EPISODE 1

【#1 上田隼也】打席に立つとムードが一変、
チャンスで発揮する強心臓

2022-06-10

パナソニックの勢いを象徴するパワーヒッター。チャンスに燃えるその心情は、「あとは知らん!使ったほうが悪い!」。練習中から阪口コーチと「根性!」「根性!」の掛け合いで士気を高めるのもおなじみの光景。1発の破壊力でゲームを楽しませてくれる上田選手。心と体を育んだ故郷のことから語ります。

#1 上田隼也

[Shunya Ueta]

DATA

  • 高知県出身
  • 高知高校2年時にセンバツ甲子園に出場しベスト4へ進出
  • 亜細亜大学に進学後は外野のレギュラーとして活躍
  • 高い身体能力と爆発力のあるプレーが魅力で今シーズンは1番打者として、パナソニックの切り込み隊長を担う
  • 躍動感溢れるプレーからついたあだ名は“暴れん坊”
上田選手
上田選手

大自然が遊び場

生まれ育ったのは高知県。学校が終われば自転車で海に出掛けて遊んでいました。夏はおじいちゃんの家の周りでカブトムシやクワガタムシを取っていたなあ。サーフィンをしていた両親と武道派の妹と、自然の中でのびのびと過ごしました。そのせいか僕はじっとするのが苦手で、落ち着きがないと言われます。あと、思ったらすぐ体が動くのも特徴です。2歳の時に寝ていた母を驚かせたのが、枕元に包丁とリンゴを持って立っていたこと。食べたくて、むいてほしくて。台所ではしょうゆやみりんがぶちまけられていたそうです。今でも「隼也といえば」と語られるエピソードです。

上田選手

燃える場面

高知高校1年時に出場したセンバツ甲子園で、ベスト4に。勝ち進む中で、ラッキーな打席が回ってきて2度も決勝打を打てた。めちゃくちゃ重要な試合の、それも接戦での大チャンス。バッターボックスでの高ぶり、燃える心は他では味わえません。当時は「変化球を狙え」という監督の指示も頭から抜け、タイムを取って走ってきた伝令の指示も聞けないぐらい、目の前のことに集中していて……。「とにかく甘い球を打ちにいく!」しか考えられませんでした。ヒットになった球は、自分がバットを振るタイミングに吸い寄せられる感覚でしたね。結果的にそれが変化球だったんですけど(笑)。投手を目の前にした1対1の勝負は、野球の醍醐味です。

上田選手

限界を広げておく

僕はパワータイプのバッターですが、今は力を抜いて飛ばせるように取り組んでいます。社会人野球では「考えてやれ」と言われることが多く、自分で考えていることではまだまだ足りないのだと感じます。ベテラン選手は試合の流れを読み、力をコントロールし、かなり細かい野球をやっている。監督やコーチの指摘と自分の感覚とのギャップをどう埋めるか、今は悩んだり考えたりしながら前に進んでいます。ただ一つ、信念は「MAXを狭めない」こと。1日の中で、全力で走る・打つ・投げることを必ず成し遂げます。今は力でカバーできている部分も、いずれは衰える。息の長いプレーヤーであるために、その時の最大限のパワーを常に体に認識させ、1日でも長くキープすることが、自分なりの体づくりです。

野球選手としての掟

  1. ① 無事これ名馬
  2. ② やる時はやる、休む時は休む
  3. ③ 根性!
上田選手

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