2019年7月19日

パナソニック汐留美術館「ラウル・デュフィ」展 絵画とテキスタイル・デザイン 2019年10月5日(土)~12月15日(日)

パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック汐留美術館は「ラウル・デュフィ」展2019年10月5日(土)〜12月15日(日)まで開催いたします。

■ 開催趣旨

 華やかで明るい色彩と軽妙な筆致の作品で、現代でも多くの人々を惹きつける画家ラウル・デュフィ(1877-1953)。  本展では、モダンで優美な絵画と、モードの帝王ポール・ポワレ(1879-1944)が重用した絹織物を含む、デュフィのテキスタイル・デザイン関連作品及び資料全152点を一堂に展示いたします。  陽光があふれる穏やかな南仏の海と活気ある室内を描いた≪ニースの窓辺≫をはじめ、音楽や社交をテーマとした油彩画など、生きる喜びに満ちた作品を描いたデュフィは、絵画制作に加えて、リヨンの絹織物製造業ビアンキーニ=フェリエ社のために、1912年から28年までテキスタイルのデザインを提供していました。デュフィによる鮮やかな色彩と大胆なモチーフの布地は、上流階級の女性たちを魅了し大評判となりました。  会場ではビアンキーニ=フェリエ社のアーカイブを引き継いだデュフィ・ビアンキーニから出品されるデザイン原画や下絵、オリジナルテキスタイル、プリント生地の為の試し刷りに加え復刻生産されたテキスタイルによる衣装作品などをご紹介いたします。絵画とテキスタイル・デザインという二つの表現媒体を軽やかに越境しながら生み出された作品群を展観し、画家が目指した表現の本質と、デュフィの作品に付随する装飾性の意義に迫ります。

■ 企画展概要

名称
「ラウル・デュフィ」展 絵画とテキスタイル・デザイン
会場
パナソニック汐留美術館東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F JR「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、 都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分
会期
  • 2019年10月5日(土)~12月15日(日)
主催
パナソニック汐留美術館、産経新聞社
後援
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会
休館日
水曜日
開館時間
午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) ※11月1日(金)、12月6日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
入館料
一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料 20名以上の団体:各100円割引 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能。
担当学芸員
宮内 真理子

お問い合わせ先

報道関係者様
パナソニック汐留美術館 倉澤、杉本  (電話:03-6218-0078
お客様
ハローダイヤル03-5777-8600
関連サイト
https://panasonic.co.jp/ew/museum/

■ 展覧会のみどころ

1.初期から晩年までのデュフィの優れた絵画作品

 美術学校時代の優品≪グラン・ブルヴァールのカーニヴァル≫から晩年の≪花束≫まで、代表的な作例が16点出品されます。まばゆい海、窓や画中画の効果が印象的な室内、そして≪黄色いコンソール≫をはじめとする一連の音楽をテーマにした絵画など、国内の貴重なコレクションによってデュフィの画業の足跡をお目にかけます。

2.デュフィのテキスタイル・デザイン関連作品と資料が多数出品!

 デュフィがビアンキーニ=フェリエ社のために手がけた布地のデザイン原画や下絵、当時のオリジナルの絹織物、版木や見本帳など116点が並びます。ポール・ポワレの衣装にも使用された生地≪貝殻と海の馬≫や、≪象〔デザイン原画〕≫などの作品にご注目ください。

3.デュフィ・デザインのテキスタイルを使用した衣装作品20点

 ポール・ポワレ原案のドレスをモンジ・ギバンが現代的に解釈して制作した衣装や、クリスチャン・ラクロワやオリビエ・ラピドスがデュフィ・デザインの布地を使用して生み出したあでやかなドレス、英国の舞台衣装デザイナー、アンソニー・パウエルによる「マイ・フェア・レディ」の衣装など華麗なドレスが登場します。

第 1 章 絵画 生きる喜びー陽光、海、そして音楽

 画業の形成期は印象派やフォーヴィスム、セザンヌの影響を受け、時代の空気に反応した作品を制作しながら、表現の革新を続けたデュフィ。彼は、1920年前後にまばゆい光があふれる南仏のヴァンスに滞在して制作に没頭しました。その過程で光とフォルム、色に開眼し、独自の画風を獲得します。  明るい色調とやわらいだ軽快な輪郭線、そして全体が優しく調和する絵画です。光と活気がみなぎる穏やかな海や、リズム感と一体感を感じるコンサートホール、着飾る個性的な人物など、人生の楽しみ、生きる喜びが明朗に歌い上げられています。

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≪ニースの窓辺≫ 1928年 油彩/キャンバス島根県立美術館蔵

第 2 章 モードとの出会い

 デュフィは1910年に詩人のアポリネールの依頼により、『動物詩集またはオルフェウスの行列』への挿絵を木版画で制作します。そこで見られるドラマチックな明暗表現とモダンで簡潔な構図はたいへん洗練されたものでした。その頃すでに知人であったファッション・デザイナーのポール・ポワレは、デュフィによるこうしたグラフィックの仕事を評価して、自身の店のレターヘッド他を発注するばかりか、テキスタイル制作所を設立し、デュフィと布地の共同開発を始めました。この活動は短期間のものでしたが、テキスタイル・デザインの仕事に関心を高めていたデュフィは、リヨンにあるビアンキーニ=フェリエ社と1912年に契約し、布地の図案を提供することになります。  本章は、「パート1-『動物詩集またはオルフェウスの行列』と木版画からの展開」と、「パート2-ポール・ポワレ、ビアンキーニ=フェリエとのコラボレーション」の2グループに分けて展示いたします。

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イヴニング・コート ≪ペルシア≫ ドレス・デザイン原案 ポール・ポワレ(1911年) 制作 モンジ・ギバン 2007年 絹 デュフィ・ビアンキーニ蔵

第 3 章 花々と昆虫

 1912年から1928年までの16年の間、本格的にテキスタイル・デザインに取り組んだデュフィ。布地の仕事への挑戦を通して、彼は絵画制作でも展開することとなる重要な手法を得ます。それは、色彩と輪郭線が依存しあわず、共に自律して画面上で調和する、デュフィならではの絵画の発展にもつながる重要な活動でした。  本章は、現代でもテキスタイル・デザインでは重要な位置を占める花模様を中心に、「パート1-薔薇」、「パート2-様々な花」、「パート3-花と葉」、「パート4-昆虫」、とモチーフで4つに区分けし、身近な自然を斬新に図案化した作品群を詳細にご覧いただきます。  デュフィの下絵や原画とそこから展開される織物やプリント生地、そして試し刷りに衣装など多岐にわたる出品作にご期待ください。

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≪夏〔デザイン原画〕≫  1925年 グワッシュ/紙 デュフィ・ビアンキーニ蔵

第 4 章 モダニティ

 自然界から着想を得た作例のみならず、パーティーの情景や、スポーツをする人々といった近代的なテーマが色鮮やかに布地にも登場します。デュフィの絵画にもたびたび登場する都市生活の様子が、明快な色使いと簡潔ながらもストーリー性を感じさせる構図でまとめられ、テキスタイル・デザインにいっそう新しい境地を開拓しています。「あなたと同様に私たちも、モダン・スタイルのプリント生地には大いに期待できると思っています」とシャルル・ビアンキーニがデュフィに1919年に書き送っていることから、両者はおなじ志向をもってテキスタイル・デザインの改革を目指したことがわかります。  本章は「パート1-モダン・ライフ」、「パート2-幾何学模様」の2種類のテーマでご紹介いたします。

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≪ヴァイオリン≫ 1989年(デザイン1914-20年頃) 毛織物 デュフィ・ビアンキーニ蔵

関連イベント

記念講演会「ラウル・デュフィ 画業とその魅力」

講師
木島俊介 氏(美術評論家、本展日本側監修者)
日時
2019年10月19日(土)午後2時~午後3時30分
会場
パナソニック東京汐留ビル5階ホール
定員
150名
聴講費
無料(ただし本展の観覧券と予約が必要です。)

講演会「デュフィとモード ポール・ポワレとのコラボレーションを中心に」

講師
朝倉三枝 氏(フェリス女学院大学准教授)
日時
2019年11月3日(日・祝)午後2時~午後3時30分
会場
パナソニック東京汐留ビル5階ホール
定員
150名
聴講費
無料(ただし本展の観覧券と予約が必要です。)

《 お申し込み方法 》

  • ●ハローダイヤル(03-5777-8600)へお電話にてお申し込みください。
  • ●8月5日(月)より受付開始 (受付時間 午前8時~午後10時)
  • ●必要事項 ①イベント名 ②参加人数(一度にお申し込みいただける人数は2名まで) ③氏名(全参加希望者) ④住所 ⑤電話番号
  • *ご予約の際は簡単なアンケートにご協力いただきます。
  • *予約受付は先着順で定員になり次第締め切らせていただだきます。
  • *当日は予約時にお知らせする整理番号を活用してご入場いただきます。
  • *お申し込み時にいただいた個人情報は、本イベントの受講管理の目的でのみ使用します。 なお、おあずかりした個人情報は、上述の目的での使用に同意いただいたものとします。
  • *定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。
  • *未就学児はご遠慮ください。

【学芸員によるギャラリートーク】

日時
2019年10月12日(土)、11月15日(金) いずれも午後2時~
参加費
無料、申込不要(入館には展覧会観覧券が必要です。) 混雑状況によってはスライドトークに変更となります。

ご参考

■ パナソニック汐留美術館 概要

展示室: 面積:333㎡ 天井高さ:3.7m ルオー・ギャラリー:フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。 ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。当館の所蔵作品よりテーマ展示を行います。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約240点) ミュージアムショップ: パナソニック汐留美術館オリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズなどを販売。ショップのみのご利用も可能です。