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選手たちの礎を築いた野球人生での「忘れられない、あの試合」を紹介!
先輩たちが果たせなかった夢を追いかけた3年間。たかが1点、されど1点…

#23 川上翔大

1点の重み
~第96回全国高等学校野球選手権大会高知県予選 「高知高校」対「明徳義塾高校」~

2021年04月13日

川上選手

高知県に生まれ育った私にとって、出身校である高知高校は幼いころから身近な存在。いつしか、「高知高校に入学して甲子園に行きたい!」と夢見るようになっていました。当時、高知県では、幾多の名選手を輩出している明徳義塾高校が甲子園の常連で、「その明徳義塾高校を倒して甲子園に行きたい」という思いもあってのことでした。

しかし、明徳義塾の壁は高く、パナソニックの先輩でもある法兼さんがいた、私より2つ上の学年も、1つ上の学年でも、決勝戦で明徳義塾に1点差で敗れ、夏の甲子園の舞台に立つことが出来ませんでした。先輩方が敗れ引退し、私たちが最上級生になったとき、「2年連続で同じ相手に、しかも1点差で敗れてしまっている現状をどう打開するのか?」チームの全員で考え練習に励みました。

もう、2度と経験したくないと思うほどの厳しい練習に励む日々。結果を出せず、チームメイトとは意見がぶつかり合い、対峙することが何度もありました。しかし、そんな日々を乗り越えることが出来たのは、「明徳義塾を倒して甲子園に行く!」という、明確な共通の目標があったからです。

同じ目標に向かう仲間たちと、とにかく「試合に勝つ」「甲子園に行く」ために、必死に練習に取り組みました。

そして迎えた夏。高知県予選を1回戦から勝ち上がった私たちは、遂に決勝戦に駒を進めました。相手はやはり、明徳義塾。2年前も、1年前も涙を飲んだ因縁の相手です。

試合は初回から動く展開が続き、2回までに4点差を付けられる苦しい展開で進みました。中盤4回。我が高知高校は打者一巡の猛攻で一気に5点を奪い5-4と逆転しました。この1点を守り切れば、夢にまで見た甲子園の切符をつかみ取れます。

しかし、そう簡単にはいきませんでした。次の回に満塁のピンチを背負うと、痛恨の2点タイムリーヒットを献上し逆転を許しました。なんとしてでも追いつき、逆転したい思いでしたが、その後は相手投手の好投もあり、そのまま試合は流れ…。

スコアは「5-6」。またしても、明徳義塾を相手に1点差で敗れ夏の甲子園出場の夢は叶いませんでした。今までの野球人生で、これほどまでに悔しい試合はありません。

画像:川上選手

私は、高校野球を通じて「1点の重み」がどれほど大切かを思い知らされました。たった1点かもしれませんが、この1点で大きく結果が変わってしまいます。そして、それこそが野球の面白さであり、醍醐味です。

昨年の都市対抗野球大会、四国銀行戦も1点差で敗れ、1点の重みを再び痛感させられました。常日頃から、1点を取るため、1点を守るために必死に練習し考えることが大切で、これが勝利につながるのだと思います。

高校時代に学んだ「1点の重み」。昨年、あらためて突き付けられた「1点の重み」。
それを胸に、これからも真剣に野球に取り組んでいきたいと思います。

画像:川上選手
画像:川上選手
川上 翔大
・所属:ライフソリューションズ社 本社直轄 CS部
・球歴:高知高-近畿大
・プチ情報:今季はレギュラーの奪取に懸ける。捕ってからの握り替えの速さは天下一品!「Mr.握り替え」
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