Panasonic Sports

パナソニック スポーツ > 野球 > アスリートボイス

選手たちの礎を築いた野球人生での「忘れられない、あの試合」を紹介!
甲子園史上初の記録となった、あの試合。今だから話せる舞台裏とは?

#20 城間竜兵

最後に自分のプレーができるチームが勝つ
~第94回全国高校野球選手権大会 決勝 「光星学院高」対「大阪桐蔭高」~

2021年03月02日

城間選手

今も鮮明に記憶に残る試合があります。高校3年の夏の甲子園決勝戦。

一つ上の先輩方が引退し、最高学年となった当時の僕ら新チームのカラーは、いわゆる“勝ちにこだわる”のではなく、“野球を心から楽しんでプレーする”チームという印象がありました。しかし、それが災いしてしまったのか、練習試合では一度も勝った事がなく、当時の監督に「史上最低のチーム」とまで言われもしました。

しかし、最初の公式戦である秋季大会が始まると、状況は一変。明治神宮大会で優勝を果たすと、そこから春のセンバツ甲子園決勝戦まで負けなしで勝ち進む快進撃をみせました。

勢いをそのままに勝ち進んで迎えたセンバツ甲子園決勝戦。
相手は甲子園の常連で、全国制覇の経験もある大阪桐蔭高校。エースはあの有名な藤浪選手(現阪神タイガース)でした。チームとしても、東北県勢としても甲子園初優勝の期待がかかる大事な試合でした。しかし、それが重圧に変わってしまったのか、ここまで勝ち抜いてきた力を十分に発揮できず、結果は敗戦…。
この時から、「もう一度、大阪桐蔭高校と甲子園で対決して、今度は勝ちたい」。その一心で、最後の夏の大会に向け練習に取り組みました。

城間選手

大阪桐蔭高校へのリベンジに燃える僕らのチームは、夏の県予選を勝ち抜き再び甲子園に。大会では初戦から順調に勝ち進み、奇しくも決勝戦の相手はセンバツ決勝で敗れた、藤波投手率いる大阪桐蔭高校になりました。

「遂にリベンジの時を迎えた」

決勝前夜、ミーティングをしている時、チーム全員「なんとしてでも勝ちたい」という気持ちがどんどん高まっていくのを感じました。しかし、同時に少し硬くなっている印象もありました。
一抹の不安と共に迎えた試合当日、大阪桐蔭高校はいつも通り、“自分たちの野球”をしていました。僕たちはというと、気持ちの高まりが緊張へつながってしまったのか、試合中でもやはり硬くなってしまい最後は自らのミスで負けてしまいました。

「戦いの場では、これまでの練習など日頃やってきた事しか出せない。それ以上のものを出そうと意識すると硬くなってしまいミスがでる」。

「どんなにプレッシャーが掛かる試合でも、冷静に自分たちのやってきたプレーが出来るチームが最後に勝つ。そして、そのことはどれほど難しい事であるか…」。

――今の僕のプレースタイルにつながる重要なことを、この経験から学びました。

ところで夏の甲子園が終わった後、その甲子園で勝ち進んだ12チームだけが出場できる国体がありました。またしても僕らは大阪桐蔭高校と対決する事になり…
3度目の敗北を喫しました…

画像:城間選手
城間 竜兵
・所属:ライフソリューションズ社 リーガルセンター コンプライアンス部
・球歴:光星学院高校-東北福祉大
・プチ情報:高校時代にはU-18日本代表にも選出。大谷翔平や藤浪晋太郎といった錚々たる面々と共に日の丸を背負った。
⇒ 詳しいプロフィールはこちら

ページの先頭へ