Panasonic Sports

パナソニック スポーツ > 野球 > アスリートボイス

選手たちの礎を築いた野球人生での「忘れられない、あの試合」を紹介!
最後の夏に歴史的な大敗…。失意のどん底の柏野選手を救った恩師の言葉。

#14 柏野智也

引きずるな。悔しさは次の野球人生にぶつけろ!
~第98回全国高校野球選手権大会 広島県予選 「広陵高」対「如水館高」~

2021年07月27日

画像:柏野選手

高校3年生、夏の甲子園をかけた広島県予選準決勝。これまで、春の大会などにはメンバー入りをしていた私ですが、初めて夏の大会のベンチ入りメンバーに選ばれ、「絶対に甲子園に行ってやる!」とやる気に満ち溢れていました。

当時、わが広陵高校のメンバーには、その後甲子園で最多ホームラン記録を塗り替え、ドラフト1位指名でプロ入りを果たした中村選手(現広島カープ)や、早稲田大学に進学し、東京六大学野球の舞台を盛り上げた長身左腕今西選手(現Honda)、今は同じ近畿地区で顔を合わせ、切磋琢磨する串畑選手(現NTT西日本)など、有望な選手が勢ぞろいしていました。

部員数は全国的にみても多く、私たちの代で64人、2年生58人、1年生45人の総勢167人。私は、「ベンチに入れなかった147人の分まで活躍して甲子園に行く」と心に決めて大会に臨みました。

1回戦から準々決勝まで全てコールド勝ち。私たちは順調に勝ち上がっていきました。
「この勢いのまま行くぞ」と臨んだ準決勝。相手は強豪の如水館高校でした。
しかし、意気込みが空回りしてしまったのか、結果は0-10。長い歴史を持つ広陵高校野球部の中でも、見たことのないような大敗を喫してしまいました。
投手の私はこの試合で、3回にランナー満塁のピンチから登板。その回こそピンチを0点に抑え切り抜けましたが、続く4回に相手打線につかまり6失点。マウンド上で頭が真っ白になってしまい、ベンチに戻った瞬間に涙が流れてきました。

画像:柏野選手

反撃出来ないまま試合は終わり、試合後にアルプススタンド(応援席)に挨拶をする時、顔を上げることもできませんでした。
「自分のせいで負けてしまった。チームのみんなに申し訳ない」。心が張り裂けるほど悔しく苦しかったです。試合が終わり野球部を引退してからも、何日も何日もこの苦しみは続きました。そんな日々を過ごしていたある日。当時、野球部監督の中井先生が、私にこう言いました。

「いつまでも引きずっとったらつまらんぞ。この悔しさを、次のお前の野球人生にぶつけていけ」

――救われる思いがしました。その後私は法政大学に進学。そこでも辛く苦しい事はありましたが、中井先生の言葉を胸に乗り越えることが出来ました。

今年からは社会人の舞台で野球をしています。これまで以上にたくさんの悔しい経験や、苦しい経験をすると思います。そんな時には、「悔しさをぶつける」の言葉を胸に日々突き進んでいきます!

画像:柏野選手
画像:柏野選手
柏野 智也
・所属:ライフソリューションズ社 本社直轄 ファシリティマネジメント部
・球歴:広陵高-法政大
・プチ情報:今季は中継ぎで奮闘!一度見たら忘れない、トルネード投法にも注目!
⇒ 詳しいプロフィールはこちら

ページの先頭へ