#チーム
2021-22Vリーグ
開幕直前インタビュー/
新キャプテン 山内晶大選手

2021年10月12日

山内晶大選手インタビュー 誰を真似するのでもない。僕らしいキャプテン像をつくり優勝へとつなげます。 山内晶大選手インタビュー 誰を真似するのでもない。僕らしいキャプテン像をつくり優勝へとつなげます。

「寝耳に水」人生初のキャプテン就任

高校からバレーボールを始めた僕は、大学でもキャプテンの経験はありません。人生初のキャプテンがⅤリーグ。南部GMから「監督のティリさんが、今季キャプテンをやってほしいとの事。よろしく頼む!!」と言われた時は、「えっ?自分が?」と大変驚きました。そもそもⅤリーグは日本のバレーボールの最高峰で、学生時代に華やかなキャリアを持つ選手が必然的に集まる場。僕のキャリアはどう見ても未熟です(笑)。しかも、我がパナソニック パンサーズは、歴史と伝統ある名門チームであり強豪です。そのチームのキャプテンが自分で大丈夫なのか。もうプレッシャーしかない、という心境でした。
一方、昨シーズンまで主将を務めた深津(英臣)さんの次の世代となると、新(貴裕)さん、小宮(雄一郎)さん、続いて僕になります。そういう立場になったことに気が付きました。同時に、自分のプレーだけにだけ集中していた姿勢を改め、チーム全体を考えて、責任を持って取り組まなければいけないとの考えがわいてきました。

目指すは「全員が自然に発言できるチーム」

僕が入部した当時のキャプテンは白澤(健児)さんでした。キャリアは十分で人望もあり、まさに“キャプテン”に相応しい信頼感と安定感がありました。
白澤さんに次いでキャプテンになったのがオミ(深津)さん。学生時代からキャプテンの経験があり、選手としてのキャリアも豊富。リーダーシップやキャプテンシーもあるし、周りに対しても進言する。「こうしたほうがいい」と発する力を持っています。オミさんがキャプテンだったシーズンが長かったので、僕の中でイメージするキャプテンといえば真っ先に浮かんでくるのがオミさんです。信じられないことにオミさんは、今の僕よりも年齢が下だった頃にキャプテンになっています。もともとキャプテンシーが誰よりも強い人。僕がオミさんのようなキャプテンになりたいと思っても、同じようにできるはずがありません。
日本代表では、石川(祐希)選手がキャプテンになりました。彼もチームを引っ張ろうという姿勢が前面に出る選手で、自分は「こうしたい」「こう思う」と伝えることができる選手です。発するばかりでなく、「どう思う?」と周りに意見を求めることもできるので、チームとしては理想的なキャプテンです。相手の反論が怖く、できることなら人前で意見は言いたくないと、これまでも積極的に発言してこなかった僕ですが、キャプテンになった以上、「苦手だから」と逃げることはできません。だけど、先頭に立つタイプではない自分が、急にグイグイ前に出て意見を発するようになると、周りが「どうした?」と思うだろうし、自分自身も違和感しかありません。そうしたことから僕は、僕らしいキャプテン像を、シーズンが始まり、試合を重ねる中でつくっていきたいと思っています。
とにかくやるしかない。言葉よりも、まずはプレーや自分のできることをしていく。僕が中心でも先頭でもなく、みんなが自然に、思った時に思ったことを発信できるような環境をつくり、チームが成長できればと思っています。
僕にとって本当に心強いのが副キャプテンの清水(邦広)さん、永野(健)さんの存在です。両名ともリーダーシップもあるし、キャプテンシーも抜群。コートの中でもチーム内でもまさにリーダーと呼ぶべき行動や言動をして下さるお2人が、副キャプテンでいてくれることは本当にありがたい。誰よりも僕自身が安心感を得ています。

日本代表、オリンピックの経験を力に「Ⅴリーグを盛り上げる」

初めてのオリンピックは、「やらないといけない」という使命感を持ちながらも、何より僕は楽しかったです。選手村や、会場の雰囲気、他の大会と違うことがたくさんあったというのもありますが、とにかく試合が楽しかった。その象徴がイラン戦でした。負けたら予選リーグ敗退という試合で、1セット目は日本が取ったものの、2・3セット目はイランに取られた。プレッシャーがかかる状況で相手にリードされると、「嫌だな」とか「負けるかもしれない」と不安がよぎることもあるのですが、あの時は全くそれがなかった。むしろ追い込まれた状況でもとにかく楽しい。毛が逆立つような、ぞわっとした初めての感覚で「負けるかもしれない」と感じることすらなかった。もう一度、あの楽しさを味わいたいと強く思いますね。
大変ありがたいことに、オリンピックで多くの方に見ていただき、応援していただき、今の男子バレーを知っていただくことができました。その熱や盛り上がりをⅤリーグにつなげたいですね。観戦に来て下さった方々にバレーボールの面白さを伝えることはもちろんですが、やはり見せたいのはパンサーズが勝つ姿。コロナ禍の中、昨シーズンのように急遽無観客になることもあるかもしれませんが、できる限り多くの方々にパンサーズの試合を直接見て応援していただきたいですし、昨シーズン、その前のシーズンと決勝で悔しい思いをしてきたので、今年は勝って結果を残したい。応援して下さる方々に楽しんで、喜んでもらえるような結果を出せるように頑張ります。

山内選手のサイン