パナソニック創業100周年特別記念展日本の四季― 近代絵画の巨匠たち ―

展覧会レビュー

会場入口。スペースプレーヤーおよびスピーカー付ダウンライトを使用。

創業100周年を記念して、パナソニックが所蔵する日本の近代絵画を初めて一堂に会しました。

川合玉堂や竹内栖鳳、梅原龍三郎、東山魁夷、小倉遊亀といった美術史に名を遺す巨匠たちの作品59点を「春」「夏」「秋」「冬」に分け、日本の四季を感じていただける構成といたしました。会場デザインは建築家の佐野文彦氏に依頼、グラデーションを利かせたオーガンジーと無垢材の桟による涼しげな和の雰囲気を醸し出しました。

またパナソニック商材を利用することで、鑑賞の一助となる工夫も凝らしました。入口にはスペースプレーヤーとスピーカー付ダウンライトで、本展のイメージを感じられる映像を投影しました。また光IDソリューション・LinkRayを用いて、スマートフォンで作家解説をご覧いただけるようにしました。会場出口には川合玉堂の《雪景の図》の複製画に雪が降る演出を施しました。同じLinkRayですが、スマートフォンをかざすと画面で降雪状態が見られる新機能のARの映像でした。

企画そのものが新しい試みでしたが、出品作品が松下幸之助の蒐集作品であること、当館で日本画の展示が初めてであることなどを理由に、たくさんの方にご高覧いただけた展覧会となりました。


左から 奥田元宋《池畔研》、1978年/伊藤小坡《醍醐の花》、制作年不詳/中川一政《椿》、制作年不詳/林武《椿》、制作年不詳

左から 小野竹喬《厳島》、1968年/髙山辰雄《月光新緑(三日の月)》、1950年以降/林武《バラ》制作年不詳/林武《バラの図》、制作年不詳/林武《バラ》制作年不詳/堂本印象《純心》、1946年頃/梅原龍三郎《百合》、1951年/小倉遊亀《くちなし》、制作年不詳/小倉遊亀《ききょう》、1960年頃/中村岳陵《燕子花》、制作年不詳/橋本明治《菖蒲》、制作年不詳

左から 東山魁夷《山峡朝霧》、1983年/奥田元宋《遠山早雪》、1978年/熊谷守一《紅葉》、制作年不詳/堂本印象《奇麗な秋》、1970年頃/伊藤小坡《紅葉狩》、制作年不詳/橋本明治《舞妓》、制作年不詳/堂本印象《朝陽》、1928年

左から 石本正《雪景図》、制作年不詳/小野竹喬《大観山の富士》、1962年頃/中路融人《富岳》、制作年不詳/山口華楊《雪晨》、1970年頃/小倉遊亀《山茶花》、1960年代/上村松篁《水仙》、制作年不詳/山口華楊《水仙》、制作年不詳
エントランスサイン
撮影コーナー
LinkRay 作家解説
LinkRay AR 川合玉堂《雪景の図》(複製)