私が1番心に残っているのは、夏の甲子園、鹿児島県代表を決める決勝戦です。
当時私は、樟南高校の主将で4番キャッチャーと、チームの中心選手として大会に臨んでいました。決勝の相手は永遠のライバル鹿児島実業高校。当時、両校ともに甲子園出場回数が17回と並んでいて、絶対に負けられない一戦でした。
試合は、序盤リードされましたが中盤になんとか追いついて、最終回、9回表の時点で3-3の同点に。9回裏はわが校の攻撃。1番バッターがヒットで出塁すると、続くバッターとして私の出番がやってきました。ランナーが盗塁を決め0アウト2塁と絶好のチャンス!
この状況で、ベンチからのサインはバントでした。「…絶対に失敗できない」と心臓バクバクでしたが結果、フォアボールに(笑)。
続くバッターがバントで送り1アウト2,3塁。その後2アウトとなりましたが、最後は内野安打でサヨナラ勝ち!悲願の甲子園出場を決めました。
なんとしても甲子園に出たいと、中学校でバッテリーを組んでいたピッチャーと2人、生まれ故郷の福岡から進学した鹿児島の樟南高校。伝統ある高校で、練習は厳しく、しきたりも多く、何度辞めたいと思ったことか。それでも3年間、野球を続けてこられたのは「甲子園」という、強く明確な目標があったからです。
2年生の秋、新チームスタート時にキャプテンに選ばれた私は、責任感も生まれ、チームを良くしたいと頑張っていました。しかし、なかなか思うようには運ばず、夏の大会まで勝てない日々が続き焦っていました。
そんなチームが強くなったのには、一つのエピソードがありました。
大会前にメンバー外となった3年生の、気の抜けた練習態度に私が腹を立て、練習から外したその夜、3年生が集まり話し合いをしました。ところが、メンバーに選ばれた部員と外れた部員で口論になってしまいました。
朝まで続いた言い争い。皆が思いの丈をぶつけあいました。すると、メンバーもメンバー外の部員も、互いの考えに気づくことができ、直さなければいけないこと、尊重しなければいけないことが見えてきました。
勝負に勝つため、成功するためなら、妥協せずに思っていることを真摯に相手に伝えることが大切、そうすれば互いの気持ちに気付くことが出来ます。この喧嘩はチームを結束させる良いきっかけとなりました。
そして、試合の終わりにはスタンドで応援してくれたメンバー外の3年生と抱き合って、泣きながら喜びを分かち合いました。
もう8年も前の話ですが、高校生のような熱い気持ちを持ち続け、パナソニックでも「都市対抗優勝」を目標に頑張りたいと思います!
皆さん、今後もパナソニック野球部の応援をよろしくお願いします!
- 緒方 壮助
- ・所属:ライフソリューションズ社 本社直轄 決算管理部
・球歴:樟南高-九州共立大
・プチ情報:チームNO.1の料理上手。カレーはスパイスから作るこだわり派。 - ⇒ 詳しいプロフィールはこちら