パナソニック・ホーム エレクトリックワークス社 > ニュース > プレスリリース2013年度 > 汐留ミュージアム「幸之助と伝統工芸」展 「萬暦赤絵」追加公開決定

2013年5月28日 パナソニック 汐留ミュージアム 開館10周年記念特別展「幸之助と伝統工芸」
「初公開!! 幸之助ゆかりの『萬暦赤絵』5月30日から追加公開決定!」
2013年5月30日(木)〜2013年8月25日(日)まで

開催趣旨

現在開催中の、パナソニック 汐留ミュージアム「幸之助と伝統工芸」展では、幸之助ゆかりの貴重な 「萬暦赤絵ばんれきあかえ」である 《萬暦赤絵枡水指ばんれきあかえますみずさし》を展示していますが、中期(5月30日〜)の展示から、 《萬暦赤絵方尊式花瓶ばんれきあかえほうそんしきかびん  》も追加公開することがこの度決定いたしました。どちらも「萬暦赤絵」らしい柔らかさや暖かみを備え、非常に美しい状態が保たれています。「萬暦赤絵」の中でも別格の2点。それが揃って展示されることは非常に珍しい機会であり、これらを好んだ幸之助は一流の経済人、かつ芸術に対する深い理解をもっていたことを示しています。

「萬暦赤絵」とは、日本では安土桃山時代から江戸時代初期にあたる、中国明時代後期・萬暦年間(1573〜1619)に世界的名窯である・ 景徳鎮けいとくちんの官窯で制作された赤絵磁器のことをいいます。さかのぼって隆慶年間(1567〜72)や 嘉靖かせい年間(1522〜66)のものも同様の特徴をもつことから「萬暦赤絵」と呼ばれています。萬暦年製のものは、赤、緑、そして青の鮮やかな色彩による文様の密度の高さが特徴的です。また、その重厚で暖かく柔らかな雰囲気が日本人の心を捉えました。茶の湯が始まった室町時代には、中国から宋代以降のやきものが入ってきていましたが、茶人たちが好んだのは「萬暦赤絵」を始めとする柔らかなやきものでした。そして明治時代になると「萬暦赤絵」が再評価されます。とくに白樺派の同人たちはことのほか愛好し、たとえば志賀直哉は小説『万暦赤絵』を書き、梅原龍三郎は「萬暦赤絵」の花瓶をモチーフとして繰り返し描きました。また茶の湯を嗜む政財界人も「萬暦赤絵」を好んで所有しました。

 幸之助も愛したやきもののひとつであり、この度の追加公開の実現により、幸之助の芸術に対する深い理解を知っていただく絶好の機会となります。

ギュスターヴ・モロー 《パルクと死の天使》

《萬暦赤絵方尊式花瓶》1573−1619年
※5/30〜(中期から追加展示)
中国の銅器「尊」を写した「尊式」の堂々たる形状に、
密度のあるむらのない赤、青、緑の絵付。
上部のふくらみは「萬暦赤絵」らしいやわらかさを表現し、
浮彫が絶妙なアクセントになっている。

《萬暦赤絵枡水指》1573−1619年
※前期から展示中
嘉靖年間製の特徴である緑と赤の絵付のバランスが美しく、
水指としては大ぶりで立派な形状、
立ち上がりの美しさが逸品であることを物語っている。

ギュスターヴ・モロー 《パルクと死の天使》

「幸之助と伝統工芸」展 概要

創業者、松下幸之助(1894−1989)の文化人としての一面を初めてご紹介する展覧会。「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助が我が国の伝統文化に理解を示し、その普及を支援していたことはあまり知られていません。美術品を見る目は持ち合わせていないと言いながらも、実際には、多年にわたり絵画から工芸作品にいたるまで美術品を収集したり、公益社団法人日本工芸会などの団体の役員を務めるなど、文化支援活動を続けていました。本展では、このような松下幸之助と伝統文化との関わりをご紹介します。

松下幸之助は「素直な心」を生涯大切にしていましたが、その「素直な心」を育てる道が茶道にあると考えるようになりました。そして茶道具に触れるうち、その関心は工芸家に向けられるようになったのです。陶芸、染織、  漆芸、金工、木竹工、人形、截金など、さまざまな素材を駆使し、伝統のわざを絶やさず時代の息吹を取り入れることによって成立する日本の工芸作品。松下幸之助は「伝統工芸は日本のものづくりの原点である」と確信し、このような作品を作り出す工芸家を支援することで、「ものづくりの心」を未来に伝えていきたいと考えました。

本展は、初出品作品約60点を含む松下幸之助ゆかりの工芸作品計約89点(作家数計約65人)を一堂に会し、その芸術を紹介します。「ものづくりの心」をあらわす工芸が文化の発展に寄与するということを祈っていた松下幸之助の思考に触れていただく絶好の機会となります。

名称: 開館10周年記念特別展「幸之助と伝統工芸」
会場: パナソニック 汐留ミュージアム
東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F
JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩6〜8分、
都営大江戸線「汐留」駅より徒歩5分
会期: 2013年4月13日(土)〜2013年8月25日(日)
前期:4月13日(土)−5月28日(火)
中期:5月30日(木)−7月9日(火)
後期:7月11日(木)−8月25日(日)
主催: パナソニック 汐留ミュージアム、日本経済新聞社
後援: 文化庁、港区教育委員会、公益社団法人日本工芸会
協力: 東京国立近代美術館、裏千家今日庵
特別協力: 公益社団法人日本工芸会近畿支部
休館日: 毎週水曜日
開館時間: 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
入館料: 一般:700円   大学生:500円   中・高校生:200円  小学生以下:無料
65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:600円
20名以上の団体:各100円引(65歳以上は除く)
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料
担当学芸員: 岩井 美恵子

関連イベント

ワークショップ 「世界で一つだけの竹の花かごを作ろう!」田辺小竹(竹芸家)

対象:子供向(小5〜中3)8月3日(土)午後1時30分〜4時 パナソニック東京汐留ビル5階ホール
参加費500円(当日受付時にお支払いいただきます)

申込方法(いずれも下記の方法で申込いただけます)
A) 汐留ミュージアムWebサイト http://panasonic.co.jp/ew/museum
B) パナソニック 汐留ミュージアム受付(休館日および展示替期間を除く)
※受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます ※定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります 

ギャラリートーク

当館学芸員が展示内容を解説します。参加費無料。(入館には本展入館券が必要です)
・ 2013年6月22日(土)、7月27日(土) 
・ 各14:00〜  ※予約不要 会場:パナソニック 汐留ミュージアム 

お問い合わせ

パナソニック 汐留ミュージアム
ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト: http://panasonic.co.jp/ew/museum/

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