大阪ブルテオンが、『手話』で
誰もが熱気と興奮を共有できる観戦体験を実現

2025年12月6日、大阪ブルテオンは、クラブのミッション『ALWAYS TO THE TOP, ALL WAYS TOGETHER』のもと、誰もが熱気と興奮を共有できる観戦体験の実現を目指し、スポーツブランドのhummel(ヒュンメル)と協働して、ホームゲーム会場で手話体験ブースを設置するなど、手話への理解を深める取り組みを行いました。
聴覚障がいの有無に関わらず、誰もがスポーツ観戦を楽しめる場を創出しました。

  • 和やかな雰囲気のなか手話を体験する様子

手話とスポーツ観戦を楽しむ一日

今回の取り組みは、SVリーグ男子として初の試みです。聴覚障がいを持つ当事者のパナソニック スポーツの社員が中心となり、パナソニックグループの手話サークルの協力を得て企画・運営を行いました。

試合開始前には、会場内のコンコースに手話体験ブースを設置し、約170名の方々が立ち寄りました。参加者は、『大阪ブルテオン』や選手名の手話、応援の手話を体験しました。例えば、清水選手のニックネームは『ゴリ』。これはゴリラをイメージした手話で、胸を叩く動作に由来しています。講師が胸を叩きながらその手話を示すと、参加者から笑い声が上がるなど、和やかな雰囲気の中で進行しました。「面白かった」といった声も多く寄せられました。

また、試合会場では、応援席全体で「一緒にチャレンジ!大阪ブルテオンがんばれ!」の手話応援練習を行い、観客みんなで一体となった応援を実現しました。

さらに、選手たちはウォーミングアップの際に、ヒュンメルの『手話Tシャツ』を着用し、聴覚障がい者支援への思いを表現しました。このTシャツは後日、チャリティオークションに出品され、その収益の一部はホームタウンの聴覚障がい者支援に役立てられます。

『手話Tシャツ』を着てウォーミングアップする西田有志選手、西山大翔選手、山本智大選手、アントワーヌ・ブルザール選手(左から)

デフリンピック 金メダリスト4選手が来場

当日は、2025年11月に東京で開催されたデフリンピック バレーボール競技で金メダルを獲得した日本代表の戌丸奈美選手、石原美海選手、梅本綾也華選手、梅本沙也華選手の4名がゲストとして登場しました。梅本綾也華選手は始球式を務め、「デフバレーボールを知ってもらい、その魅力を伝えたい」と話しました。

梅本沙也華選手は、金メダル獲得した際の気持ちについて、「デフリンピックという大きな夢の舞台に立ててとても嬉しかったです。日本で試合ができ、満席の観客の中でプレーできたことは一生の思い出です」と笑顔で語りました。
今後について、戌丸奈美選手は、「もっと多くの人にデフバレーボールを知ってもらい、デフスポーツに興味をもってもらえたら嬉しいです」と意気込みを語り、続いて石原美海選手は、「子どもたちにデフバレーボールの魅力を伝える活動を続けていきたい」と述べました。

  • 梅本綾也華選手の始球式
  • 金メダルをかけた石原美海選手、梅本沙也華選手、戌丸奈美選手、(左から)
  • 手話で拍手する大阪ブルテオンの選手たち

会場には手話があふれる温かい雰囲気

また、今回の試合には、大阪府内の聴覚支援学校に通う子どもたちとその保護者約90名を招待しました。招待席付近では、一日を通じて通訳者による場内アナウンスの手話通訳を行い、会場全体には大型ビジョンを使った手話による情報保障も実施し、温かく一体感のある雰囲気が生まれました。

  • 会場内での手話通訳の様子
  • 大阪府内の聴覚支援学校に勤める明石慈英先生は、「会場の手話にあふれた雰囲気がとても良かったです。今日だけで終わらせず、今後もこうしたイベントを続けてほしいです。スポーツイベントには多くのファンが集まりますが、選手の名前や応援をきっかけに、手話に触れるハードルが下がり、多くの人に知ってもらうことができる。素晴らしい機会だと感じました」とコメントしています。

  • 聴覚支援学校の明石慈英先生

大阪は、手話にゆかりの深い地域であり、大阪の教育者によって『大曽根式指文字』が考案された歴史もあります。今後も大阪ブルテオンは、当事者の声を尊重しながら文化を育み、誰もが参加できる新しい観戦体験の創出を目指していきます。

パナソニックグループの手話サークルは、グループに勤務する社員約40名で活動しています。手話を日常言語とする講師を中心に、社内向けの手話講習会なども開催しています。今回は、クラブ名や選手名の手話表現の考案や、来場者向けの手話体験ブースの運営を担当しました。

  • メンバーの佐々木久尚さんは、「手話サークルのメンバーを中心に『大阪ブルテオン』の手話表現の検討や、ブースでお客さまに何をどのようにお教えすべきかについて、何度も議論を重ねてこの日を迎えました。お客さまに『推し』の選手を尋ね、そのニックネームを手話で表現すると、選手の特徴をとらえた表現を楽しんでいただけました。実際にやってみたり覚えようと手を動かすお客さまの反応がとても嬉しく、やりがいを感じました。今後も、このような手話を広める取り組みをクラブとともに続けていきたいです」と語っています。

  • パナソニックグループの手話サークルメンバー 佐々木久尚さん