EPISODE 1

【#7 植田 勝至】「これまでと違うピースになる」。勝利を呼び込むための挑戦

2022-02-10

都市対抗野球本大会の初の打席。「何が何でも出塁を!」との願いを受けて、快走する姿に観客が沸き立った。応援を浴び、高ぶった東京ドームでの一戦。「またここに来る。スタメンで出場して優勝したい」と膨らむ気持ちを新しいシーズンにぶつける。

#7 植田 勝至

[Ueda katsushi]

DATA

  • 大阪府出身
  • 興國高校
  • 大阪商業大学:4年春季、秋季リーグでは2季連続となるベストナイン(外野手)を獲得
  • パナソニック:入社3年目の昨シーズンからは左打者に転向。昨シーズンではレギュラーの座を掴んだ。
植田 勝至

「つくった左」で戦う

武器である走力を生かすため、昨シーズンから左打ちに転向しました。20年間の野球人生で考えたこともなかった、選手生命をかけての挑戦でした。マシンでは当たっても、ピッチャーの球は当たらない。バントは当たった感覚でも空振り。「ここからか......」と思いましたが決意は揺るがず。人一倍の努力をすると決意し、監督にも付きっ切りで見ていただきました。スイッチヒッターから始め、都市対抗選手権では2番に据えてもらいました。右打ちのままでは、どれだけ練習をしてもきっとベンチに入れなかった。ここがスタート。全公式戦のスタメン、狙いますよ!

180度の変化

足が速いと言われたのはパナソニックに入ってから。「え、そうなん」と自覚するようになって大学時代よりもスピードアップしたような(笑)。そして今は、長打は他の人に任せて自分は違うピースになろうと考えてバッターボックスに立ちます。出塁することを第一にし、後続を見込んだカットなどに力点を置いていると、周りから「人が変わったな」と言われます。左打席に立つと、これまで見えていなかったサードの動きなどがより細かに見えて、やるべきことが変わったのです。今自分に求められていること、成すべきことが見えた。「植田の第2シーズンが始まった」という感覚です!

家族が原点

男ばかりの4兄弟(双子の弟もいます!)で、昔は丸めた新聞でバットを作って野球ごっこをしていました。その楽しさが、ここまで続けてきた野球の原点だと思います。2人の兄たちと同じようにボールを追い始めた――、というか、保育園の年長の時には6歳上の兄の野球チームに溶け込み、いつの間にかユニホームを着てバットを振っていたんです(笑)。他の3人は医療関係の仕事に就き、私だけが野球の道に進みました。「悔いの残らんように好きなことをしいや」と言ってくれた両親、野球の楽しさを教えてくれた兄弟に、改めて「ありがとう」。

野球選手としての掟

  1. ① 試合を楽しむ
  2. ② 全力疾走
  3. ③ けがをしないようにする

NEXT 2. 入社前から慣れ親しんでいた門真。あの特産品の食べ方にもこだわりが!