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ファンレススイッチングハブで高温を防ぐ!従来の放熱原理との違いやメリットを解説

更新日:2025/09/12
ファンレススイッチングハブで高温を防ぐ!従来の放熱原理との違いやメリットを解説
ネットワーク機器の安定稼働に欠かせないスイッチングハブは、使用環境に合わせて最適な製品を導入することが重要です。特に、高温環境下や粉塵の多い現場、静音性が求められる施設では、「ファンレス」のスイッチングハブが注目されています。本記事では、従来型のファン付きスイッチングハブのデメリットとともに、ファンレススイッチングハブの原理や導入メリットについて解説していきます。
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そもそもスイッチングハブ(PoE)とは?

スイッチングハブとは、複数の端末をネットワークに接続し、効率的なデータ通信を実現するための中継装置です。従来のハブは、受信したデータをネットワーク全体に一斉送信するため、通信の衝突や速度低下、セキュリティリスクなどが課題とされていました。一方、スイッチングハブは宛先の機器を自動で識別し、必要な機器にのみデータを転送することで高速かつ安定した通信を実現できるのがメリットです。

昨今のスイッチングハブは、PoEに対応した製品が増えています。PoE(Power over Ethernet)とは、LANケーブルを通してデータだけでなく電力も供給する技術のことです。PoE対応のスイッチングハブを導入することで、ネットワークカメラや無線APなどを電源の確保が難しい場所にも設置できるようになります。

スイッチングハブにファンが付いている理由は?高温状態を防ぐため?

スイッチングハブにファンが付いている理由は?高温状態を防ぐため?

多くのスイッチングハブには、ファンが搭載されています。スイッチングハブは常時多くのデータを処理するため、内部のチップや電源部が熱を持ちやすく、特にPoE対応モデルは電力供給にともなう発熱も加わります。スイッチングハブに熱が蓄積されると、通信性能の低下や故障の原因となるため、ファンを用いて強制的に放熱をおこないます。特に、高温環境や密閉された空間に設置するスイッチングハブを安定稼働させるためには、ファンによる冷却が重要になります。

一方で、ファンが付いたスイッチングハブは騒音が発生することや、定期的なメンテナンスが必要になることが課題です。そのため、静音性やメンテナンス性を重視する環境では、ファンレスのスイッチングハブが選ばれるケースも増えています。

ファン付きのスイッチングハブのデメリット

ファン付きのスイッチングハブには冷却効果がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。問題になりがちなのが、「騒音」です。特に、複数台のスイッチングハブが稼働する環境では、ファンの回転音が積み重なり、静音性が損なわれます。

また、可動パーツであるファンは、どうしても経年劣化が進みやすくなります。劣化によってファンが故障すると冷却機能が失われ、通信トラブルなどを引き起こすリスクが高くなります。そのため、ファン付きのスイッチングハブは定期的なメンテナンスや交換が不可欠です。ファンがあることで筐体が大型化しがちで、設置スペースに制約が出るケースがあることもデメリットの一つです。

高温・発熱を防ぐファンレススイッチングハブとは?

高温・発熱を防ぐファンレススイッチングハブとは?

ファンレススイッチングハブは、冷却用のファンを搭載せず、筐体の設計や素材、内部構造によって自然に放熱するスイッチングハブです。放熱性の高い金属製の筐体を使ったり、空気の流れを考慮したレイアウトにしたりすることで、ファンを使うことなく機器内部の温度上昇を抑えます。

ファンレススイッチングハブは静音性に優れているため、オフィスや図書館、病院や学校など静かな環境に適しています。また、可動部品であるファンがないため故障のリスクが低く、メンテナンスの手間やコストを削減できるという利点もあります。ファン付きの製品のように強制的な冷却はできませんが、最近では高温環境下でも安定稼働する高性能なファンレススイッチングハブも登場しています。

従来のファン内蔵のスイッチングハブの放熱原理

従来のファン付きスイッチングハブは、機器内部で発生した熱をファンによって強制的に排出する「空冷方式」が採用されています。ファンが機器内部の熱気を吐き出し、外部の冷気を取り込むことで温度上昇を抑え、安定稼働を確保します。しかし、上述のとおり、騒音が発生することやファンの故障リスクがあることが課題となっていました。

ファンレススイッチングハブの放熱原理

ファンレススイッチングハブは、ファンを使うことなく、自然対流や伝導によって熱を外部に逃がす「パッシブ冷却方式」が採用されています。筐体には放熱性に優れたアルミニウムやスチール素材を用い、表面積を広く取ることで、内部で発生した熱を効率的に外部へ放散します。また、内部の部品配置や回路設計も放熱効率が高くなるように最適化されています。静音性を保ちながら長時間の連続稼働に対応できることや、故障のリスクが低いのがファンレススイッチングハブの利点です。

高温・発熱を防ぐファンレススイッチングハブを導入するメリット

静音性に優れていることは、ファンレススイッチングハブの大きな利点だと言えます。ファンを搭載していないため動作音は発生しません。そのため、オフィスや学校、病院や図書館など静かな環境を求められる場所でも安心して使用できます。

メンテナンスの手間がかからないのもメリットの一つです。可動部品であるファンは経年劣化や故障のリスクがあるため、定期的なメンテナンスや交換が必要になります。一方、ファンレスのスイッチングハブはその心配がなく、メンテナンスの手間や保守コストの削減につながります。

また、埃や異物の吸い込みによる内部汚損が少ない点も挙げられるでしょう。ファンレススイッチングハブは外気を強制的に取り込む構造ではないので、工場や倉庫など粉塵の多い環境にも適しています。加えて、ファンを駆動させる電力が不要なぶん、消費電力も少なく済みます。

ファンレススイッチングハブならパナソニックEWネットワークス

パナソニックEWネットワークスは、高性能なファンレススイッチングハブを取り揃えています。

「eGiシリーズ」は、動作温度60℃の高温環境でも安定動作するファンレススイッチングハブです。ファンを使わずに放熱する構造により、粉塵や油煙の多い工場・現場でも信頼性が高く、可動部故障による停止リスクも軽減できます。

「eGシリーズ」は、50℃まで対応したファンレススイッチングハブです。コンパクトな筐体にラック金具やマグネットも標準装備されており、設置自由度が高いのが特徴。騒音対策が求められるオフィスや教育・医療現場に最適です。

静音・高耐久・省メンテナンスを重視する現場には、ぜひパナソニックEWネットワークスのファンレススイッチングハブをご検討ください。

まとめ

ファンレススイッチングハブは、静音性・耐久性・省エネ性に優れたネットワーク機器です。ファンを排した設計により、騒音を大幅に抑えつつ、可動部の故障リスクも低減。高温や粉塵の多い過酷な環境下でも安定稼働し、トラブルによる業務中断のリスクを最小限に抑えます。静寂が求められるオフィス空間や、24時間稼働の工場・官庁施設・教育現場など、「止められない現場」でこそ、ファンレススイッチングハブの真価が発揮されます。