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Wi-Fiの電波の飛び方とは?仕組みや種類、繋がらない時の原因と対処法を解説
- Wi-Fiとは?
- Wi-Fiの電波の種類
- Wi-Fiの周波数の種類
- Wi-Fiの電波の飛び方
- Wi-Fi機器の役割
- Wi-Fiルータを選ぶポイント
- ポイント①使用環境で選ぶ
- ポイント②通信速度で選ぶ
- ポイント③周波数で選ぶ
- ポイント④最大接続台数で選ぶ
- ポイント⑤アンテナで選ぶ
- ポイント⑥プラスαの通信機能で選ぶ
- ポイント⑦便利機能で選ぶ
- ポイント⑧セキュリティで選ぶ
- Wi-Fiの電波を中継するには
- スマートフォン・PCの周波数を変更する手順
- Wi-Fiの電波の障害物
- Wi-Fiルータを置くべき場所
- Wi-Fiが繋がりにくい・繋がらない時の原因
- Wi-Fiが繋がりにくい場合の確認方法
- Wi-Fiが繋がりにくい場合の対処法
- 対処法①設置場所を変える
- 対処法②アンテナで電波の向きを調整する
- 対処法③再起動する
- 対処法④中継器やメッシュルータを導入する
- 対処法⑤パソコン・スマートフォン側に問題がある場合
- 対処法⑥ファームウェアを更新する
- 対処法⑦Wi-Fiルーターを買い替える
- 無線LANシステムならパナソニックEW
- Wi-Fiの特徴、性質を知って、快適な通信環境を
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Wi-Fiとは?
Wi-Fiとは、電波を使ってデータをやりとりする無線LAN技術のひとつです。業界団体のWi-Fi Allianceの登録商標でもあり、Wi-Fiは、国際標準規格「IEEE 802.11」に準拠し、メーカを超えた相互接続が確認されていることを意味しています。
Wi-Fiを使うと、ケーブルを使わずにLAN(ローカルエリアネットワーク)を構築でき、好きな場所に移動してネットワークを活用した作業を行ったり、インターネットに接続できることから、オフィスや家庭での利用が広がっています。またカフェや駅などでもWi-Fiの設置が進み、いつでも、どこでもインターネットが利用できるようになっています。
Wi-Fiの電波の種類
Wi-Fiは、1990年後半に最初の標準規格が定められ、1999年10月に定められた「IEEE 802.11b」をきっかけに一般への普及が始まりました。以降、最新規格で第6世代となる「IEEE802.11ax」まで、Wi-Fiの電波の種類を見ていきましょう。
種類①IEEE 802.11b
Wi-Fiが広く一般に普及し始めた時に使われた規格が「IEEE 802.11b」です。2.4GHzの電波を使い、通信速度は最大11Mbps。障害物に強いという特徴があります。
種類②IEEE 802.11a
IEEE 802.11aは、11bと同じ時期に策定されました。5GHzの電波を使い、通信速度は最大54Mbpsと11bよりも高速でした。ですが対応機器が少なく、11bと比べると価格も高価で普及面では11bに及びませんでした。
種類③IEEE 802.11g
2003年に登場したIEEE802.11gは、普及が進んだ11bと、高速な11aのメリットを合わせ、課題を解決したものでした。11bと同じ2.4GHzの電波を使いつつ、11aと同じ54Mpbsの通信速度を実現。そのうえ11bと互換性があり、11bの端末は11gのWi-Fiルータを利用することができます。
種類④IEEE 802.11n
IEEE 8802.11nは、現在主流となっている規格のひとつです。2.4GHzと5GHzの両方に対応し、さらに複数のアンテナで通信することで、最大600Mbpsの通信速度を実現しました。11gの54Mbpgから通信速度は大きく向上しました。
種類⑤IEEE 802.11ac
もうひとつ、主流となっている規格がIEEE 802.11acです。11acは5GHzの電波を使い、最大通信速度は6.9Gbpsに達しています。11nから10倍以上の向上です。
11acの後、これまでWi-Fiでは使われていなかった60GHzの電波を使うことで、より安定した通信を狙ったIEEE 802.11adという規格も登場しましたが、利用はほとんど広がりませんでした。
種類⑥IEEE 802.11ax
IEEE 802.11axは、2019年に登場した最新規格です。最大通信速度は9.6Gbps、2.4GHzと5GHzの両方に対応しているため、現在主流となっている11n、11acの端末との互換性があり、Wi-Fiルータを最新のものに買い替えても、端末はそのまま使うことができます。
11axから「Wi-Fi 6」という呼称が使われることになり、それ以前の規格である11acを「Wi-Fi 5」、11nを「Wi-Fi 4」と呼ぶこともあります。
Wi-Fiの周波数の種類
Wi-Fiには2つの周波数があります。それが2.4GHzと5GHzです。それぞれの周波数ごとに特性を持ち、状況に応じて周波数を変更すれば、電波が繋がりやすくなります。以下が2.4GHzと5GHzの特性概要を記した比較表です。これを参考にして、パソコンやスマホ、タブレットの周波数設定を変更してみてください。
特性 | 2.4GHz | 5GHz |
---|---|---|
おすすめの状態 | 無線ルータから遠い部屋 | 無線ルータに近い部屋 |
SSID(PCやスマホでのID名) | G(例:Buffalo-G-XXXX) | A(例:Buffalo-A-XXXX) |
距離や遮蔽物の影響 | 壁や床があっても遠くまで電波が届く | 壁や床があると電波が届きにくい |
電波干渉 | 受けやすい | 受けにくい |
そのほか | 旧PCや海外製スマホ、 ゲーム機で2.4GHz専用機種がある |
11ac対応機器なら高速通信ができる |
無線ルータとの距離が離れた場所や、壁や2階の床、家具などの遮蔽物がある場所でWi-Fiを使いたい場合、障害物に強く遠くまで電波が届きやすい特性の2.4GHzの周波数を選ぶとよいでしょう。逆に、無線ルータに近い場所でWi-Fiが使える場合、5GHzの周波数でも問題ありません
Wi-Fiの電波の飛び方
Wi-Fiの電波は、理論的にはWi-Fiルータなどの発信源から球状に広がっていきます。Wi-Fiルータを中心にして、上下左右の360度全方向に広がります。つまり、オフィスや家にWi-Fiルータを設置する場合は、中心に設置すると最も効果的です。
可動式のアンテナを備えたWi-Fiルータなら、電波が広がる方向を調整できます。棒状のアンテナの場合、電波はアンテナを中心に同心円状に広がっていきます(アンテナの上下にはあまり広がりません)。
電波の向きをカスタマイズできる
可動式アンテナを搭載したWi-Fiルータであれば、アンテナの角度を変えることで電波の向きをカスタマイズできます。基本的に、アンテナを真っすぐに立てると横方向、アンテナを水平に倒すと縦方向に、それぞれ電波が強く飛び、電波環境を整えることが可能です。たとえば、横長住宅(マンションや平屋)ならば、アンテナを立てるようにしましょう。また、高さがある3階建てのような一軒家ならば、アンテナを倒してください。このとき、必ずアンテナを扇形に開くことです。複数のアンテナが搭載されているWi-Fiルータの場合、横方向と縦方向、さまざまな向きにアンテナを立てておけば、電波の反射も含め、上下関係なく広い範囲で最適な電波環境を作ることができます。
スマートフォン・タブレットを狙って電波を届ける
Wi-Fiルータのビームフォーミング機能を使えば、スマートフォンやタブレットなどの端末機器を狙って電波を飛ばすことが可能となります。ビームフォーミングとは、端末機器の位置を自動で判別し、電波を最適に届ける機能です。通常Wi-Fiの電波は、指向性がないことから全方向に広がります。しかし、距離や障害物によって電波が届きにくい場所でも、ビームフォーミング機能を利用することで、端末機器の転送速度や安定性が向上するのです。
Wi-Fi機器の役割
Wi-Fiを使う際には、Wi-Fiモデム、Wi-Fiルータ、あるいはONU(光回線終端装置)と呼ばれるものを使います。それぞれの役割を見ていきましょう。
モデムとは
モデムはもともと、電話回線を使ってコンピュータ間で通信するための機器です。コンピュータはデジタル信号、電話回線はアナログ信号を使っていたため、送信する時はデジタルからアナログへ、受信するときはアナログからデジタルへ、信号を変換する必要があり、変換を行っていたのがモデムです。
光回線の場合は、ONU(光回線終端装置)と呼ばれますが、同じようにコンピュータが使うデジタル信号を光ファイバーが使う信号に変換しています。
ルータとは
モデムをパソコンなどに接続すれば、インターネットに接続できます。ですが、それではモデムが接続された1台しか接続できません。そこで、ルータの出番です。
ルータは、異なるネットワーク同士を接続するための機器で、ネットワークにつながった複数の端末からインターネットに接続できるようになります。
例えば家庭では、インターネット回線→モデム(またはONU)→ルータ→パソコンなどの端末、というように接続して、インターネットを利用します。昨今では、ONUとルータが一体になったホームゲートウェイと呼ばれる製品も登場しています。
Wi-Fiルータを選ぶポイント
Wi-Fiルータは標準規格をもとに作られているため、最新機種であればどれを選んでも大きな失敗はないでしょう。とはいえ、使う環境や重視したいポイントは人それぞれ。各メーカも、特徴やユニークなセールスポイントを備えた製品を出しています。Wi-Fiルータの選び方を紹介します。
ポイント①使用環境で選ぶ
Wi-Fiルータの使用環境は、Wi-Fiルータ選びの最大のポイントです。ひとり暮らしのワンルーム、家族で暮らすマンション、戸建ての住宅、さらには広いオフィスフロアなどで、優先すべき機能や求められる性能は変わってきます。例えば、部屋数の多いマンションや2階建ての戸建て、広いオフィスなどでは、電波が遠くまで届くよう、外付けアンテナを搭載したモデルを選ぶとよいでしょう。
ポイント②通信速度で選ぶ
前出したように現状普及している規格は、11n、11acで、最新規格として11axが登場しています。規格の大きな違いは、通信速度です。3つ中で一番古い11nは最大通信速度600Mbps、11acは6.9Gbps、11axは9.6bpsです。少しでも早い通信速度を望む場合は、最新の11ax(Wi-Fi 6)を選びます。
ポイント③周波数で選ぶ
規格のもう1つの大きな違いは、周波数です。11nと最新規格の11axは2.4GHz/5GHzに対応、11acは5GHzのみです。使用している端末が2.4GHzにしか対応していない場合は、11nか11axを選ぶことになります。
ポイント④最大接続台数で選ぶ
ひとり暮らしだとしても、パソコン、スマートフォン、ゲーム機など、Wi-Fiを使用する端末は複数あります。家族の場合、最近では家電もWi-Fiにつながります。最大接続台数の多い製品を選ぶと、Wi-Fiをストレスなく利用できます。
ポイント⑤アンテナで選ぶ
使用環境でも触れましたが、電波の届く距離や広さは、アンテナで調整可能です。Wi-Fiルータには大きくわけて、アンテナを内蔵したタイプと、外付けアンテナを備えたタイプがありますが、電波の広がる方向を調整したい場合は、外付けアンテナタイプを選びましょう。
ポイント⑥プラスαの通信機能で選ぶ
Wi-Fiの電波の向きはアンテナで調整できますが、さらに最新のWi-Fiルータは、電波を特定の方向や端末に向ける「ビームフォーミング機能」を備えています。例えば、戸建て住宅の自分の部屋でゲームをしたい、という場合などに利用すると、Wi-Fiを安定して利用できます。また、複数の端末に同時にデータを送信する「MU-MIMO」という機能もあります。
より高度な使い方を望む場合は、こうした機能を備えているかをチェックします。
ポイント⑦便利機能で選ぶ
Wi-Fiルータの買い替えは、設定のやり直しが面倒…。そんなふうに考えてしまいますが、ボタン一つで設定が可能な「ワンタッチ接続機能」を搭載したモデルなら、そうした面倒はありません。
ポイント⑧セキュリティで選ぶ
Wi-Fiのセキュリティは、認証方式と暗号化方式の組み合わせで決まります。現在販売されているWi-Fiルータであれば、設定をしっかり行えば、どれも問題なく利用できますが、より安心して使いたい方は、最新のWAP3に対応したモデルを選ぶとよいでしょう。
Wi-Fiの電波を中継するには
距離や障害物の影響から、Wi-Fiの電波が届きにくい場合があります。このようなときは、電波を中継できる専用機器を使い、電波環境を改善しましょう。ここからは、Wi-Fiの電波を中継する方法をご紹介します。
メッシュWi-Fiを利用するケース
メッシュWi-Fiとは、ネットワーク機器を網目(メッシュ)のように繋ぐ通信形態です。エリア内で通信障害が起きた場合、障害ポイントを避けて電波を届けてくれるため、広いエリアの電波環境を安定してカバーする特徴を持っています。ネットワークの自動構成、最適なパフォーマンス維持、セットアップが簡単な点も、メッシュWi-Fiの大きな魅力です。
中継機を利用するケース
Wi-Fiの専用中継器を利用し、電波を中継する方法もあります。中継機とは、Wi-Fiが繋がりにくい場所に設置し、Wi-Fiの電波が届くエリアを拡大する機器です。この中継器を設置すれば、ルータから離れた場所、床や壁などの障害物がある場所、密閉性の高い場所などの電波環境を改善することができます。設置や設定が手軽に行える点が特徴です。
スマートフォン・PCの周波数を変更する手順
Wi-Fiへの接続の際、2.4Ghzと5Ghzのどちらに接続しているのか、よくわからないという方も多いでしょう。どうやって確認すればいいのか、周波数の切り替え手順について紹介します。
Wi-FiルータのID・パスワードを確認する
接続したいWi-FiルータのIDやパスワードを確認すれば、周波数帯を確認できます。
まず、iPhone・iPadの場合は以下の通りです。
SSID | 周波数帯域 |
---|---|
******-***-2G | 2.4Ghz |
******-***-5G | 5Ghz |
Airport*** | 2.4Ghz |
Stream*** | 5Ghz |
次にandroidのスマホまたはタブレットは以下の通りです。
帯域の数字 | 周波数帯域 |
---|---|
2***Mhz | 2.4Ghz |
5***Mhz | 5Ghz |
Windows 10の確認方法は、各SSIDの「プロパティ」を選択し、「ネットワーク帯域」を確認することで把握できます。
スマートフォンやPCで周波数を切り替える
iPhone、android、Windows 10のそれぞれについて、周波数の切り替え方法を確認しましょう。
iPhoneの場合の切り替え方
iPhoneの周波数切り替えは、以下の手順で行います。
- AirMacユーティリティをダウンロードする
- 設定からAirMacを選択
- Wi-Fiスキャナをオンにする
- AirMacアプリを開く
- Wi-Fiスキャンを開始する
- SSIDとチャンネルが表示されるので、競合しているチャンネルを確認する
- ルータに対応したメーカのアプリをダウンロードする
- アプリからルータの管理画面にログインする
- 無線LANの項目からチャンネルを選択し、変更する
androidの場合の切り替え方
androidの周波数切り替えは、以下の手順で行います。
- Googleプレイで「WiFi Manager」と検索
- 「WiFi Manager」をダウンロードする
- アプリを起動する
- 電波が強い順番にSSIDとチャンネルが表示される
- ルータに対応したメーカのアプリをダウンロードする
- アプリからルータの管理画面にログインする
- 無線LANの項目からチャンネルを選択し、変更する
Windows 10の場合の切り替え方
Windows 10のWi-Fiチャンネルを変更するには、以下の手順で行います。
- ルータの管理画面にログインする
- 無線LANの項目で2.4Ghzと5Ghzの周波数帯域を選択できるので、変更したいチャンネル周波数を選択する
- 変更したいチャンネルを選んで完了
Wi-Fiの電波の障害物
Wi-Fiは電波を使用するため、さまざまな障害物の影響を受けます。2.4GHzの電波は、距離の影響を受けにくく、壁などの影響を受けにくいのですが、2.4GHzは家電などにも使われる電波で、特に電子レンジやBluetoothと干渉することがあります。一方、5GHzの電波は、他の機器との干渉は起きにくいですが、壁などの影響を受けやすくなっています。
Wi-Fiルータの多くが、2.4GHzと5GHzの2つの電波に対応しているのは、使用環境に応じてそれぞれの欠点をカバーするためです。
具体的には木やガラス、プラスチックなどはWi-Fiの電波にさほど影響はあたえません。ただし、厚さがあると多少影響します。一方、金属、コンクリートはWi-Fiの電波を弱めてしまいます。また「水」も電波を弱めます。家の中で、Wi-Fiルータとの間にお風呂、トイレなどの水回りがある場合、電波が弱くなっているかもしれません。また意外なものでは、ペットボトルなどで水を備蓄している場合も、Wi-Fiの電波の障害物となります。
Wi-Fiルータを置くべき場所
家の中は、Wi-Fiの電波にとって、意外と障害物が多いようです。ではWi-Fiルータはどこに置くのが最も効果的でしょうか。
場所①使う場所の中心
Wi-Fiルータの電波は、アンテナを調整して方向を決めない限り、360度全方向に広がります。つまりWi-Fiを使う場所の中心に置くと最も効率的です。
場所②障害物のない場所
木やガラスなどは影響が少ないとはいえ、障害物はできるだけ少なくしたいもの。Wi-Fiルータにとって「見通しのよい場所」を選びましょう。
場所③棚の上
Wi-Fiルータは、本体や電源コードをすっきり収納するとなると、部屋の隅に床置きしたくなりますが、棚の上などの方が遠くまで届きやすくなります。特に戸建てで2階でも使う時は、1階での床置きは避けた方がよいでしょう。
場所④囲わない場所
棚の中や家具の後ろなど、囲ったり、隠してしまうような場所も避けてください。
場所⑤電子レンジから離れた場所
電子レンジやIHヒーターはWi-Fiの電波と干渉してしまいます。できるだけ離れた場所に起きます。
Wi-Fiが繋がりにくい・繋がらない時の原因
Wi-Fiの電波の特徴、障害物となるものを見てきました。ここで改めてWi-Fiが繋がりにくくなる原因を整理します。
原因①設置場所
Wi-Fiルータの設置場所によっては、Wi-Fiが繋がりにくくなることがあります。端末を使う場所から遠い場所、途中に障害物がある場所は設置場所として適していません。
原因②電波干渉
Wi-Fiルータの電波、特に2.4GHzの電波は、家電製品などにも使われています。例えば、電子レンジが近くにあると、電波が干渉して繋がりにくくなります。またパソコンの周辺機器に使われるBluetoothもWi-Fiと干渉することがあります。
原因③接続端末が多い
Wi-Fiルータに接続している端末が多いと、繋がりにくくなることがあります。家庭で使う場合、人数は少なくても、1人が複数の端末を使用し、台数が思った以上に増えていることがあります。
原因④Wi-Fiルータの不調
Wi-Fiルータは、24時間365日休みなく動き続けるよう作られていますが、なんらかの理由で不具合が起きたり、気温が上がった時は熱暴走することもあります。
Wi-Fiが繋がりにくい場合の確認方法
Wi-Fiの電波は確認できているのに、繋がりにくいケースがしばしばあります。この原因が回線事業者やプロバイダ会社にあると思いがちですが、Wi-Fiの電波を確認できている場合、ONUと呼ばれる回線終端装置までインターネットが繋がっている状態にあるため、その原因は別にある可能性が高いです。このようなときは「ルータの設置場所」や「ルータの設置台数」に問題があるかもしれません。以下で詳しく解説します。
ルータの設置場所は問題ないか
Wi-Fiが繋がらないときは、ルータの設置場所を確認してください。ルータの置き場所次第では、電波が繋がりにくくなる可能性があるためです。たとえば、一般的な家電製品(テレビや電子レンジなど)や、コンクリート壁の付近、金属製の棚などに設置していれば、接続が不安定になってしまいます。また、床に直置きしている場合や、水回りの近くも同様です。通信状態を改善するためには、これらの設置場所を避けるようにしてください。Wi-Fiの電波は、ルータを中心として放射状に360度飛ぶことから、家の中心や床から高さ1m以上ある場所に設置するとよいでしょう。
2台以上のルータを設置していないか
ルータの設置台数が2台以上ある場合も、Wi-Fiが繋りにくくなります。2台のルータを設置している状態を「二重ルータ」と呼び、双方の電波が干渉してしまうため、Wi-Fi環境が不安定になってしまうからです。具体的には、それぞれの機器がIPアドレスを奪い合い、パソコンやスマートフォンなどの各端末機器がインターネットに接続できないケースや、それぞれの機器ごとに、最適な通信経路を選択するルーティングが行わられるため、通信速度が遅くなるといったケースがあります。Wi-Fiが繋りにくいときは、必ずルータの設置台数を確認してください。
Wi-Fiが繋がりにくい場合の対処法
Wi-Fiが繋がりにくい時は、その原因に応じて対処法があります。それぞれ見ていきましょう。
対処法①設置場所を変える
日常的にWi-Fiが繋がりにくい場合は、Wi-Fiルータの設置場所を見直します。使う場所の中心で、障害物がなく、床から1〜2mくらいのところに、棚などで囲わずに置きます。途中に電子レンジなど、Wi-Fiの電波に干渉しそうな家電があるときも設置場所を変えるとよいでしょう。
対処法②アンテナで電波の向きを調整する
外部アンテナを備えたWi-Fiルータなら、アンテナの向きを調整し、電波の飛ぶ向きを調整します。戸建ての2階に届きにくい時は、高い場所に置いたうえで、アンテナを横倒しにします。同一フロアで遠くまで届けたい時は、できるだけ真っ直ぐに立てます。
対処法③再起動する
それまで問題なく使っていたのに、急に繋がらなくなった時は、まず端末の状態を確認し、端末に問題がなければ、Wi-Fiルータを再起動します。
対処法④中継器やメッシュルータを導入する
それでも繋がりにくい状況が改善しない場合は、Wi-Fiルータを最新のよりパワフルなものに置き換えるか、中継器、あるいは複数のWi-Fiルータを連動させて使うメッシュWi-Fiを導入します。
対処法⑤パソコン・スマートフォン側に問題がある場合
Wi-Fiが繋がりにくい場合、パソコンやスマートフォン、タブレットといった端末機器の方に問題があるかもしれません。インターネットに接続できない端末が1台だけなら、さらにその可能性が高まります。パソコンやスマートフォン側に原因があるとき、いくつかの対処法でWi-Fi環境が改善されることもあるため、すぐに実践してみましょう。
簡単な方法としては1度端末機器のWi-Fi接続を切って再度Wi-Fiに繋いでみる、ほかのSSIDに接続先を変更してみる、端末機器を再起動してみるなどです。状況次第では、このやり方の接続でWi-Fiが繋がるようになります。
次の方法は、端末機器のWi-Fi設定を見直すことです。まずは、端末機器の設定を確認し「Wi-Fiオン」の状態になっているか、必ずチェックしましょう。LANポートやWANポートといったケーブルの配線も再確認してください。アプリのみがWi-Fiに繋がらないケースもあります。このときは、該当アプリの通信許可状況を確認するべきです。
上記の方法でもWi-Fiに繋がりにくいときは、ファイアウォールを1度停止することをおすすめします。ファイアウォールとは、端末機器を外部からの不正アクセスやサイバー攻撃などから守るセキュリティソフトのことです。何らかの理由で、この機能が働き、通信が遮断されている可能性があります。ただし、ネットワーク保護の観点から、ファイアウォール停止後は、必ず設定を戻すようにしてください。
ここまでの対処法を実施してもWi-Fiが繋がらない場合、端末機器の故障が疑われます。修理や買い替えを踏まえ、購入店に相談してみましょう。
対処法⑥ファームウェアを更新する
ファームウェアとは、Wi-Fiルータを制御するソフトウェアのことです。ファームウェアが古いバージョンのままだと、ルータが本来の性能を発揮できず、繋がりにくさを感じることがあります。ルータのメーカや製品番号をチェックし、ファームウェアの新しいバージョンがリリースされていないか確認しましょう。最新バージョンがリリースされていれば、更新してから再度Wi-Fiに接続してみてください。
対処法⑦Wi-Fiルーターを買い替える
全ての対処法を試しても電波の状況が改善しない場合は、新しいWi-Fiルータに買い換えるのがいいでしょう。現時点で最新のWi-Fiルータは「Wi-Fi6」という規格です。現在お使いのWi-Fiが「Wi-Fi5」であれば、「Wi-Fi6」にすることで最大通信速度が約1.4倍になります。
また「Wi-Fi6」は2.4Ghzと5Ghzの両方に対応しています。「Wi-Fi6」にルータを変更しても、従来のスマホやパソコンをそのまま利用できるのも利点です。「Wi-Fi6」はそれ以前の規格とも互換性があるため、端末を新機種に買い替える必要はありません。
無線LANシステムならパナソニックEW
Wi-Fiは今や第6世代の「Wi-Fi6」まで進化しており、高速の通信が可能になりました。無線LANでの利用も快適になり、周波数帯も2.4Ghz・5Ghzが自由に選べます。
パナソニックEWネットワークスはWi-Fi普及当初から、オフィスや工場、病院など豊富な構築実績を誇ります。オフィス向け無線LAN環境構築ご検討の方はぜひお問い合わせください。
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Wi-Fiの特徴、性質を知って、快適な通信環境を
Wi-Fiは90年代末に普及が進んでから、今では第6世代まで進化しています。より速く、より安全に、より使いやすく進化していますが、それでも使用環境によっては、繋がりにくくなることもあります。Wi-Fiの電波の特徴、性質を知り、快適な通信環境を手に入れてください。