クイーンズ駅伝で4位入賞!
11月24日(日)実業団女子駅伝No,1を決めるクイーンズ駅伝が、宮城県にて開催され、松島町から仙台市内にある「弘進ゴムアスリートパーク仙台」までの6区間42.195㎞を24チームの参加で争われました。
この駅伝に昨年シード権を獲得し出場したパナソニックエンジェルスは2時間15分40秒で、4位入賞(3年連続シード権)を果たしました。
本大会は、12時15分に松島町文化観光交流館前をスタート。天候は晴れ、気温10.2度、湿度50%、北西の風4.1m/sと少し風が強いものの絶好の駅伝日和となりました。
オーダー発表時に、ゴールドコーストマラソン優勝のキャプテン中村選手が、怪我の大事を取ってオーダーから外れることになりましたが、キャプテンの思いを、出場選手、リザーブ選手、スタッフのチーム全員でチーム力に変えて臨んでいこうと、元気良く意志合わせを行いました。
【レース展開】
パナソニックエンジェルスの1区(7.0㎞)を任されたのは、昨年1区6位の実績もある信櫻空選手が起用されました。今年の日本選手権5000mで5位、10000mや初のハーフマラソンでも好記録を出し、確実に距離を延ばし、長距離での持久力も備わってきました。
1区は7㎞なれどカーブやアップダウン、トンネルも多いうえに、轍にも注意を要し、非常に高い走力が必要な難関区間。
スタート後、ここ数年のように飛び出すチームはなく、序盤は落ち着いたレース展開でした。風が強かったために決して前に出ず、第1集団の2列目で好位置に付け、アップダウンを迎えるたびに、1人、また1人と集団から離れていく選手が出始めていても、冷静に終始自分のペースを堅持して、5km過ぎまで8チームで形成する集団のなかで走りました。ラスト1㎞の最後のトンネルを出た時に、集団のペースが一気に上がって集団が縦長になり、信櫻選手も懸命に歯を食いしばって5番手で前を追う展開がテレビ画面に映しだされると、観戦しているパナソニック応援団からは「空、頑張れ!空、ラスト!」の大声援。キツイ状況下で最後の坂を駆け上がり、下りに差し掛かったところで最後の力を振り絞る。TOPと12秒差の6位(21分58秒【昨年より16秒速いタイム】)でタスキを繋ぎ、見事に難関区の1区で重責を果たしました。
続いて2区(4.2㎞)を任されたのは、日本体育大学から今年入社した新人の保坂晴子選手。
大学時代には2年連続で日本選手権大会1500mで入賞を果たしたスピードが強みの有力選手。加入後の日本選手権大会1500mでも、予選で自己記録を更新し、決勝では2ndベストで入賞。実績を引っ提げ、2区スピード区間に起用された保坂選手は、スタートして間もなく、前を走る選手に追いつき、一時2人を抜いて4位まで順位を上げ、4位集団を引っ張るレース展開となりました。
港近くの沿道に陣取るパナソニック応援団には、沢山の職場の皆さんやご家族、OGが駆けつけ、大きな声とバルーンを叩き「晴子、頑張れ!」「晴子、前へ!」と懸命に保坂選手を後押しします。
その後、後続からの選手が集団に追いつき、その最後尾7位に付けたレースを展開。終盤に入るとペースが上がって集団が縦長になり、持ち味であるダイナミックなランニングフォームでラストの登りを前へ前へと追いかける。結果、区間12位(13分30秒)で順位を1つ下げたものの、区間新記録・区間タイ記録を5人もマークした強豪揃いの2区を、初のクイーンズ駅伝の舞台をしっかりと踏みしめながら、総合7位(TOP差46秒)とクイーンズ8以内の順位を確保してデビュー戦を終えました。
オリンピアンや世界陸上出場経験者など各チームのエースが揃う花の3区(10.6㎞)を任されたのは昨年に続き渡邊菜々美選手。昨年は、アジア選手権大会、世界ロードランニング選手権大会で日本代表となったエンジェルスの絶対的エース。
今年は、怪我に泣かされたが、クイーンズ駅伝にきっちり合わせ、保坂選手から7位でタスキを受けると、平坦な直線が続く見通しの良いコースで、前をしっかりと見据え猛追を開始。前半から突っ込んで入り、まず3㎞付近で1人抜き去り6位に浮上。更に4km付近で前を走る5位集団に食い込み、前に出て3人の集団を先頭で引っ張る展開に。1位選手を中継しているテレビ画面で遠く後方からグングン迫ってくる姿がハッキリと確認できる。4.5km付近では、ついに5位集団を振り切り、単独5位に浮上し、更に前を追ってペースアップ。前へ前へとエンジン全開。沿道のパナソニック応援団からの「菜々美!菜々美!」と大声援を受けると、応援団に向かって微笑み、まだまだ余裕がある姿がテレビ画面にも映し出される。9.5km過ぎには、更に4位選手に追いつき一気に抜き去り、遂に単独4位に浮上。
各チームのエース達の意地の張り合いとなった3区で総合4位、区間3位(33分36秒)で3人抜き達成。TOPと35秒差まで詰めてタスキを渡しました。
今年も上位を狙いに行くぞ!と言わんばかりの、まさにエースとしての走りを見せつけ、ナイスラン!
インターナショナル区間4区(3.6㎞)を任されたのは、昨年に続き外国人選手のジャネット ニーヴァ選手(ケニア出身)。日本の高校からパナソニックに入社して1年半が経ち、日本語も流暢で選手間でのコミュニケーションも良好。チームにもすっかり溶け込み、チームのアイドル的存在であるニーヴァ選手。
クイーンズ駅伝では欠かせないニーヴァ選手の今シーズンは、春先からゴールデンゲームズinのべおかや、ホクレン・ディスタンスチャレンジで3000m、5000m、10000mと自己記録を更新して成長著しく、夏の走り込み期間は母国で練習を重ね、クイーンズ駅伝へと臨みました。
タスキを受け取り、大きなストライドでスピードに乗り、1.6㎞付近のパナソニック応援団の大声援を受け、前へ前へとグングン猛追。2km付近で一気に抜き去り、単独3位へ浮上。将来の夢は、オリンピック出場で、パナソニックで長く競技をしたいと語るニーヴァ選手は、難関の鉄橋の登り坂に差し掛かると、前方からの強風に苦しむも必死に前傾姿勢を取り、最後の力を振り絞る。下り坂に差し掛かり、パナソニック応援団の大声援に後押しされ、万全なコンディションではないなかでのラストスパート。
実業団2回目の駅伝は、区間12位(11分56秒)、1つ順位を上げ、TOPとの差1分15秒で総合3位という走りでした。
後半のエース区間5区(10.0㎞)を任されたのは、弱冠18歳、まだ試合で10kmを走った経験が無い新人の石川桜子選手。高校時代には、U20世界クロスカントリー選手権大会の日本代表になり、パナソニックに入社後には、この秋口に3000mで自己記録を8秒も更新。新人ながら肝が据わっており、ポテンシャルが非常に高いことから、安養寺監督が、新人らしく、決して恐れることなく、ワクワクしながら楽しんで走るようにと送り出し、オリンピアンが勢揃いする5区に「秘密兵器」として大抜擢。
引き締まった表情でタスキを受け取り、序盤は3位で単独走。1km付近のパナソニック応援団の大声援に後押しされるように、しっかりした足取りで、初めて紅葉の美しい杜の都を駆け抜ける。2km付近でハイペースで猛追してきたオリンピック出場選手も含めた3人の集団に吸収されるが、石川選手もペースを上げて集団に食らいつくどころか、3位集団を自ら堂々と引っ張る展開に。4km付近で相手が前に出たが、負けじと前に出て意地と意地のぶつかり合い。5kmを越え登り坂となり、相手がペースアップして石川選手を引き離しにかかるが、本人曰く、絶対に負けたくなかったと、全く3位の座を譲る気配はない。8km付近でペースアップし集団が縦長になり、単独5位での力走が続く展開に。9.5km付近の最後の急傾斜の登り坂の前に陣取るパナソニック応援団から「桜子、ラスト!桜子、頑張れ!」の大声援に押されて、ラストスパート。総合5位(33分07秒)でアンカー6区森田選手へタスキを渡します。(4位チーム差21秒)オリンピアンが勢揃いするこの5区で、なんと区間4位と大健闘。秘密兵器としての見事な走りで、重要区間での役割を十分に果たしました。
アンカーは、ベテラン11年目で今シーズン限りでの引退を決めている森田香織選手を2年連続で起用。実業団選手として、最後のクイーンズ駅伝となり、昨年、陸上競技場内で前走者を追い抜き、3位入賞・表彰台を決めたように、さらに上位を目指して、ゴールテープを切って有終の美を飾って欲しい。
6区は下り基調でカーブが多く、前が見える位置でレースを展開したいところ、下り坂を上手く利用した走りで4km付近でのガード下では、非常に良く身体が動いていて、前の選手を抜いて4位に浮上。
競技場内では、今か今かと森田選手を待ちわびるパナソニック大応援団に順位アップの朗報が届けられると応援団席が大きな歓喜に包まれた。残り1km付近のパナソニック応援拠点には、沢山の職場の仲間やご家族、OGがラストランの応援に駆けつけ、大声援を送るとともに、一昨年に引退した前キャプテンで双子の妹、森田詩織OGが並走しながら「香織、ラスト!香織、ラスト!」と、6区アンカーとして、また実業団選手としての最後の姉の姿に力水を送る。
4位キープのまま陸上競技場に森田選手が戻ってくると、パナソニック応援団は最高のボルテージとなり全員総立ちで「香織!香織!」の大声援。4位入賞のゴールテープを切って有終の美を飾りました。3位選手と14秒差の総合4位(区間7位 21分33秒)でゴール。森田香織選手のクイーンズ駅伝ラストランは、3年連続クイーンズ8でシード権獲得を決め、ナイスランで締めくくりました。(チーム記録2時間15分40秒)
ゴール後、涙をいっぱい溜めた渡邊菜々美選手がコートを持って森田選手に駆け寄りました。長年チームを支えてきて、2連覇を経験した2人。そしてパナソニックエンジェルスは、スタッフも交じり、大きな歓喜に包まれました。
監督・選手コメント
【安養寺俊隆監督】
沿道、競技場で、そしてテレビの前で熱い応援をありがとうございました。結果は3年連続シード権を獲得する4位でゴールする事ができました。
今年は『一人一人が昨年の自分を超えろ!』をテーマにし、その力を集結して昨年以上の結果に挑戦する、を目標に取り組んできました。多くの選手が自己記録を更新するなど、順調に個々の強化が進んでおりました。しかし、秋口から故障する選手が多くなり、完璧な状態で駅伝に臨めたとは言えませんが、一人一人が今出せる力を発揮して獲得した価値ある4位だったと思います。実業団11年目の森田香織は今年度で引退します。アンカーを走って1人を抜き順位を押し上げて、有終の美を飾るにふさわしいゴールをしてくれました。
来年は万全な状態で臨んで3強入りを奪還致します。
今後もエンジェルスに温かい応援をどうぞ宜しくお願い致します。
【1区 信櫻 空選手】
昨年と同じく、スタートの1区を務めました。今年の駅伝は後輩が3人も走るという事で、今まで以上に自分自身がチームに勢い付ける走りをするという気持ちで臨みました。結果としては、後ろの選手を突き放したり前の選手に競り勝つといった事ができず、自分の弱さが出たレースになったと思っています。自分自身のあと一歩の弱さが、3位に一歩届かなかった部分に繋がったと思うので悔しい気持ちでいっぱいです。しかし、このチームで4位を取れたことに嬉しさも感じていますし、改めてこのチームが大好きだと感じました!
沢山のご声援ありがとうございました。
【2区 保坂 晴子選手】
沢山のご声援ありがとうございました。
個人としては苦しい結果の駅伝デビュー戦となりました。流れを作ることができずチームのみんなに助けられた駅伝となったので、この悔しさを忘れず来年は必ずリベンジを果たしたいと思います。
これからもパナソニックエンジェルスの応援よろしくお願いいたします!
【3区 渡邊 菜々美選手】
クイーンズ駅伝、応援ありがとうございました!
緊張しすぎて、走る前は涙が流れそうでした。1区、2区が想定通りにきてくれたので、その流れに乗り走ることができました。3区役割は、果たせたと思います。練習でのことは出し切ることはできましたが、あと一歩足りない部分があると感じました。練習の質を上げながら、怪我せずに継続させていけるか、ここができるようになれば一歩上にいけると思いました。
みんなで勝ち取った4位。とても嬉しいです。
【4区 ジャネット ニーヴァ選手】
I was happy to participate in Queens Ekiden for the second year in section 4,
I did my best, thank you all for your continued support.
(2年連続でクイーンズ駅伝4区に出場できて嬉しかったです。ベストを尽くしました。引き続き応援よろしくお願いします。)
【5区 石川 桜子選手】
5区を走らせていただきました石川桜子です。
初めてのクイーンズ駅伝、初めての10kmということでプレッシャーや緊張がありましたが、自分がどこまで走れるのか挑戦できることに楽しみもありました。未知の世界だからこそ思いっきりぶつかることができ、絶対に負けない気持ちで襷を受け取ることができました。
頼れる先輩方と共にチームとして戦うことができて、とても嬉しく思います。応援がとても力になり、最後の最後まで頑張れました。
来年は今年を超えることが出来るよう、これからも頑張っていきます。
応援、ありがとうございました。
【6区 森田 香織選手】
クイーンズ駅伝、たくさんの応援ありがとうございました。
今回の駅伝が私自身の最後のクイーンズ駅伝でした。1区から5区までの後輩達が、最高な順位で襷を繋いでくれてその流れに乗り6区6.795km、沿道で名前を呼んで応援してくださる声、バルーンの音、トラックに入ってからのコール、たくさんの応援を噛み締めながら全力で無我夢中になって走り切る事ができました。
今回の駅伝に向かうにあたって決して順調とは言えず、怪我人も多く足が痛いながらも練習を調整しながら合わせてきた選手もいたりと万全と言える状況ではありませんでした。そんな状況の中、昨年より順位は1つ落として4位となりましたが、パナソニックのチーム力で、また来年の駅伝が楽しみになるような走りが、チームみんなで出来たなと思っています。
来年からはサポートとして皆さんと一緒にエンジェルスを全力で応援していきたいと思います。
11年間、いい時も悪いときも、いつも応援してくださる皆さんのおかげでここまで続けて来る事が出来ました。本当にありがとうございました。これからもエンジェルスの応援よろしくお願いします。
【中村 優希選手】
応援ありがとうございました!今回は怪我をしてしまい走ることはできませんでしたが、多くの方から声をかけていただき励みになりました!
来年は走りでチームに貢献し皆さんに元気な姿をお見せできるよう頑張ります!
これからもよろしくお願いします!
【川口 幸奈選手】
クイーンズ駅伝では応援ありがとうございました。大応援団の声援がとても嬉しかったです。また日頃から温かい応援をありがとうございます。これからも応援よろしくお願いいたします。
【境田 百花選手】
クイーンズ駅伝では、沢山の応援ありがとうございました。
今年も選手として出走することはできませんでしたがチームの為にサポートを頑張ることが出来ました。昨年の順位記録を超えるという目標には届きませんでしたが、パナソニックチーム全員で勝ち取れた4位という結果だったと思います。香織先輩が最後のクイーンズ駅伝でアンカーゴールする際に感動で涙がこぼれました。先輩のように尊敬される強い選手になって活躍したいと強く感じました。カッコいい姿を走りでお見せできるように頑張りますので今後とも応援の程、よろしくお願いします。
応援ありがとうございました。