創業100周年を記念して、パナソニックが所蔵する日本の近代絵画を初めて一堂に会しました。
川合玉堂や竹内栖鳳、梅原龍三郎、東山魁夷、小倉遊亀といった美術史に名を遺す巨匠たちの作品59点を「春」「夏」「秋」「冬」に分け、日本の四季を感じていただける構成といたしました。会場デザインは建築家の佐野文彦氏に依頼、グラデーションを利かせたオーガンジーと無垢材の桟による涼しげな和の雰囲気を醸し出しました。
またパナソニック商材を利用することで、鑑賞の一助となる工夫も凝らしました。入口にはスペースプレーヤーとスピーカー付ダウンライトで、本展のイメージを感じられる映像を投影しました。また光IDソリューション・LinkRayを用いて、スマートフォンで作家解説をご覧いただけるようにしました。会場出口には川合玉堂の《雪景の図》の複製画に雪が降る演出を施しました。同じLinkRayですが、スマートフォンをかざすと画面で降雪状態が見られる新機能のARの映像でした。
企画そのものが新しい試みでしたが、出品作品が松下幸之助の蒐集作品であること、当館で日本画の展示が初めてであることなどを理由に、たくさんの方にご高覧いただけた展覧会となりました。