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選手たちの礎を築いた野球人生での「忘れられない、あの試合」を紹介!
今年、大きな飛躍が期待される西岡選手!球場中が感涙したあの、試合とは…?

#13 西岡寿祥

“108代”の執念 ベンチも観客席も涙
~2018年東京六大学秋季リーグ戦 「早稲田大学」対「慶應義塾大学」第3回戦~

2021年02月09日

西岡選手

大学4年時の東京六大学秋季リーグ最終節、早慶戦第3戦。
この時点で、僕たち早稲田大学はリーグ戦の最終カードである早慶戦で慶應義塾大学に2連勝。なおかつその後のプレーオフで法政大学に勝てば優勝、という望みを残し3位につけていました。

一方、慶應は早慶戦で勝ち点(2勝、または2勝1敗)を取れば優勝という、僕たちに比べれば大きく有利な状況。さらに、ここで彼らが優勝すれば、昨年秋のリーグ戦、この年の春のリーグ戦に続く3季連続優勝となり、44年ぶりの快挙達成になります。

西岡選手

早稲田優勝への僅かな望みをかけて挑んだ第1戦。残念ながら敗れ、僕たちの優勝は無くなりました。それでもチームは落ち込むことなく、第2戦に勝利しました。これで、慶応優勝につながる勝ち点の行方は第3戦にもつれ込むことになったのです。

「108代」と呼ばれた108代目主将が率いる当時の早稲田メンバーも、伝統の早慶戦への思いは特別。第2戦が終わった後のチーム内のミーティングでは、「早稲田の優勝は無くなったが慶應には絶対に勝とう」「慶應の44年ぶり3季連続優勝は絶対に阻止しよう」と誓い合いました。

西岡選手

いよいよ第3戦。先制されたものの、その後、我が早稲田がじわじわと追い上げる展開に。
9回表、遂に同点に追いつくと、2アウトランナー2塁とチャンスが続く場面で、バッターがバットを折りながらもセンター前にタイムリーヒットを放ちました。
綺麗なヒットではありませんでしたが、「早慶戦には絶対に負けない!」という執念のヒット。こうして僕たちは土壇場での逆転で劇的な勝利を収め、意地と意地のぶつかり合う早慶戦で勝ち点を取ることができました。

点を返す度、ベンチの同級生や後輩が涙を流して喜び、守っていても僕らに大声でエールをくれました。その姿は今でも鮮明に記憶に残っています。
試合が終わり、観客席に礼をした時、観客の方々までもが泣いていることに気付きました。応援してくれる皆さんのありがたみを感じた瞬間でした。

学生野球最後の試合は、間違いなく、僕の野球人生で最高の試合の一つとなるでしょう。

画像:西岡選手
画像:西岡寿祥
西岡 寿祥
・所属:コネクティッドソリューションズ社 人事センター 人事二部
・球歴:早稲田実業-早稲田大
・プチ情報:大学時代には五厘刈りでリーグ戦に臨んだ気合派
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