この「100日計画」の肝(活動指針)は、「チーム全員が一枚岩になり、猛練習にチャレンジし、失敗を恐れず一丸となって戦えるチームづくり」です。7月・8月はこれまでの強化期練習量の倍以上の厳しい練習量を連日積み重ね、個のレベルアップと、チームの結束力を高めました。またこの間、キャプテン松元の留守(日本生命へ補強)を預かった副キャプテンの鶴川と三浦の二人がどんな練習でも常に先頭に立ち、気迫溢れる姿でチームを引っ張り続けてくれたことが、この強化期の大きな成果に繋がりました。
9月からは、7月・8月でつけた力を試合で発揮する(出力に変える)実戦練習期・試合期に入りました。この期間のポイントは「パナソニックが目指す試合展開」を常に全員で確認しながら、それに向けての準備を粘り強く続けていくことです。
今年のチームは新人11名が加入し若いチームになりましたが、この“若さ”を「100日計画」で“勢い”に変えて日本選手権優勝にチャレンジしていきたいと思っております。
日本選手権初戦の対戦相手は強豪ホンダに決まりました。これからは全員が初戦に全神経を集中して、勝つための準備を積み重ねます。そして11月2日のホンダ戦はキャプテン松元を中心にチーム全員が結束して一枚岩になり、失敗を恐れず強豪ホンダにチャレンジしていきます。
日本選手権大会も皆様の熱いご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2015年6月18日
-
先ずは、都市対抗野球近畿地区予選におきましては連日皆様からの熱いご声援をいただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
皆様のご声援にお応えすることができず予選敗退となり、申し訳ございませんでした。この結果を真摯に受け止め、チーム全員がもう一度結束し秋の日本選手権優勝に向けて精進してまいりますので、今後ともご声援のほど、よろしくお願いいたします。
「先見、先手、先制」を掲げた2014シーズン。優勝したJABA長野大会、熱戦を繰り広げた都市対抗と、個の力が光った。日本選手権ではその思いが一つになり、各試合で序盤に先制点をあげて勝ち進み、ベスト4。今築きつつあるチーム力を、確かなものに。新たな結束を見せるシーズンがスタートした。
昨シーズンを振り返って

監督就任1年目、個をしっかり見つめ、技術の上に胆力を据えた組織をつくり上げたいと考えていました。JABA大会初戦の長野での優勝から、選手たちは本来の力とチームワークを見せ、松元が首位打者、足立がMVPに選ばれるなど、突き抜けた活躍があり、各ポジションで皆が定位置をつかもうという気概も感じました。ここで日本選手権大会の切符を手にしたことで、シーズンの先を見越し、じっくり選手やチームの実態と向き合って歩を進めることができました。

続く都市対抗。予選で投手それぞれの頑張りが目立ち、藤井や四丹の安定感、影のMVPとも言える鶴川の粘り、ルーキーの近藤も早速奮闘しました。本大会は2試合でしたが、1点を守り抜いたJFE東日本戦、そして無死2塁、3塁のピンチをしのいだJR東日本戦と、心に残る試合が続きました。前年の結果は上回れなかったものの、各々が粘り強く、ひたむきにチームに尽くす姿を再確認できました。打撃も各所でいい当たりが見え始め、現状の実力と課題、勝利へのイメージがクリアになっていきました。
日本選手権はベスト4に。「バッターボックスでは、初球から100%のスイングを」。日ごろから「先見、先手、先制」を意識付けしてきただけに、準備力が違いました。準々決勝までの全ての試合で先制し、取り組んできたファーストプレーへのこだわりを体現してくれました。4試合で本塁打が4本、3塁打が5本。柳田の2打席連続本塁打には、チームが大いに湧きましたね。実戦で勝ちを重ねることで、チームが何かつかもうとしている。シーズンの締めくくりに、そう思える戦いぶりだったと感じます。
打線に厚みを、1点差をものにする

当初、課題は山積していました。一つは、引退選手らに代わるセンターラインの構築。しかしふたを開けてみると、ショートは横田や三浦を投入すれば十二分に動いて堅く守ってくれました。打撃の主軸でもあるセンター田中(宗)の存在も大きい。レフト、ライトとの連携や指示も意識し、きっちり仕事をしてくれています。捕手もベテラン井上(和)が後ろで控えてくれていたおかげで、足立を思い切って最初から使うことができ、足立もそれによく応えてくれました。足立と横田の成長の陰に、井上(和)・三浦の心強い存在がありました。今、バッテリーと守備は、全国でも引けを取らないレベルだと自負しています。
都市対抗 本大会の初戦は、守備と一体となった粘投で、藤井がしぶとく相手を封じ込め、ワンチャンスでもぎとった1点を守りきりました。藤井は、練習、試合に関係なく、1球1球に魂を込めていることが分かります。調子の良し悪しに左右されるようでは大舞台では戦えませんから、常に100%の自分でいる努力をしているのでしょう。この1年で彼自身もチームをリードしていく、背負っていくという自覚が強まったはずです。また2戦目は、初めて都市対抗のマウンドに出た鶴川が、ピンチを見事に封じた場面も。鶴川は経験豊富なのですが、リハビリで長く出番がなかった。普段の練習、そしてあのイニングで、野球人生にかける思いが伝わってきました。今シーズンもたぎる情熱を持って挑んでほしいと思います。

しかし、守備力に甘んじていてはその先の勝利は見えません。もう一つの課題は、「打力」と明確です。社会人野球全体が「投高打低」の時代。昨シーズンの2大大会を調べると、1試合での平均安打はわずか7本、しかも長打は2本も出ない。一方三振の数は平均8。単打がほとんどでランナーが進まず、そこで流れが途切れてしまっているのです。追い付け、追い越せとは言えど、1点の差がとても大きな壁になってしまいます。都市対抗で5回勝ち進み、黒獅子旗をつかもうと思えば、長打や連打が出る打線をつくることが絶対条件です。どんどん得点すること。実際、各大会で優勝したチーム・ベスト4以上のチームは長打の確率が高いのです。長打を放つには、初球の甘めのストライクを見逃す手はありません。「ファーストストライクを積極的に振れ」とはっぱをかけ続けました。そこで捕手の足立がうまくそれに応えてくれましたね。彼の思い切りの良さは、思い描いたバッター像にうまくハマりました。結果、足立は捕手としての経験も積むことにもなり、良いシーズンだったと思います。同じく捕手の三上も、都市対抗予選や日本選手権で好バッティング。ポジション争いにもなりますし、どんどん力をぶつけてほしいと思いますね。
守りが得意な選手が多いのは承知の上ですが、これからは打撃を得意と言えるように。具体的な方針の一つが、2ストライクに追い込まれるまでは「自分のスイング」をすること。1番から9番までその気持ちをつなげて、得点力をアップしてもらいたいです。また、全員がアウトコース、変化球が得意になっていく成長を期待しています。
土台づくりで一回り大きなチームに

今シーズンに向けては、新人11人ばかりではなく、全員に「土台づくり」を徹底しました。細かいチームプレーにこだわるより、まずはしっかり打って、投げて、走る。春季キャンプで、夜間や早朝、トレーニング量は昨年の倍をこなしました。「体の芯」を鍛えるためです。最初はきつくても、だんだん当たり前のレベルが変わり、選手たちが自主的にアップをして体を整え、練習後に走り込みを重ねる姿もありました。体は、一回り大きくなっているはずです。また、心肺機能を上げて、脈拍が上がった状態でしっかりパフォーマンスを発揮すること。単に「力を付ける」ためだけのトレーニングではなく、「力を出す」ためのトレーニングが大切だと思っています。そして、それが全て野球のプレーにつながるトレーニングであることを意識して取り組むことが、強化のポイントです。さらに、トレーニング量を増やし、選手を連日追い込んでいる分、今年は選手の体調管理・治療体制も厚くしました。細部にわたるメディカルチェックの実施だけではなく、全員で栄養学を学んで、3食の採り方の意識を変え、練習前後だけでなく、練習中の補食も取り入れました。ベテランの大江・田中(篤)・井上(和)が、それぞれの個性でチーム引っ張ってくれ、12日間、若手と同じメニューをやりきってくれたことに感謝しています。そしてキャンプを終え、チーム全体で故障者がほぼ出なかったことが、大きな収穫だったと思います。
全員で目標を共にし、きついトレーニングに挑むことで、感覚的なつながりも生まれます。一つの言葉、体験の共有で、皆が同じベクトルを持つことができるのです。その「感覚」は試合のあらゆる場面で、またわずかな間合いに威力を発揮します。社会人野球の一試合におけるプレーとプレーの間、ボールが動いていない時間は、平均1時間10分という計算をしました。その間を全員がどう生かし、チャンスを生み出していくか。次の一手を繰り出すまでの「準備力」は、野球ならではの戦略です。感覚は一朝一夕に身に付くことではない、それは個々の野球人生でよく理解しているはず。普段の練習から意識を高め、表現し、共有していくことが大切です。常に1歩相手を上回る、勝利のための大きな可能性がそこにあると思います。
勝利への道をクリアに描く

2015年のチームスローガンは松元キャプテン考案の、「結束 ~初の頂へ辿り着け!~」です。11人の新人たちはそれぞれ特徴のある選手ばかり、大いに期待しています。彼らと思いを一つにし、行動に表していくことが、チームにとって大きな意味を持ちます。新キャプテンの松元は、気配りができ、自分にも人にも厳しい人物。皆への説得力も大きいでしょう。副キャプテンの三浦、鶴川にも若手の良い壁になってもらって、チームを盛り立ててもらえたらと思っています。練習中も、手を止めてでも意識の確認を。どんどん声を出し、「自分のプレー、チームメイトのプレーに対する感度を高めよう」と言っています。気配り、目配りとも言い換えられますが、これは社会人のあるべき姿、当然のことを実行するまで。私やコーチから働きかけるのではなく、選手自らが主体的に行動を起こしてこそ、さまざまな部分で成果が表れるでしょう。
頂点に駆け上がることをイメージし、「共通の言語づくり」を積み重ね、過去5年間の2大大会データ分析から、具体的な指標も出しています。まずは、「相手に勝るファーストプレー」を信念に、3回までに2点以上を得点する。その間、守備では何がなんでも失点を0に防ぐことです。トータルで4点以上の得点を目指し、失点は0にこだわってとにかく2点以内に抑えるべきです。そして、自チームが得点した後の守りは、絶対に0に抑え、流れを相手に渡さないという「執念」を見せてほしい。勝利のイメージを言葉にし、数字にし、進んでいくことが大切です。そうすると、動作、声、気持ちに「つながり」ができ、集中すべきことがクリアになるはずです。トレーニングで、体に昨シーズンを上回る大きなエンジンを積んでいるのですから、内から湧き上がるパワーも実感できるでしょう。しっかりと体の、心の芯を据えて、勝利への快打を放ってほしいと思います。今シーズンも選手一人ひとりが全力で戦い抜き、これまで以上の結束力をもって頂点を目指します。応援してくださる皆さまに感謝の気持ちを伝えられるよう、さまざまな活動に励んでまいります。熱いご声援をどうかよろしくお願いいたします。
(取材日:2015年3月9日)
頂へ――。先手で仕掛け、勝利をつかむ。
準備力、執着心、志を共にした新チーム。
強く、たくましいエンジンを載せ、
「パナソニック野球部」が始動する。



