新監督率いる若いメンバーで、勝利にこだわる強豪チームを目指したシーズン
いつもご声援ありがとうございます。
今シーズンの活動を総括します。
変わろう、“伝統”から“強豪”へ
攻めを貫く姿勢に徹し、先を見据えた若手起用でチーム改革の土台づくりを行った2022シーズンを経て、2023シーズンは勝利という結果に結びつけようと、まずチーム全体を若返らせました。新監督には金森敬之ヘッドコーチ兼投手コーチが就任。かつて日本ハム・千葉ロッテで活躍し、独立リーグも経験した金森新監督は、「勝利にこだわるチーム」を掲げ、「伝統あるチーム」と呼ばれるよりも「強豪チーム」と呼ばれたい。「伝統から強豪へ」を合言葉にスタートしました。
優勝が遠かった地方大会
JABA地方大会は、静岡大会・長野大会・九州大会の3つを選んだ我がチーム。いずれかで優勝し日本選手権大会出場への切符獲得に挑みました。
幕開けとなる静岡大会、初戦は昨年と同カードで日本製鉄東海REX。3-2で勝利し、幸先の良いスタートを切りました。しかし、続く王子、そして日立製作所にも敗れ予選リーグ敗退。
長野大会は、緊迫した投手戦となった初戦のFedExに勝利。ところが、2戦目の三菱重工East戦では相手投手の好投を前に惜しくも敗退。この敗戦が大きく響き、3戦目のロキテクノ富山にコールド勝ちするも決勝トーナメント進出は叶いませんでした。
何としても優勝を掴みたい九州大会では、パナソニックの投手陣が奮起。三菱自動車倉敷オーシャンズ、日本製鉄九州大分、宮﨑梅田学園に1点も許さず決勝トーナメントに進出しました。迎えた準決勝、対戦相手は強豪の西部ガス。先発には右腕のエース與座健人選手が登板し踏ん張るも、打線が援護できずに2‐0で敗退。日本選手権への出場は、9月の近畿最終予選で代表枠を勝ち取ることになりました。
「何としても都市対抗出場をつかみたい!」
都市対抗の予選では、昨季、本選出場切符を逃した記憶が残り、いつも以上にプレッシャーがありました。緊張の初戦は大和高田クラブ。するとあれだけ地方大会で苦しんだ打線が大爆発し、14得点のコールド勝ち。見事なスタートでした。ところが2回戦、強打のNTT西日本打線を前に敗戦。気持ちを切り替え、第3代表戦に回ったものの、大阪ガスにサヨナラ負けを許しました。負ければ終わりの第4代表戦。カナフレックスに7‐3と快勝し、準々決勝・準決勝も危なげなく勝利をおさめて代表決定戦に進出しました。対戦相手は古豪・日本生命。先発の與座投手は初回から先制点を奪われるも、5回に永江大樹選手・植田勝至選手・法兼駿選手の3連打で逆転に成功しました。援護をもらった與座投手は8回まで日本生命打線を1点に抑え、最終回のマウンドにあがりました。しかし、連打を浴びピンチを招くと次打者にタイムリーヒットを打たれ1点を奪われます。9回1/3まで125球の粘りのピッチングを見せた與座投手、ここで左腕のエース榎本亮投手にマウンドを託しました。榎本投手はその後ピンチを招きながらも、強気なピッチングで相手打線をおさえ試合終了。第4代表をもぎ取り、念願の都市対抗本戦出場を決めました。
2年ぶりの都市対抗。2回戦で遭遇した東京ドームの魔物
戻って来た東京ドーム。意欲満々で挑んだ初戦の相手は中国地区第2代表として出場のJR西日本。創部88年と歴史あるチームです。先制点を奪いたい打線は4回、先頭打者の山本ダンテ武蔵選手がフルカウントから8球目、レフトスタンドに特大の一発を放ち先制点を奪うと、先発・與座投手が相手打線を寄せつけず、自身初となる都市対抗での完封勝利をおさめて2回戦に駒を進めました。
初戦の勢いそのままに臨んだ2回戦、JR東との一戦。ベスト8選出をかけた大切なマウンドには初戦に続き、與座投手があがります。與座投手はこの日も好投をみせるなか、先制点を奪いたい打線は2回、先頭の三宅浩史郎選手が出塁すると大阪ガスからの補強、花本太紀選手がレフト線を破るツーベースヒットを放ってチャンスを拡大。続くベテラン・松根優選手はセーフティスクイズ。貴重な先制点を奪います。さらに7回には、またも松根選手のセーフティスクイズ、そして上田隼也選手のタイムリーヒットも飛び出し、3-0と得点を重ねます。勢いづくパナソニック。しかし、その裏に好投を続けていた與座投手が相手打線につかまります。連打を浴び2人のランナーを背負うと、後続に痛恨のスリーランホームランを放たれ同点に追いつかれます。さらに、味方のエラーも絡み、1点を献上。4点を失い逆転を許してしまいました。
再逆転を期待された打線でしたが、8回以降に出したランナーは内野安打の1人のみ。ベスト8進出には届きませんでした。今年、近畿勢で2回戦に進出したのは当チームのみ。近畿の仲間の思いをも背負い、もっと上を行きたかったのですが、果たせなかったことに悔しさが募りました。
プレッシャーを跳ねのけ、つかんだ日本選手権への切符
都市対抗から1カ月。日本選手権出場に向けた中で目指したのは個々のスキルアップでした。新人選手たちは著しい成長をみせ、投手、野手ともに試合出場の機会が増えました。特に、大上海璃選手はサードでレギュラーが定着しました。新人選手が成績を残すなか、負けじとベテラン・中堅選手もしっかりと存在感を発揮。チームが目指す「強豪」へと成長する瞬間が垣間みえた期間でした。
28大会連続出場の記録がかかる当部にとって、プレッシャーは想像以上に重くのしかかります。迎えた近畿最終予選の初戦、相手は今シーズンOP戦も含め未だ対戦のないアスミビルダーズです。緊張感が張り詰めます。マウンドは左腕のエース榎本投手。テンポの良い投球で相手打線を圧倒します。打線は4回に先制点、7回には先頭の大上選手がライトスタンドに自身公式戦初となるホームランを放ちました。援護をうけた榎本投手は最終回も危なげなく後続をおさえ、完封勝利と幸先の良いスタートを切りました。
続く2回戦の日本製鉄広畑戦も與座投手が9回135球の粘り強い投球で完封勝利。パナソニックが誇る投手陣がこの予選で圧倒的な結果を残します。しかし、続く日本生命との代表決定戦では苦戦を強いられます。0‐0の膠着状態から迎えた5回、リリーフ登板した井奥勘太投手がピンチを招き3点を奪われると、以降は相手投手の気迫のこもった投球を前に得点を奪えず、敗戦してしまいました。
「次こそは決める!」と意気込んで臨んだ敗者復活戦、対カナフレックス。この試合も、序盤から手に汗握る投手戦が続き、9回まで1-1の展開で試合はタイブレークへ。打線は相手のエラーも絡みながら、最後は主将永江大樹選手が甘く入ったスライダーを叩きセンター前にヒット。劇的な逆転で勝利し、敗者復活戦から本戦出場の切符を掴み取りました。
大応援団を背に2回戦進出
日本選手権大会での初戦は北陸地区代表・伏木海陸運送でした。直近2年の都市対抗や日本選手権で、いずれもベスト8以上となった強豪です。先発マウンドを任せられたのは、やはり與座投手。期待通りに初回から好投をみせると打線は6回表、宮﨑秀太選手、法兼駿選手が連続ヒット。続くダンテ選手が四球を選んで一死満塁のチャンスを作ります。このチャンスに4番三宅浩史郎選手がセンターへの犠牲フライを放ち、先制点。さらに、二死1、3塁から5番・久保田拓真選手がレフトスタンドに確信の一打、特大ホームランで3点を追加します。マウンドは、先発の與座投手から榎本投手、定本拓真投手、城間竜兵投手と見事な完封リレー。投打が噛み合ったパナソニックらしい野球で初戦を突破しました。
この勢いそのままに、と臨んだ2回戦JR四国との一戦。相手先発投手の好投を前に、好調だった打者陣が沈黙してしまいます。結果は5安打完封負けと、完敗の内容で2回戦敗退を喫してしまいました。
この大会では、スタンド一体となってチームを後押しし、大会を盛り上げた応援を表彰する「応援団コンクール」が実施されました。当チームはこれを機に地域のダンスチーム「寝屋川ピンクチャイルド」とコラボレーションしました。普段はホームタウンの門真市を中心に、野球を通じて青少年の育成や地域活性化に貢献していこうと取り組んでいる私たちですが、交流の場を広げようと考えたものです。
こうした応援団をはじめ、初戦の伏木海陸運送戦では6000人近いお客様が、わが3塁側席をパナソニックブルーに染めてくれました。会社からは職場を挙げて多くの社員の方々が、さらにはOBの皆様もたくさん詰めかけてくださいました。東京で行われる都市対抗においても、多くの皆様が足を運んでいただいて会場をホームにしてくれました。大勢の皆様の温かい応援は何より力となります。だからこそ、私たちは勝利で応えなければなりません。来季は優勝旗を手に皆様と一緒に喜び合えるよう、もっともっと努力を重ねます。どうぞ今後もパナソニック野球部へのご支援をよろしくお願いします。
金森敬之監督 コメント
「まだまだ前進できるチーム、来季も高みに向かって突き進みます」

皆様、今季も温かいご声援をありがとうございました。心から感謝しております。
田中篤史前監督の教えを引き継ぎ、中本浩GM兼総監督の協力をもらいながら、試行錯誤を繰り返しつつも成長に向けて走り抜けたシーズンでした。特に都市対抗出場に照準をあわせ、何としても出場するという思いをチーム全体で共有し、出場を逃した去年の悔しさを晴らそうと突き進みました。その結果、出場が叶い初戦を突破することができました。2回戦も勝利が掴めそうでしたが逆転され敗退。野球の怖さを今さらながら思い知りました。
日本選手権大会への予選では、27大会連続出場の記録を築いてこられた先輩方の思いを背負い、出場記録を止めるまいと強い気持ちで臨みました。本選は都市対抗と同様に2回戦敗退。優勝に絡みたかったと今も悔しい気持ちを抱いております。
このチームはまだまだ前進できるチームです。今後も心を一つに、とにかく結果にこだわりながら、高みへと向かって行きます。来季には新人が加わり、競争が激しくなります。その中でも準備の大切さや時間の使い方を意識して取り組んでいってくれることを選手には期待しています。
皆様、来シーズンも頂きを目指し続ける私たちに、引き続き温かいご声援をよろしくお願いいたします。
2023年度 個人成績
個人成績は以下のとおりです。
2023年度 パナソニック野球部 活動報告書 [331 KB]
■投手成績
公式戦 投手成績(都市対抗予選、都市対抗本戦)
二大大会以外 投手成績
オープン戦 投手成績
■打撃成績
公式戦 打撃成績(都市対抗予選、都市対抗本戦)
二大大会以外 打撃成績
オープン戦 打撃成績
