冷静で揺るぎない、だけど熱いオトコ。自分のことも、チームのことも人一倍分析をして、その力を信じている。これがパナソニックの扇の要。経験も実力もベテランの域に達しようとする今、信条は「自分のアップデート」。キャッチャーマスクの内側で考えていることを聞きました。
DATA
- 群馬県出身
- 桐生第一高校:2年時には夏の甲子園に出場
- 上武大学:4年時の全日本大学野球選手権ではチームの主力として全国優勝に貢献
- パナソニック:9年目となる今シーズンもパナソニックの扇の要としてチームを牽引する
同じことはしない
昔から人と同じことをするのが好きじゃない。2人の兄と同じようにサッカーを始めたけれど、僕は野球が好きになった。人と違うことをやりたいタイプなんです。そして、続けるなら日々新しいことを。パナソニックに在籍して8年、練習方法やバッティングで同じことはほぼしていません。打ち取られたら「こういう球に対応できるようになるには」と考えて、どんどんやり方を変えていきます。心にあるのは「言われたことに対して、素直な心を持ちながら疑いの気持ちも持つ」という教え。人からのアドバイスや評価をしっかり聞き、それをどう自分の力に変えていくか。毎日が新しい自分になるチャンスです。
呼吸でコントロール
昨シーズンは、メンタルトレーナーの意見で呼吸法を実践しました。僕、呼吸が速いらしくて……。だから先走ったり、思った瞬間にパッと発言しちゃったりするのだと。自分で「急いでるな」と感じたら、呼吸で落ち着くよう意識しています。バッターボックスに向かう時は、流れを見て「今回はちょっと速めにしよう」「ここはゆったりいこう」とその打席で何回呼吸をするか決めます。「初球から打ちにいかんと」という時は、ゆっくりした呼吸で入り、打席では速くする。勝つためには、何事も結果が出る・出ないだけで判断せず、その時にできることを全てやり切れるかどうか。何が勝因になるか、やってみないと分かりません。
エリートじゃない!
経歴を見て「野球エリート」と言われることも。いやいや、運と縁なんです!もう野球を続けられないかもという局面や、「やり切ったぞ」と別の道に進もうとした時もありました。でも、必ず周りが野球の道を切り開いてくれた。大学時代に監督の逆りんにふれた時は、本当にやばかった(ピックアップフェイス 参照)。「監督に怒られないように」とばかり考えていた僕を、学生コーチが奮い立たせてくれました。そして日本一を取り「社会人から声がかかるだろう」と構えていたら4年の夏まで誘いがなく……。地元で就職を決めるかという時に、パナソニックの監督との出会いがありました。こうして大好きな野球ができていることに、恥じない自分でいたいと思っています。
野球選手としての掟
- ① 慢心をしない
- ② 試合で楽しむための準備をする
- ③ その日で野球人生が終わるかもしれない。悔いなく日々を過ごす