日本一に奪取に向けて一層の奮起を決意
6月10日神戸市王子スタジアムで行われた第73回神戸ボウルはパナソニックインパルスと富士通フロンティアーズが対戦。両者一歩も譲らずに3対3の引き分けに終わった。
互いに2023年シーズンのチームづくり半ばの状態ではあったものの、インパルスにとっては2年連続ライスボウルで対戦し苦杯を喫している相手。日本一奪取に向けて、これまでの取り組みの成果を確認する試金石となる試合だった。
インパルスの攻撃は前半、ランをシャットアウトされてシリーズ更新0回と、富士通の守備フロントに完封を強いられた。攻撃が大苦戦をする中でも拮抗を保つことができたのは守備とスペシャルチームの活躍があったからだ。P#35小林真大は対空時間と飛距離のあるパントを連発し、富士通に自陣深くからの攻撃を強いることに成功。第2Q、富士通に攻め込まれた場面は、DL#99イグエケリー祥一がロスタックルを連発して得点圏への侵入を阻止した。
先に突破口を開いたのはインパルスだった。0対0で迎えた第3Q最初の攻撃機会にQB#12荒木優也からWR#88木戸崇斗への2度のパスを足がかりにゴール前に迫り、K#11佐伯栄太の26ヤードFGで先制。しかし、富士通も直後にFGを決めて3対3のまま、第3Q終盤を迎えた。
ここまで相手に付け入る隙をほとんど与えていなかったインパルス守備だが、ラフィング・ザ・パサーの反則で罰退したのをきっかけに節をまたいでゴール前に迫られるピンチに陥った。しかし、相手がミススローしたパスをLB#30西岡英士がインターセプトを決めてしのいだ。次の富士通の攻撃機会も、新人CB#28西田健人がインターセプトに仕留めて敵陣45ヤードの攻撃起点を奪取するなど守備はチャンスを提供し続けた。一方で攻撃はなかなかチャンスを生かせず。QB荒木からWR#6成田光希へのロングパスをきっかけにゴール前5ヤードに迫ったチャンスもFG失敗に終わるなど、決め手に欠ける試合となった。
MVPはパント7回309ヤード(平均44.1ヤード)の陣地挽回で貢献したP小林が受賞した。
試合後コメント
監督インタビュー
監督 荒木 延祥
相手はエースQB、RBを温存してのこの内容と結果。自分たちの現在地がわかった試合でした。特にオフェンスは自分たちの力を自覚するという意味で良かったと思っています。フィジカルな部分については戦えていた部分と戦えていなかった部分が明確にわかりました。総じて守備は1対1の場面でしっかり戦えていると見えましたが、OLは決して1対1で勝てていたとは思えません。またユニットとして相手をコントロールすることはできていませんでした。守備もそうですが、特に攻撃は同じ絵が描けていない場面が多かったので今夏に解決していきます。
選手インタビュー
P#35 小林 真大
MVPに自分の名前が呼ばれるとは思いませんでした。最初は緊張で体が固まってしまっていて自分が思ったようにパントが蹴れなかったのですが、前半の終わりぐらいから技術的に大切にしてきたことを一つひとつ思い出すようにしたら、飛距離が出るようになりました。自分が力を入れてきたことで表彰していただけたことは自信になりましたが、すべてが技術的に満足いくパントが蹴れていたわけではないので、この夏で詰めていかなければと思っています。
選手インタビュー
LB#30 西岡 英士
第4Qのインターセプトはタックルにいこうと思ったら、相手がボールを弾いてできたものだったのでラッキーでした。富士通は本来のキープレーヤーが出場していない状態だったことを考えれば、もっと完璧に止めなければならなかったと思っています。(富士通のエースRB)ニクソン選手をタックルするためにトレーニングを頑張ってきたので、今日は試したかったのですが、出場していなかったので残念でした。秋までにもう一度フィジカル向上を目指して、全員でもっと高いレベルのフットボールができるようにやっていかなければならないと思っています。
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