EPISODE 1

【#27 久保田拓真】好きなことを、楽しんでやる。
今できることをやる。

2022-09-10

社会人野球日本選手権、「無事に代表権をとれました!」。そう安堵(あんど)しつつも表情を緩めない久保田選手。夏の悔しさもあり、代表決定戦では「ここで負けたら終わりや」と言い聞かせてマスクをかぶったという。初回で2本ヒットを許すと、榎本投手に「いっこいっこ、積み上げていきましょう」と声をかけた。その後は相手打線を封じ、後半には自らツーランを放って勝利を引き寄せた。勢いにのる大型ルーキー、野球に対する情熱もでかい!

#27 久保田拓真

[Takuma Kubota]

DATA

  • 兵庫県出身
  • 津田学園高では2年生で正捕手の座を掴み取ると、3年の夏の大会では同校初となる甲子園出場へ導いた
  • 関西大進学後も1年からベンチ入りすると、2年では正捕手となる
  • 2年秋のリーグ戦から3季連続でのベストナインを獲得するなど日本代表候補メンバ入りも果たす
  • パナソニック入社1年目の今季、日本選手権予選代表決定戦では試合の均衡を破るバックスクリーンへの特大ホームランを放つなど、今後の更なる飛躍が期待される
久保田選手
久保田選手

応えよう、進化しよう

本格的に捕手の座についたのは高校2年生の時でした。チームはあと一歩で甲子園に手が届くところ。最初は必死でしたが、「任される=自分にできることがある」と考えるように。自分が今持っているものをしっかり出そうと思いました。結果、3年生には津田学園高校初の甲子園出場を果たしました。打撃を強化したのは、関西大学2年生で秋の全国大会を経験してから。全国レベルのキャッチャーに打ち勝つため、プロ入りも視野に体づくりに取り組みました。コロナ禍で活動自粛になると、自ら坂道や山を走り、腕立て伏せ、ダンベル等のトレーニングで5、6キロ増。練習が再開した時には、打球がまったく別物になっていて、手応えを感じましたね。

久保田選手

ターニングポイント

トレーニングは、中学時代の神戸中央リトルシニアの教えが原点。とにかく「よく食べて筋トレをしろ」と言われ、加圧トレーニングに取り組んでいました。しかし僕はその時周りの人のようには体の変化を感じられなくて。当時は「なんでこんなことするんだろう」、でしたね。体も細いまま、周りのレベルに追いつけないことがしんどくて……。「やめます」と監督に伝えました。すると「お前にはきっと野球の将来があるよ」と。そこで気持ちが180度変わりました。野球が好き、だったらひたむきに「だめでもいい、やれるだけやろう」と考えるようになりました。

久保田選手

好きだから楽しむ

野球を好きな気持ちがベースにあるので、しんどくても、困難にぶつかっても「うまくなれるチャンス」と思えます。親も、僕が悩んでいる時に「楽しめよ」と声をかけてくれました。また、親に対して「好きな野球をさせてもらっているのだから、楽しんでいる姿を見せたい」と思うようにもなりました。練習は、自分に今足りないこと、それを埋めていくためにするものです。何気ない練習もしっかり意図を定めれば、やりがいも生まれやすい。「今日の素振りは体を使って振る」など、その日のプチ目標を決めて取り組むようにしています。

野球選手としての掟

  1. ① 野球を楽しむ
  2. ② 野球を通じて、礼儀・マナーを学ぶ
  3. ③ 周りに応援される選手になる
久保田選手

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