活動報告

ACTIVITIES

2022年度 パナソニック野球部 活動報告

2022-12-31

今年も応援ありがとうございました。シーズンの活動総括を行います。

大変革の年。期待を背負いながらスタートを切る

パナソニック株式会社スポーツマネジメント推進室を母体にパナソニック スポーツ(株)が2022年4月に誕生。会社としてスポーツ企業を目指した変革が始まりました。このパナソニック スポーツ株式会社傘下にある5の競技チームの中でも、われわれ野球部は企業スポーツの位置づけであることに変わりはないものの、進化を目指そうと変革の緒に就きました。

3月にはコーチとして元阪神、ロッテと長年プロ野球の舞台で活躍した鳥谷敬氏を招聘、強いチーム作りを進めるとともに、ホームタウンとスポーツの関係性を見直し、門真市を中心とした地域貢献活動をチーム活動の柱へと位置づけを高めました。こうして、変革初年度にして、“結果”への期待にも応えるべく、前へと進めて行きました。

昨年に続く優勝を目指したJABA地方大会。しかし結果を出せず

画像:2022年振り返り

3大会に出場することができるJABA地方大会。優勝すれば日本選手権出場を獲得できます。チームは、昨年のJABA九州大会の優勝に続く2年連続のJABA大会優勝を目指しました。幕開けとなるJABA静岡大会は、コンディション調整に泣かされるほど雨天順延が続きました。初戦は、日本製鉄東海REXを相手に4-3と僅差で勝利。安堵したものの、続くHonda、そしてJR東海に敗れ予選リーグ敗退。不安の残る出だしとなりました。

静岡大会を終えてすぐに出場したJABA岡山大会では、セガサミー、JFE西日本、四国銀行と全国大会にも名を連ねるチームを相手に3連勝。予選リーグを突破しました。続く準決勝、シティライト岡山戦では先発榎本亮選手の力投、女房役三上恭平選手の攻守にわたる活躍で2-1と接戦を制しました。迎えた決勝戦、Honda熊本投手陣の好投を前に、当チームは力を発揮できません。残念ながら1-3と敗戦し準優勝となりました。

気持ちを切替え臨んだ3つ目のJABA大会は、強者がひしめく京都大会でした。初戦、同じ近畿地区の日本製鉄広畑に2-4で惜敗します。その後、2戦目ヤマハ、3戦目SUBARUには勝利を収めたものの、初戦の敗戦が大きく響き、予選リーグ敗退。昨年に続く結果が出せませんでした。

まさにドン底。都市対抗への切符を逃す

画像:2022年振り返り

JABAの3大会が終了し、シーズンが本格化しました。5月、遂に迎えた都市対抗近畿地区2次予選。都市対抗本戦での飛躍のため、まずは何としても本戦出場の切符を掴む、という強い気持ちで臨みました。
初戦、大和高田クラブ戦は2点を先制される苦しい展開で試合が進みます。しかし最終回、三宅浩史郎選手の起死回生のタイムリーヒットで同点に追いつくと、延長11回タイブレークの末にサヨナラ。苦しみ抜いた1戦を最後の最後まで粘って、勝利を手中にしました。
ところが、続くNTT西日本戦で0-1の敗戦。更に続く日本生命戦には0-8と大差で敗れ、とうとう第4代表決定トーナメントに回ることとなりました。第1から第3代表決定トーナメントの敗者が集まる第4代表決定トーナメント(敗者復活トーナメント)。最低でも2連勝しないと、次の敗者復活トーナメントに駒を進めることが出来ません。まさに絶体絶命の正念場に立たされました。迎えたニチダイ戦。1-2のビハインドから最終回に2点をもぎ取ってのサヨナラ勝利。何とか首の皮一枚繋ぎました。しかし、次の日本新薬戦に2-7と大敗。これにより次の敗者復活トーナメント進出の道も断たれました。悔やんでも悔やみきれない結果で都市対抗予選は幕を下ろしました。

重圧がかかる日本選手権予選で光った若手の台頭

画像:2022年振り返り

都市対抗予選に敗れたチームは7月8月と、辛く、厳しく、地道な強化練習に明け暮れました。ドン底から這いあがるため、チーム全体の底上げを図ることが狙いでした。「都市対抗に出場できなかった」。この事実がプレッシャーとなってチームにのしかかる中で迎えた9月、社会人野球日本選手権大会近畿地区最終予選が始まりました。27回大会連続出場記録が続くパナソニックにとって、絶対に負けは許されない大会であり、プレッシャーはより大きくなりました。

そんな極限の状態の中、光ったのは新人選手を筆頭とした若手の台頭です。初戦のニチダイ戦では先発の新人井奥勘太選手が6回を被安打2、無失点の好投でチームに流れを引き寄せると、打線が奮起。都市対抗予選で苦戦を強いられた相手に9-0の7回コールド勝ちで代表決定戦に駒を進めました。勝てば、日本選手権への切符を手にすることができるカナフレックス戦。初戦とは打って変わって試合は8回まで1-1の投手戦となります。この試合で流れを引き寄せたのも、やはり新人選手の活躍。この大会からスタメンマスクをかぶる久保田拓真選手が8回に値千金の勝ち越し2ランを放つと、終盤、一気に畳みかけ6-1での勝利。1年の集大成ともいえる、日本選手権本戦出場を勝ち取りました。

地元の大応援団を背に戦った日本選手権。温かさが胸を打つ

画像:2022年振り返り

1年を締めくくる大会、社会人野球日本選手権大会。このチームメンバーで臨む最後の大会でもあります。初戦の相手は関東地区代表・セガサミー。直近2年の都市対抗や日本選手権で、いずれもベスト8以上となった強豪です。試合は初回、1点を先制されました。選手同士がエキサイトするシーンが発生するなど、気持ちと気持ちがぶつかり合う試合となります。中盤、上田隼也選手のソロホームランを皮切りに逆転に成功。その後も得点を重ねました。終わってみれば両者合計17安打の乱打戦。当チームはこれを制して初戦を突破しました。

初戦の勢いそのままに、と臨んだ2回戦トヨタ自動車との一戦。相手先発投手の好投を前に、初戦で好調の打者陣が沈黙してしまいます。結果は1安打完封負けと、完敗の内容で2回戦敗退となりました。

なおこの大会から、コロナ禍による人数制限が撤廃されました。18時という試合開始時間も功を奏したのか、初戦のセガサミー戦では4000人近い皆様が観戦に訪れ、わが1塁側席をパナソニックブルーに染めてくれました。会社からは多くの社員が職場を挙げて来ていただき、OBの皆さんも大勢詰めかけてくださいました。特に印象深かったのは門真の少年野球チームの子供たち。試合後のスタンド挨拶では応援席の最前列まで下りてきて、「●●選手―」「次も勝ってー!」など大歓声。子供たちからここまで積極的に声掛けをもらったのは初めてです。思わず、目頭が熱くなる瞬間でした。「自分達のためだけではない。応援してくれる方々のためにも“勝ち”を届けなくてはいけない」と、改めて実感した大会となりました。

シーズン中、積極的に展開した地域・社会貢献活動

画像:2022年振り返り

これまではシーズンOFFを利用して開催するのが主だった地域・社会貢献活動は、今季、激戦が続くシーズン中にも注力しました。特に、連携協定を結ぶ門真市との地域・社会貢献活動は、より深く取り組み、関係は強固なものとなりました。

昨年から始めた、Panasonic baseball academy(野球教室)を、は毎月1-2回ペースで9チームを対象に選手を派遣(コロナ禍等の影響で一部実施出来ないチームもあった)。頻度を増したことで、選手一人ひとりの顔を子供たちがしっかりと認知し、時にはニックネームで呼び合うほどお互いの距離は縮まりました。年に数回限りの交流では絶対に成しえなかった結びつきを創出したことで、日本選手権での心温まる応援へとつながっていきます。

さらに、門真市内の小学校2校で、「夢授業(出張授業)」を開催。“夢を持つ事の大切さ”を伝えました。これにより野球をしていない小学生たちとも交流する場ができました。選手たちにとっても自分自身を振り返る機会となり、双方の成長に有意義な活動として、今後も継続する計画です。

「進化・変革」を銘打って突き進んだ今シーズン。しかし、都市対抗野球大会への出場を逃し、雪辱を晴らすべく臨んだ日本選手権大会も2回戦敗退。試合結果は、当初の目標に遠く及ばないものとなりました。一方、未来を担う若手の成長を目の当たりにし、職場や地元門真の子供たちによる温かな大声援を背に受けたチームは、これまでとは違う“なにか”を感じることが出来ました。

地域や社員からより深く愛され、ホームタウンの活性化になくてはならない存在となるべく、パナソニック野球部は2023年も持てる力の全てを注ぎ込みます。来シーズンも熱いご声援をよろしくお願いいたします。

田中篤史監督のコメント

タイトルは逃すも着実に芽は育ってきました。

画像:田中監督

今シーズンは都市対抗に出場できず、日本選手権も2回戦で敗戦。皆様からの温かい支援に応えられなかったことに監督として大きな悔いが残っています。
私が今季、強化したのは「打撃力」でした。打撃陣に発破をかける意味で「打ち勝つ野球」を掲げ、強いパナソニック野球部の復活を目指しました。このため例年以上に地道な基礎練習に励みました。タイトルは取れなかったものの、一つひとつの試合を見ると、昨年よりも接戦を展開する試合が多くなり、日本選手権の近畿最終予選、セガサミー戦で見せたようにガンガン攻める姿勢を貫き、打ち合いを制した試合も出てきました。
井奥勘太、久保田拓真を筆頭に新人選手の活躍も目に見えるようになりました。大舞台での経験を積ませようと、若手選手を積極的に起用したことが実を結びはじめ、世代交代は前進していると考えます。さらに、新たにチームの支援に入ってくださった鳥谷敬コーチは、選手ごとのプレーの引き出しを増やしてくれています。試合の考え方や臨み方は間違いなく変化しました。なお、一つひとつのプレーもチームとして戦うものであり、チーム成績で皆が喜びや苦しみを分かち合うこと。これが社会人野球の真髄です。この本質をベテランが理解し、チームとしての成長に寄与してくれました。若手の台頭とベテランの高い意識がかみ合ってきた。監督として、これが一番うれしい手応えでした。
だからこそ、結果を出せなかったことが悔しくてなりません。今一度、何が足りなかったのか、猛反省しなければなりません。皆様の期待を超える来シーズンにすべく、立て直しが必須です。どうか今後もパナソニック野球部に温かい応援を、どうぞよろしくお願いいたします。

2022年度 個人表彰(2大大会予選、本戦の成績から選出)

年間最優秀選手
植田 勝至
首位打者賞
植田 勝至(.350)
最多打点賞
植田 勝至(5打点)
最優秀防御率賞
井奥 勘太(1.64)

2022年度 個人成績

個人成績は以下のとおりです。

2022年度 パナソニック野球部 活動報告書 [146 KB]

■投手成績

投手成績:二大大会(都市対抗・日本選手権)

公式戦 投手成績(都市対抗予選、都市対抗本戦)

投手成績:二大大会以外

二大大会以外 投手成績

投手成績:オープン戦

オープン戦 投手成績

■打撃成績

打撃成績:二大大会(都市対抗・日本選手権)

公式戦 打撃成績(都市対抗予選、都市対抗本戦)

打撃成績:二大大会以外

二大大会以外 打撃成績

打撃成績:オープン戦

オープン戦 打撃成績

画像:来シーズンも熱いご声援の程よろしくお願い申し上げます。
来シーズンも熱いご声援の程よろしくお願い申し上げます。