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プライベート5Gとは?ローカル5Gとの違いやメリットとは?

更新日:2022/04/21
プライベート5Gとは?ローカル5Gとの違いやメリットとは?
「プライベート5G」というサービスをご存知でしょうか。プライベート5Gはキャリアが展開している5Gネットワークを使って、専用ネットワークを構築する新しいサービスです。プライベート5Gの概要、ローカル5Gやパブリック5Gとの違い、プライベート5Gの特徴やメリットを紹介します。
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プライベート5Gとは?

「プライベート5G」は、キャリアの5Gネットワークを使って、企業や自治体向けに、特定エリアをカバーした専用ネットワークを提供するサービスのことです。高度なネットワーク制御機能を備えた5Gだからこそ実現できるサービスです。

プライベート5Gとローカル5Gの違い

「プライベート5G」に似たサービスとして「ローカル5G」があります。ローカル5Gは、ひとことで言えば「自営の5Gネットワーク」のことです。従来、病院などでは自営のPHSが病院内の通信手段として使われてきましたが、その5G版と考えるとわかりやすいでしょう。

キャリアのネットワークを使って専用ネットワークを構築する「プライベート5G」とは異なり、「ローカル5G」では、企業や自治体が工場内や建物内で使うための5Gネットワークを構築します。いわば自らが小さなキャリアとなって、基地局を設置するわけです。そのため、ローカル5Gの構築・運営には免許が必要となります。

面倒で、手間がかかりそうに思えるローカル5Gですが、完全に企業や自治体だけの、専用ネットワークとなるため、高いセキュリティが確保でき、通信の混雑や事故などの影響を受けることもありません。

またプライベート5Gは、キャリアがサービスを展開しているエリアでしか利用できませんが、ローカル5Gならキャリアのエリア外でも5Gネットワークを構築でき、「高速大容量」「高信頼・低遅延」「多数同時接続」といった5Gのメリットをビジネスやサービスの展開に活かすことができます。

プライベート5Gとパブリック5Gの違い

「プライベート5G」「ローカル5G」のほかに、「パブリック5G」という言葉もあります。パブリックは、公共という意味で、これはキャリアが一般ユーザ向けに提供している通常の5Gネットワークを表します。通常「5G」と呼ばれているのが、このパブリック5Gです。

プライベート5Gの特徴

プライベート5Gの特徴

キャリアの5Gネットワークを使って、専用のネットワークを構築する「プライベート5G」。その特徴を見ていきましょう。

キャリアのネットワークを使用

プライベート5Gの最大の特徴は、キャリアの「パブリック」なネットワークを使って、専用の「プライベート」なネットワークを構築することです。キャリアが一般ユーザへのサービス提供に使っている信頼性の高いネットワークを利用することができます。

パブリックとローカル、双方のメリット

プライベート5Gは、パブリック5Gとローカル5Gの中間的なサービスと言えます。キャリアが構築・運営するパブリック5Gの安心感や品質と、専用ネットワークを構築できるというローカル5Gのメリットを併せ持っています。

5Gの特徴をそのまま活用

5Gは、現在使われている4Gと比べて、「高速大容量」「高信頼・低遅延」「多数同時接続」といった特徴があります。プライベート5Gは、その特徴をそのまま活用できます。

キャリアのエリア内ならどこでも利用可能

5Gネットワークでのサービスは、まだスタートしたばかりですが、キャリアはエリア拡大を急ピッチで進めています。近い将来、5Gネットワークが全国展開されれば、日本中どこでもプライベート5Gの利用が可能になります。

プライベート5Gのメリット

プライベート5Gには、どのようなメリットがあるのでしょうか。見ていきましょう。

専用ネットワークを構築できる

プライベート5Gを使えば、企業や自治体独自の専用ネットワークを構築できます。工場や研究所、配送センター、あるいは空港や駅、大規模施設などに専用ネットワークを構築して、ロボットや精密機器を制御したり、高精細なカメラで人の動きを捉えたり、イベント時に施設内だけに特別な映像を配信する、といったことが可能になります。

キャリアの品質・信頼性を利用できる

プライベート5Gは、キャリアがパブリック5Gに使っているネットワークを利用します。つまり、24時間365日、いつでも、どんなときでも安定した通信を提供するパブリック5Gの品質・信頼性を企業や自治体独自の専用ネットワークにも利用できることになります。

免許取得は不要

独自の5Gネットワークは、冒頭で説明した「ローカル5G」でも構築・運営することができます。しかし、ローカル5Gの構築・運営には無線局を開設するための免許を取得しなければなりません。一方、プライベート5Gであれば、専用ネットワークをサービスとして利用するので、免許取得などの手間はかかりません。

基地局などの設備は不要

さらにローカル5Gでは、基地局などの設備を自前で用意し、設置することが必要になりますが、プライベート5Gは、キャリアがすでに設置した基地局を利用するため、そうした手間や費用も不要です。初期導入コストを低く抑えることができます。

保守・管理はキャリアにお任せ

ローカル5Gは、キャリアのネットワークとは完全に切り離された、自前のネットワークを構築できるため、高いセキュリティが維持できますが、その一方で、ネットワークを安定的に、高品質で運用させるには、人員とコストが必要になります。特に24時間365日の運用は大きな負担になります。

その点、プライベート5Gであれば、ネットワークはキャリアのものであり、保守・管理は当然キャリアが行うため、運用やメンテナンスにまつわる負荷はありません。専門知識やスキルを持ったスタッフを揃えることは大変ですが、そうした苦労も無縁です。

機能向上もフォロー

5Gのサービスはまだスタートしたばかりです。エリア展開と同時に、通信速度などの機能アップ・性能アップも徐々に進められていきます。ローカル5Gであれば、そうした機能向上の際の基地局の設備更新やバージョンアップも自前で行わなければなりません。

プライベート5Gなら、ネットワークの機能向上をそのまま活用することが可能になります。

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5Gの高度な制御機能が可能にしたプライベート5G

プライベート5Gは、キャリアのネットワークの中に企業や自治体専用のネットワークを確保するようなサービスです。広い高速道路の車線を区切って、企業や自治体だけの専用車線とするようなイメージです。従来の4Gでは実現不可能だったこうしたサービスは、5Gの高度な制御機能をベースに初めて実現しました。

5Gも、プライベート5Gも、まだ始まったばかりのサービスですが、「高速大容量」「高信頼・低遅延」「多数同時接続」といった5Gの特徴を活かして、これまでにない、ユニークな使い方が登場することでしょう。プライベート5Gの活用した企業や自治体が、我々に今までにない新しいサービスや新しい製品を提供してくれる日は、そう遠くないはずです。