選手の本音やプライベートにぐぐっとフォーカスする新コーナー。“Back Net ― オレのハナシ”。一人目は、走・攻・守の頼もしさと、さわやかな人柄でファンを集める法兼キャプテン。職場でも「次の試合予定は? 配信もみんなで見るで~」と熱い声援を受けているよう。
最初の話題は「野球人生、最大の挫折」(初回なのにちょっと重め?)。今の法兼キャプテンを知るには欠かせない、そしてアスリートの皆さんにぜひ伝えたいことなんです。
--- 2021年09月10日 ---
1. 一時は焦り、前向きになんて考えられなかったけれど……。
野球人生が一変
亜細亜大1年生の時、レギュラーをもらって活躍するぞ!と意気込むも腰に痛みが……。椎間板ヘルニアでした。グラウンドにいるメンバーと、長期離脱を強いられた自分とのギャップに悩みました。そんな中、亜細亜大は秋に全国優勝。複雑でしたね。手術を決断したのですが、以前のように野球ができない可能性もあって。大学生活はこのままダラダラ過ぎていくのかと思っていました。
あの先輩の言葉
気持ちが変わったのは、先輩に「ゆっくり治せよ」と声をかけられてから。お風呂に並んで浸かっている時でした。その先輩は、現・横浜DeNAベイスターズの山﨑康晃投手(侍ジャパンの救援投手。先輩、東京オリンピック金メダルおめでとうございます!)。「3年生からでも勝負できる、時間はまだまだあるぞ」と言ってくれたのです。気持ちが軽くなり「しっかり治して、もう一度」と考えるようになりました。
常に戦える体に
「今よりこの先のほうが明るい、成長するしかない」と思えたら、実際に2年生のうちに復帰し、3年生秋のリーグ戦では首位打者となり、神宮大会に出場。全国優勝に貢献できました。あそこで辞めていたら、この経験はできなかったんですよね。怪我でスポーツ人生を終えてしまう人って、けっこう多い。でもチームの戦力になるためには、怪我をせずに、常に戦える、長く戦えるほうがいい。大学の監督に教わった「無事之名馬」の精神が、社会人になった今も自分を支えてくれています。
体の声を聞く
風が強い日は集中力が欠けて怪我をしやすくなるように、環境によって体の細かな感覚や反応、調子が変わります。環境は変わるもの、なら自分が変化に強くなる。今は、その時々の体の調子を感じ取れるように、あえて毎日同じアップをしています。体の違和感に気づき、ケアするのも自分の仕事ですから。社会人野球ではいまだ「怪我なし」を貫いています。
◆ 野球選手としての掟
- ① その日の失敗はその日のうちにつぶす
- ② 怪我をしないように毎日過ごす
- ③ 満足する時は一生訪れない