電撃QBサック&インターセプト量産でTDを許さず
インパルスが4年連続11回目のライスボウル出場を決める
12月14日、ヤンマースタジアム長居で行われたライスボウルトーナメント準決勝、パナソニックインパルス対オービックシーガルズの一戦は、24対5でインパルスが勝利。4年連続11回目のライスボウル進出を決めた
総獲得距離はインパルスの175ヤードに対し、オービックは278ヤードとインパルスが大きく下回ったが、守備の粘りでチャンスを待ってオービックのミスを誘発し、攻撃が少ないチャンスをものにした、文字通りチームの総力を結集した勝利だった。
最初の攻撃は3ダウン&アウト、オービックの最初の攻撃はゴール前4ヤードに迫られながらLB#56加藤聖貴のタックルで弾き出したボールをDB#7土井康平がリカバー。しかし、インパルスはゴールラインを背負った状態でパスを投じたが、エンドゾーン内でQBサックを喫してしまい、オービックに先制セイフティを献上してしまった。
その後もインパルスの攻撃はドライブが続かず。守備もオービックの攻撃に前進を許しながらも失点を最小限に抑える展開が続いた。
そんな悪い流れを変えたのが0対5で迎えた第2Q中盤。オービックがFGを失敗した直後に得た自陣27ヤードからの攻撃機会だった。このシリーズの2プレー目にボールを持ったRB#42立川玄明が中央から抜け出して68ヤードのビッグゲイン。一気にゴール前4ヤードに迫ると、再び立川が中央を走り抜けてTD。逆転に成功した。
前半残り2分10秒から始まったオービックの攻撃にはゴール前18ヤードまで迫られたが、DB#28西田健人がインターセプトで断ち切ってしのいだ。
第3Q、最初のオービックの攻撃を3ダウン&アウトに仕留めたインパルスは相手のミスパントを誘発して敵陣32ヤードの好位置を獲得。このチャンスをK#16佐伯眞太郎の22ヤードFGに繋げて加点。守備はインパルスの反則でオービックの攻撃に一時ゴールまで8ヤードのピンチに陥った。しかし、DL#92有村雄也のQBサックで大きく押し下げ、TDを狙ったパスをDB#40ワイズマン・海人がインターセプトに仕留めてピンチをしのいだ。
さらに第3Q終盤にはオービックのパントをLB#49清水友哉がブロック。敵陣27ヤードからの攻撃機会を得ると、第4Q開始プレーでRB#5ミッチェル・ビクター・ジャモーが中央から抜け出して25ヤード独走TD。17対5と2ポゼッション差をつけた。
更にお互い1回ずつパントを蹴って迎えたオービックの自陣24ヤードからの攻撃時には、DL#99小畑知輝が相手QBからファンブルを誘ってDL#13小村谷泰誠がゴール前1ヤードでリカバー。これをRB立川がTDにつなげてリードを広げた。
パスで追い上げを図ろうとするオービックに対し、インパルスはLB清水のQBサック、DL#98梶原誠人のロスタックル、DL小村谷のQBサックと3プレー連続でロスを強いてオービックをエンドゾーン内からのパントに追い込んだ。しかし、リターナーがボールをマフしてオービックに攻撃の継続を献上してしまう。一時はゴール前5ヤードに迫られるピンチに陥ったが、LB#30西岡英士がQBサックを決めてピンチをしのいだ。西岡は更に残り38秒からのオービックの攻撃をインターセプトに仕留めて、勝利を決める活躍を見せた。
翌日、行われたもう一つの準決勝は、富士通フロンティアーズがSEKISUIチャレンジャーズに52対21で勝利。新年1月3日、東京ドームで行われる日本選手権第78回ライスボウルの相手は、4年連続で富士通に決まった。
試合後コメント
ヘッドコーチインタビュー
ヘッドコーチ 高山直也
高山直也ヘッドコーチ
相手の攻撃についてはOLとQBが攻めどころだと思っていました。その点について守備はよくプランを遂行できたと思います。特にDLは全員、いいパフォーマンスをしてくれました。前半終了間際の西田のインターセプト、第3Qの(ワイズマン)モーゼスのインターセプトには本当に救われました。相手のTDのチャンスを阻止したということはもちろん、相手の心理にも大きな影響を与えるプレーだったと思います。ライスボウルは(勝利を)獲りに行くので、今まで以上に攻めたフットボールをしたいと思っています。
選手インタビュー
RB#42 立川 玄明
オービックのDLは強いですが、そこに対して自分たちの強みであるランを意地でも出すという意気込みで準備をしてきました。序盤はパントを繰り返しましたが、全員が自分たちのやってきたことを信じていたので「絶対チャンスは来る。今は我慢だ」と思っていました。それがたまたま僕のロングゲインになったと思います。ただ、あそこで独走TDにできなかったところが僕でした(苦笑)。僕以外のRBであればTDまで持っていけたと思います。僕達は王者ではないので、勝たなアカンという気持ちはありませんでした。勝ちたいという気持ちをどう形にして出すかを本当に一戦一戦、積み重ねることしかできなかったので、皆で話し、ぶつかり合って作ってきたものが形になって、ようやくここまでたどり着くことができました。ライスボウルでは自分たちのフットボールを思い切り楽しんでぶつけたい。勝たなアカンという気持ちではなく、勝ちたいという気持ちを形にして勝ちに行きます。
選手インタビュー
LB#49 清水 友哉(ゲームMVP)
守備が止めたら負けない、ということは常に守備のメンバーで言い合ってきたので、こういう展開の試合こそゼロに押さえて、攻撃の援護をしたいと考えていました。たくさんQBサックがあったのは、普段、インパルスの強いOLの皆と練習をしているので、その成果が出たと思っています。自分はLB#4 Jaboree Williamsと交代出場なので、ライスボウルでは出場したらJaboreeのため、守備全体のため、チームのために少しでも相手の体力を削ったり、混乱させたりして、貢献したいと思っています。
選手インタビュー
DB#28 西田 健人
僕らのやることは守備としてしっかり守ることです。攻撃がどんな状況にあっても、まずは自分たちの役割をしっかりすること、できるだけ良いポジションで攻撃にまわすことだけに集中してプレーしていました。前半最後のインターセプトは、まずは一発TDをとられないことを第一に、チャンスがあればボールを狙っていこうと考えていました。オービックの攻撃はWR、RBにキーとなる選手がいるので、しっかりと全員で集まって止めることを意識していました。DLがプレッシャーをいつも通りかけてくれたことが大きかったと思います。今季はあまり試合に出場できていなかったのですが、今日は試合勘を掴むことができました。自分にとっては2回目のライスボウルになります。富士通にはいいWR、RBがいますので、1対1で負けないように、しっかりと準備して臨みたいと思います。
ハイライト映像
PHOTO GALLERY
※ クリックで大きな画像を表示できます