Panasonic Sports

パナソニック野球部 久保 恭久監督

2013年1月8日

新しい年を迎え、どのような年に……? まぎれもなく、「都市対抗優勝を狙う戦いぶりをする」有言実行の年だといえます。前年の選手たちの踏ん張り、頑張りの勢いが今年のチームにもたらす影響は、「欲」、そして「勝負に対するこだわり」となって生かされることを望んでいます。

また、選手たちには野球が出来る感謝の気持ちをもって前に突き進んでもらい、監督としては選手たちが迷いのない踏み込みが出来るよう足元をしっかり踏み固め、照らしていきたいと思っております。特に、昨年力を出し切れていない投手陣には主動権を強く認識させ、また役割よりも仕事としてあらゆる面において心身ともに溢れ出るような激しさを求めるとともに、個々の持ち味をチーム内で理解し合う全員野球の大切さが「勝負強さ」に直結すると信じ、戦い抜きたいと思います。

今年もまた、パナソニック野球部の活躍を楽しみにしていただけましたら幸いです。ご声援のほどよろしくお願い申し上げます。

2012年11月13日

夏からの進化を誓って臨んだ日本選手権大会。応援してくださる皆様に、選手たちが躍動することでその進化をお伝えしていこうと、監督から選手たちに要求し続けてきた大会でもありました。

「一歩の前進、更なる踏み込み」は成し得たかと思っておりますが、同時に頂点を手中に収める厳しさを痛いほど味わい、志半ばで跳ね返された結果となりました。

この日本選手権大会で身体を張って戦ってくれた選手たちにも、また私自身にも「まだ、何かやれることはないのか?」を追求し、さらに前のめりに突き進んで参りたいと思っております。

この大会を含め、1年を通してパナソニック野球部に多大なるご声援を送ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

2012年10月17日

今回で社会人野球日本選手権大会への連続出場は18回目となり、その事実に有難さを感じております。2012年の最後を飾るこの大会は、今シーズンの総決算でもあり、また次年度への足がかりとなる大会でもあります。春からの一歩々々、都市対抗での選手の身体を張った頑張り、夏からの3ヶ月の経過による新戦力の台頭……。さまざまな深い思いをプレーに乗せて『攻撃を仕掛ける』ことから自分たちのペースを掴み、一戦必勝の積み重ねの先にあるダイヤモンド旗を目指します。皆様、ご声援の程よろしくお願い申し上げます。

2012年7月23日

近畿地区・第一代表として出場したパナソニック野球部は、本大会で1勝することの厳しさを体感しながら、補強選手の力添えの元ベスト4を賭けての試合まで勝ち進むことが出来ました。

敗戦したJX-ENEOS戦では相手の猛攻をモロに浴び、2度の1イニング4失点(2回、5回)は、まさに我々が目指す『貪欲さ』を相手に示された形となりました。「ここまで勝ち上がったが、そこからの前進をどうするのか?」と、大きな教訓をいただいた一戦でした。

『チームの結束力』で守りきった2試合、相手チームに教えられた我々の目指す野球…。大変、意義深い大会となりました。今後はあの場所で“引き下がらず、前進あるのみ”の姿勢で攻めの強さをプラスした野球部を目指し、鍛練を重ねたいと思っております。

大会期間中は大応援団がどっしりと我々野球部を支えていただき誠にありがとうございました。大変な力でサポートいただきましたことに心より感謝しております。今後、『より一層のたくましさ』を目指します。

2012年7月4日

都市対抗野球大会初戦は抽選の結果、7月18日(水)18時から、Honda熊本と対戦することに決まりました。Honda熊本は、パワフルな野球をする印象を持っています。

一方、自チームに目を向けると6月29日(金)より3名の補強選手(投手2名、内野手1名)が合流し、本選までのオープン戦などを通じてチームとの融合を図りつつあり、より一層、戦力の充実が望めると感じております。

門真市はもちろん、多くのパナソニック ファンの方々と喜びを分かち合うためにも、野球部は「貪欲に」を基軸に一つひとつの積み重ねから、どれほどの大きな成果を生み出すことが出来るか、果敢に挑戦する所存です。この東京ドームの大舞台で、「野球が出来るありがたさ」を一人ひとりがどのような表現力をもってプレーするのかを楽しみにしていただけたらと思います。

社会人野球の素晴らしさを応援してくださる皆様にお伝え出来るよう「貪欲に」闘います。ご声援の程よろしくお願い申し上げます。

2012年6月5日

皆さんの多大なるご声援に後押しされ、近畿地区第一代表を獲得することができました。ありがとうございました。

大阪の予選で苦しみ、選手がもう一段、自分自身を高める工夫をしてくれました。まさに全員が「今、自分に出来る最高の仕事」に果敢に挑戦する過程を生かせたのかもしれません。

次の目標は東京ドームで「何試合闘えるか」となりますが、挑戦し続ける過程の中での深みにどこまで着目していけるかが鍵になってくると感じています。我々が持っている皆さまへの感謝の気持ちが、皆さんの喜びと感じていただけるように、パナソニック野球部は日々の積み重ねを大切にしたいと思っております。

我々に勇気をくださった熱いご声援、誠にありがとうございました。

2012年5月31日

近畿地区予選の頂点を狙える位置までたどり着きました。準決勝では、いっ時の優越感が危機を招く、魂と魂のぶつかり合いの厳しさをチーム全体で再認識させられました。

6月4日(月)に京セラドームで第1代表決定戦を戦える事への感謝と誇りを胸に秘め、結束力を崩す事なく『1位になる挑戦』にむけ、貪欲なプレーで精一杯励みます。

引き続きの皆様のご声援、よろしくお願い申し上げます。

2012年5月15日

5月20日より「都市対抗・近畿地区第2次予選進出決定戦」が始まります。近畿代表権獲得に向けて、意地と意地のぶつかり合いへの突入でもあります。

昨年の予選ではもがき苦しみながら手にした代表権ですが、今年はどのように闘う集団に、姿になっているかを楽しみにしていただければと思います。

「全員の結束力」をテーマに身体を張った熱い闘いを展開し、応援してくださる皆さまに笑顔をご提供できるよう、魂の入ったプレーで戦い抜きます。皆さまのご声援、よろしくお願い申し上げます。

2011年、パナソニック野球部は地元・大阪で開催された「都市対抗野球大会」に出場するも、1回戦で延長12回タイブレークの末、惜しくも黒星を喫しての敗退。久保がチームを率いて2年目となる今シーズン、「1球のチャンスに“執念”をもって挑む野球を」と、社会人野球の頂点を狙い更なる高みにチャレンジする。
自分の力でチャンスを勝ち獲る逞しい集団へ、パナソニック野球部は力強く前進する。

昨シーズンをふり返って

パナソニック野球部の監督に着任し初年度となる昨シーズン、東日本大震災の影響をうけて社会人野球大会とJABA大会の開催が見送られました。例年とは異なるスケジュール感の中、オープン戦や強化練習で調整を重ねましたが、史上初、地元・大阪(京セラドーム大阪)での開催となった「都市対抗野球大会」では、1万8千もの大観衆のご声援を受けながらも初戦敗退。大阪・門真市代表として、日頃応援してくださる多くの方々の前で輝けるタイミングを逃したことに大きな悔いを残しています。

パナソニック野球部にとって都市対抗・本選への出場は必要最低条件で、私たちは本選で白星を重ねることを目標としています。昨年の結果を振り返ると、監督である私が選手たちの能力を十分に生かしきれなかったことが第一の反省点だと思っています。今シーズンは私自身が彼らの成長した部分を昨年と比較できますし、選手たちの長所を引き出しながら試合に臨むことができると考えています。

昨年の都市対抗で延長タイブレークの試合を経験しましたが、やはり9回で決着をつけることが基本です。予選でも、ランナーを塁に出しながらチャンスを逸した場面が何度もありました。「あと1本」の前段階が整わず、誰かの「1本」に頼ってしまう野球では勝ち続けることはできません。リズムよくチャンスメイクできるチームは、総力で相手に揺さぶりをかけ勝利への確率を高めていくことができます。チャンスを作るには、キレイなヒットでなくてもいいんですね。多少無茶であっても、勝負を捨てずに身体を張ったプレーを積み重ねれば、チームに勢いをもたらし結果につながります。

特にプレッシャーのかかる試合では、どちらがチームの実力貯金を蓄えているかが勝負の分かれ目となります。貯金が少なければ打つ手も限られてしまいますが、貯金があれば、相手チームがどのような攻撃を仕掛けてこようが、どのような投球をしてこようが、自分たちのリズムで試合を展開することができるのです。このチーム貯金をどのように蓄えていけるのか、今、テーマをもって選手たちの技術力を確かめているところです。

壁を壊し、失敗を糧に。

昨シーズンは丸木を外野から内野へ、加守田をキャッチャーから外野へとコンバートしています。チーム力向上のためにも必要な判断であり、選手自身の強みを生かす可能性を探った結果でもあります。また、器用で勝負強い後界にスーパーサブとして活躍してもらったり、若手に挑戦させたりと、今の自分に固執せず殻を破ってもらえるような対策を打ちました。選手同士の切磋琢磨、チーム内競争は必要なことですからね。

試合でもポジション争いにおいても、「俺、無理や」と思った時点で選手生命は終わりだと思っています。私たちは、試行錯誤や失敗を恐れてはいけない道を歩んでいます。だからこそ、選手たちに「壁を造るな」と伝えたい。失敗した結果を自分で受け止めることができれば、周囲からのアドバイスも響いて次に繋がるし、失敗を続けそれが成功に繋がれば、野球に深みが生まれます。「回り道してもええやん」くらいの冒険心がアスリートには必要です。

アスリートというのは、今到達していない場所に辿り着くために、プレーの限界、身体の限界を乗り越えて、更に高等なプレーを身につけようとリスクを負ってチャレンジしている人のことなんですね。手が届き、必ず成功することだけに取り組むというのは、テクニックや小手先で“楽”をするということ。自分の実力を客観的に把握し、目標をもって努力を積み重ね苦手部分を克服すれば、それは選手自身にとっての新たな強みとなり武器となるはずです。

少年時代の私は、引っ込み思案で気が小さかった。現役時代は、不器用で自分にバリアを張ってチームメイトを寄せ付けないタイプだったと思います。コーチや監督として選手たちを指導する立場に立ち、その役割に背中を押されて少しずつ視野を広げることができました。振り返ると、多くの過ちと失敗を重ねてきたと思っていますが、野球が自分をここまで連れてきてくれました。可能性を信じて未知の世界に挑戦できるというのは本当、スポーツの醍醐味です。

“野球人”としての真剣勝負

“野球”はチームスポーツですから、私は監督としてチームが勝てる確率を追求するし、そのためにサインプレーの精度を高めたい。今のパナソニック野球部にとって、プレーの幅が広く安定して技術を発揮できる選手、場面によって柔軟に対応できる選手が必要です。プレー面での実力はもちろん、高いモチベーションを維持して試合に挑み続けるメンタル的な強さも重要です。そうした選手はチームへの貢献度も高く、戦力維持・向上(=チームの貯金)につながるとも考えます。

私たちはパナソニックを背負って野球をしているのですから、社会人野球の舞台に立っている責任を全うするためにも、組織の役に立つ行動をとることが期待されています。どのような試合展開であっても打席に立つ以上は、その場面でチームが求めているバッティングを実行することが選手たちの仕事です。サイン通りにプレーで表現すること、これはダイヤモンドに立つ必須条件となります。

チームが高い目標を掲げていても、選手個々人が独りよがりな考え方をしていればチーム力を下げてしまうんです。例えば、「この試合に照準を合わせよう」とか、「このゲームはそこそこでいい」とか。人間はそんな器用にギアチェンジができないですよ。常にトップギアでどこまで走り続けられるのか。相手からの揺さぶりにも動じない精神的なスタミナをつけ、波の少ない選手であるために取り組むべきことは沢山あります。

私は選手たちが決めた2012年のスローガン「いざ頂点へ。~本気で苦しみ、本気で喜ぶ~」のフレーズに、とても惹かれています。(選手たちの)“苦しむ”姿を見てみようじゃないか、そう感じると同時に、「オレも本気で戦うぞ」という思いが沸き上がっています。野球を大事にしながら、チーム一丸となっての真剣勝負しかありえません。野球を通じて肉体面、精神面を鍛え、“野球を取り巻く全て”に敬意を払いつつ自分を、そしてチームを向上させてまいります。

戦力への期待、そして手応え

今季よりキャプテンに5年目の森を、副キャプテンに松元を指名しました。森も松元も気迫を表に出せるタイプです。持ち前の明るさと責任感で若手とベテランの中継役の責務も果たしながら、チームを引っ張り新たなパナソニック野球部の伝統を築いてほしい。また12月より、楽天から森田が新戦力として加わりました。長打力に更に磨きをかけて社会人野球選手として成長し、チームに貢献してもらいたいですね。

投手陣については山本や田中(篤)のメンタル力をお手本に、まず四丹に安定した技術力をと期待しています。ピッチャーはマウンドに立つ以上、バッターにもチームメイトにもポーカーフェイスで立ち向かっていかなければなりません。結果を求めれば求めるほど、苦しみも不安も跳ね除けてキツい状況を脱出していく術を持たなければなりませんが、彼の活躍は間違いなく若手投手陣を奮起させています。

アスリートというのは、今到達していない場所に辿り着くために、プレーの限界、身体の限界を乗り越えて、更に高等なプレーを身につけようとリスクを負ってチャレンジしている人のことなんですね。手が届き、必ず成功することだけに取り組むというのは、テクニックや小手先で“楽”をするということ。自分の実力を客観的に把握し、目標をもって努力を積み重ね苦手部分を克服すれば、それは選手自身にとっての新たな強みとなり武器となるはずです。

少年時代の私は、引っ込み思案で気が小さかった。現役時代は、不器用で自分にバリアを張ってチームメイトを寄せ付けないタイプだったと思います。コーチや監督として選手たちを指導する立場に立ち、その役割に背中を押されて少しずつ視野を広げることができました。振り返ると、多くの過ちと失敗を重ねてきたと思っていますが、野球が自分をここまで連れてきてくれました。可能性を信じて未知の世界に挑戦できるというのは本当、スポーツの醍醐味です。

新人や若い選手たちには、もっともっと苦労して価値ある下積み生活を過ごしてほしい。昨年、田中(宗)や秋吉が活躍しましたが、夏場には体力を落としていますし、今年は2年目のジンクスにやられるかもしれない。甘い世界で闘っているわけではないのですから、どんどん経験を重ねていかなければなりません。大学までに培ってきたプライドは一度捨て去り、今のうちに自分の短所を埋めていく準備を怠らないでほしいですね。

2012年のパナソニック野球部は、勝負師として戦っていきます。ぜひ球場に足を運んでいただき、選手たちの本気度を確かめてみてください。私たちは頂点を目指すため、本気でもがいています。今シーズンも温かく、熱く応援くださいますようよろしくお願いいたします。

野球選手を目指す子どもたちへ

野球をしている皆さん。ぜひ、今、楽しいと思うこと、面白いと感じることにどんどん挑戦してください。子どもたちは野球技術の習得のペースが早い。投げることでもいいし、打つことでもいい、走ることでもいいので「自分はこれだ!」という長所をしっかりと掴んでおけば、大人になってもゆるぎない自分を信じることができます。短所を補いバランス感覚を磨く作業は、大人になってから。野球での“勝負勘”を思いっきり楽しんでみてください。

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