しなやかな腕の振りから放たれる、150キロ超のストレート。
「榎本さんがいるので、僕も思い切りいける」と、常に打者へ大きな勝負を挑む與座選手。素顔は皆が「テンネン」と口をそろえ、本人は「ハハハ」とおおらかな笑顔。
その人柄に親しみを感じながら、野球やチームへの思いを聞きました。
DATA
- 沖縄県出身
- 沖縄尚学高校
- 関西国際大学:大学通算20勝を挙げ、3年時には侍ジャパン大学日本代表候補にも選出
- パナソニック:入社後は投球フォームの改造にも着手し、2020年シーズンからは主戦投手を任されるまで飛躍を遂げた
思い出の球場
球場といえば、高校時代の地元の沖縄セルラースタジアム那覇が浮かびます。ヒットを打ったり点を取ったりすると、歓声と共に指笛がピュー、ピューと鳴るんです。沖縄独特の盛り上がり、あの音と高揚感が好きやなあ。僕もベンチにいる時はお客さんと一緒になって「うわーっ」と応援していました。東京ドームでの都市対抗野球は、お客さんが入るとどんな雰囲気なのかなあ。今年は観客と応援が戻ってくるので、都市対抗ならではの空気を楽しみにしています(取材:2021年10月)。
学生野球との違い
高2の県予選で、沖縄水産高校を相手に先発から延長13回まで投げました。球場は熱狂の渦、どちらが1点を取るかの緊張の中、ホームランを打たれて崩れてしまった。今でも「勝ちたかったなあ」と思います。学生時代は区切りがありますが、社会人野球は一つの結果で燃え尽きることはできません。毎年、二大大会への厳しい戦いが続きます。プレッシャーの中で投げるのはやりがいもあり、ピッチャーがゲームを壊す怖さもあります。たとえ悔しい思いをしても切り替えてどう次を迎えるか、今はそこに面白みも感じています。
投手に必要なこと
たとえ調子に不安があっても、攻める気持ちで投げる。バッターとの1対1の勝負を、強気に攻めてどう抑えていくかが投手の力です。それと、向上心。改めて今、子どものころの「できるようになる楽しさ」や「うまくなりたい気持ち」を大切に思います。日々少しずつ向上していれば、一度後ろに戻っても大丈夫。少し戻っても、1年前よりはよい状態なんです。壁に当たれば一つ戻ってまた前に進む、その繰り返しで必ず向上できます。決して自分で限界を決めないようにしたいですね。
野球選手としての掟
- ① 弱気にならない
- ② 常に向上心を持つ
- ③ 投げる時は楽しみながら!