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選手たちの礎を築いた野球人生での「忘れられない、あの試合」を紹介!
果たせなかった甲子園出場の夢。しかし、その甲子園よりも大切なものとは…?

#31 松根優

甲子園よりも大事なもの
~第94回全国高校野球選手権大会 和歌山県予選 「南部高校」対「智辯和歌山高校」~

2021年04月27日

松根選手

私の忘れられない試合は、高校3年の夏の大会、智辯和歌山高校との一戦です。
相手には、少年野球のチームメイトや中学校のボーイズリーグでのチームメイトがいました。甲子園常連の智辯和歌山高校のユニホームを着てプレーしている姿を見て、正直「羨ましいな」と思う気持ちもありました。しかしながら私は、憧れの存在でもある智辯和歌山高校を倒して甲子園に行くために、南部高校を選び、3年間必死に練習してきました。

試合が始まる前まで智辯和歌山高校との力の差は、そこまで感じてはいませんでした。しかし、いよいよ試合が始まって初回の守備に着いた時です。高校野球ファンならお馴染み、智辯和歌山高校のブラスバンドの迫力は凄まじく、圧倒され、足が震えていたのを覚えています。

それでも、回を追うごとに雰囲気に慣れて試合は3回裏2アウト2塁。1点ビハインドの場面で私に打席が回ってきました。マウンドには共に少年野球のチームメイトとして戦ってきたエース。「最高の場面で最高の投手と勝負ができる!」と楽しみに打席に入りました。

私は初球のスライダーを思い切り振り抜きました。打球は左中間を破り、同点となるタイムリースリーベースヒット。そして、次の打者のパスボールの間にホームへ生還。一気に試合をひっくり返し、わが南部高校のペースになりました。この一打は高校3年間の集大成にもなり、その後の野球人生にもすごく自信を持たせてくれる一打となりました。

しかし、このままで終わらないのが野球です。終盤に再度逆転を許すと、試合は4-5。高校野球最後の夏が終わりました。スコアだけ見ると接戦で良い試合だと思うかもしれませんが、「僅か1点にとんでもない力の差がある」「簡単に勝たせてくれないのが常勝、智辯和歌山高校の強さ」であると思い知らされました。

高校最後の夏には結果を残そうと、たくさんの準備と練習をしてきました。中でも監督はじめ、部長、2人のコーチは、いつもマンツーマンで指導していただき、とことん練習に付き合ってくださいました。たくさんのご迷惑をおかけしましたが、お陰様で私たちは、最高の環境でとても有意義な高校野球生活を過ごすことができたと思います。

あの負け試合をきっかけに、3年間を通じて得た大切なものに気付きました。

素晴らしい指導者の方と巡り会えたことは、今も楽しんで野球ができる原動力になっています。この縁を大事にしたいと思います。今シーズンは都市対抗で優勝し、なんとか恩返しができるように、日々練習に取り組んでいきます。

画像:松根選手
画像:松根選手
松根 優
・所属:インダストリアルソリューションズ社 人事センター 人事戦略部
・球歴:南部高校-近畿大学
・プチ情報:グランドスラムにも取り上げられたこだわりのグラブは野手には珍しい投手用のウェブを使用!
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