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The Australian(オーストラリア)にヒーナン ダニエル選手の記事が掲載

2021年03月18日

2021年2月7日にオーストラリアのThe Australian にヒーナン ダニエル選手の記事が掲載されました。
下記、和訳となります。

Japanese rugby on the rise, perhaps at Australia’s expense?

https://www.theaustralian.com.au/sport/rugby-union/japanese-rugby-on-the-rise-perhaps-at-australias-expense/news-story/b3c3dd7ec11451e243852e5df06d4cfd

日本ラグビーの向上はオーストラリアの失費によるものか(著者:Wayne Smith)

画像:ヒーナン ダニエル選手
ヒーナン ダニエル選手

ヒーナン ダニエルは、日本のトップリーグがプロリーグへと移行準備を進める中、今年がオーストラリアラグビーにとって大切な一年になると述べています。

ヒーナン自身はオーストラリアのラグビーで長くプレーしてきた訳ではありませんが、当時彼がオーストラリアでもう少しチャンスを得られていたら、今とは違う運命になっていたかもしれません。エディー ジョーンズ監督の下、2003年のウェールズ戦でテストマッチデビューを果たし、その後は怪我に悩まされながらも3年後に2度目のテストマッチに出場しました。その後、彼は自分の未来がワラビーズのジャージでは少ない事を感じ、2007年から日本の群馬県太田市で将来への活路を見出しました。来日当初は長く滞在するつもりはなかったそうですが、今季でパナソニック ワイルドナイツに来て14回目のシーズンを迎えています。

現在39歳のヒーナンがスーパーラグビーでプレーを続けていたら、マット ホジソンの38歳と300日の最年長出場記録を更新していたかもしれません。しかし、同時に南半球の過酷なラグビーを考えると、難しかったのかもしれません。これらはすべて“もしも”の話であり、パナソニックでの日々が終わりに近づいているからこそ、我々はこの様な事実に目を向けるようになったのかもしれません。しかし、ヒーナンは自分のキャリアを非常に満足できたと振り返ると同時に、少しばかりの後悔もあるそうです。

“当時の私にとっては正しい選択だったと思いますし、今でも満足しています。2つの事を同時にできない事はわかっていますが、唯一の心残りは、日本でプレーしながらもう少しワラビーズのテストマッチに出場したかった、もしくはワラビーズに挑戦できる位置に居たかったです。ただ、決してパナソニックで過ごした時間を後悔していません。日本で自分のラグビーを心から楽しめた事に何より感謝しています。”

“若い頃はケガをいくつも負っていたので環境の変化が必要でした。来日当初は長くいるつもりは無かったですが、幸いに今でも同じクラブでプレーできています。来日当初は、トップリーグの外国人はそれほど多くなかったです。グランドに同時に出場できたのは2人だけで、チーム全体でも4人しか登録できませんでしたから、それぞれの外国人選手への期待は非常に高いものがありました。
当時はトニー ブラウン(元オールブラックス)もワイルドナイツに所属していました。彼は私が一緒にプレーした10番の中で最も偉大な選手の一人であり、同時にとても素晴らしいコーチでした。今でも彼の言葉で印象に残っているものがあります。”
“日本で成功する外国人選手は、自分が如何に良いプレーをしたかで評価されるのではない。周りの選手をどれだけ助けたかで評価されるのである。”

この姿勢はベリック バーンズ(元ワラビーズ)も同じでしたし、彼もトップリーグで最も優れた選手の一人でした。それこそが彼らが何年にも渡って成功を収めてきた理由なのです。

“この3年で特に傾向は変わってきており、グランドへの出場が許可される外国人選手の数も増えました。それによって一人ひとりへのプレッシャーは少なくなり、今では各チームに10人以上の外国人選手がいます。これは恐らく日本代表の強化にも貢献していると思います。

元ワラビーズのバックローで、地元クイーンズランドで22キャップ、ブランビーズで13キャップを持つ彼は、日本ラグビーの成長を目の当たりにしてきただけでなく、日本ラグビーの飛躍にも積極的に関与してきました。

“パナソニックがロビー ディーンズ監督の元で(元ワラビーズ監督)実施してきた全ての取り組みはチームを成長させてくれましたし、日本ラグビーの成長にも貢献していると思います。”

昨年は悲しいことにスーパーラグビーがCOVID-19の影響で、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカと3カ国それぞれの国内選手権に分かれてしまいました。アルゼンチンのハグアレスは様々なフランチャイズに統合され、日本のサンウルブズも姿を消してしまいました。

“恐らくトップリーグの2、3のチームはサンウルブズに匹敵、もしくはそれ以上の強さがあったかもしれません。彼らは選手の入れ替えも多く、チームとして継続的に強化を行う難しさもあったと思います。その一方でトップリーグに所属している我々のチームのスコッドは安定していました。”

日本ラグビーの代表としてスーパーラグビーに参戦したサンウルブズの影響もあって、日本代表はみるみる力を付けて行きました。日本はラグビーワールドカップ2019のプール戦でアイルランド、スコットランド、サモア、ロシアを全勝で破り、準々決勝に進出しました。最終的に王者に輝いたのは、4年前のワールドカップで日本に悔しい思いをさせられた南アフリカが悲願を達成しました。この様な点から、間違いなく日本はラグビー大国としての地位を築き始めています。その証拠は国内でも随所に見られます。

“昨年我々はトヨタ自動車と試合をしましたが、試合前にあたりを見渡すと、スティーブ ハンセンがロビー ディーンズと、キアラン リードがサム ホワイトロックと、ウィリー ルルーがダミアン デアレンデと話していました。他にもデービッド ポーコックが懸命に試合の準備を行う、と言った光景が今まさに日本のラグビー界で起きているのです。”

ラグビーはこれから先も続いていきます。急成長する日本ラグビーにあまり心配要素はないかもしれませんが、日本の状況に対してオーストラリアはあまり楽観的ではいられないでしょう。

“今後オーストラリアラグビーがどの様なアクションを取れるかが大切だと思います。どの様な放映権交渉が行われたのかはわかりませんが、彼らが財政的な問題を抱えている事は耳にしています。この現状が続いてしまうのであれば、オーストラリアラグビーにとってトップリーグは脅威になってしまうかもしれませんし、国内での選手の維持に苦労すると思います。”

“オーストラリアラグビーが然るべき所に資源を投じ、国内の選手達が育っていく土壌を育めれば、若くて有望な選手達は国内に残りたいと考えるでしょう。適切なチャンスがあれば、きっと彼らは残ります。でも今は良いチャンスが少ないから、オーストラリアの選手達は日本に来ているのです。”

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