からだの保険のコラム

将来への備えは十分!?公的介護保険制度を正しく理解しよう

目次

    厚生労働省の統計によると、65歳以上の2割近くが要介護・要支援状態になる時代、公的介護保険制度の仕組みをよく知っておくことは大切です。そして、本当に公的制度だけで十分なのかどうかも考えておきましょう。

    公的介護保険制度の概要

    図表1は、現在の公的介護保険制度全体の枠組みを示しています。

    図表1:公的介護保険制度の仕組み

    出典:厚生労働省ホームページ
    https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf
    「公的介護保険制度の現状と今後の役割 動向調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf)を加工して作成

    図表1:公的介護保険制度の仕組み

    40歳以上の人全員が加入者(被保険者)となり、そのうち40~64歳の第2号被保険者は健康保険組合などを通じて、65歳以上の第1号被保険者は年金からの天引きで保険料を支払います。この保険料に同額の公費を加えた財源(平成30年度で11.1兆円)で運営されています。
    被保険者は要介護認定に応じて多様なサービスを自分で選択して受け、自立を目指します。2000年以前の老人福祉制度と現在の介護保険制度の最も大きな違いは、この「利用者本位」と「自立支援」です。
    第2号被保険者や住民税非課税世帯などの自己負担額は1割、第1号被保険者は世帯人数と所得に応じて1~3割です。サービス事業者は残りの部分を基金に請求することになります。

    介護保険で受けられるサービス

    介護保険で受けられるサービスは図表2のように、在宅から施設までの程度に応じて大きく訪問系・通所系・短期滞在系・居住系・入所系の5つに分けられます。

    図表2:介護保険サービスの体系

    出典:厚生労働省ホームページ
    https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf
    「公的介護保険制度の現状と今後の役割 動向調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf)を加工して作成

    図表2:介護保険サービスの体系 図表2:介護保険サービスの体系

    サービスにかかる利用料は、要介護状態とサービスの種類によって法律で決まっています。料金体系は細かく複雑ですが、厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索を使えば概算料金を試算できます。(図表3)

    図表3:介護サービス概算料金の試算例

    出典:厚生労働省ホームページ
    https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/?action_kouhyou_simulation_index=true

    図表3:介護サービス概算料金の試算例

    なお、要介護度は、概ね図表4のような能力の低下状況から判断されます。

    図表4:要介護状態区分別の状態像

    出典:厚生労働省ホームページ
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ojzo.html
    「給付の在り方(在宅・地域密着)等について」(厚生労働省)
    https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000ojzo-att/2r9852000000ok1z.pdf)を加工して作成

    図表4:要介護状態区分別の状態像

    利用限度額がある

    自己負担割合があるとは言え、在宅介護サービスの場合は支給限度額があります。図表4は要介護度と支給限度額を示しており、この金額を超えた分は全額自己負担となります。

    図表5:要介護度別在宅サービス・地域密着型サービスの支給限度額(2019年10月以降)

    出典:厚生労働省ホームページ
    https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000478355.pdf
    「2019年度介護報酬改定について」(厚生労働省)
    https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000478355.pdf)を加工して作成

    図表5:要介護度別在宅サービス・地域密着型サービスの支給限度額(2019年10月以降)

    65歳未満はカバーされる範囲が狭い

    基本的に公的介護保険制度は、40歳以上の人が加入し、65歳以上の人が介護サービスを受けることが想定されていますが、65歳未満でも介護が必要な状態に陥ってしまうケースがあります。65歳以上ならどんな理由で介護が必要になっても介護サービスを受けることができますが、40歳以上65歳未満の場合は16種類の特定疾病(図表6)が原因の場合しか受けることができません。

    図表6:16種類の特定疾病

    出典:厚生労働省ホームページ
    https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html
    「特定疾病の選定基準の考え方」(厚生労働省)
    https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)を加工して作成

    図表6:16種類の特定疾病 図表6:16種類の特定疾病

    介護保険料が増加傾向

    介護保険料は増加傾向にあります。図表7は例として全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率の推移を示していますが、2009年の1.19%から2021年には1.80%まで上昇しています。

    図表7:協会けんぽの保険料率推移

    出典:全国健康保険協会「協会けんぽの介護保険料率について」
    https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/1995-298/
    「協会けんぽの介護保険料率について」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/1995-298/)をもとに作成

    図表7:協会けんぽの保険料率推移

    この背景には、高齢化率の高まりだけでなく、要介護・要支援認定を受ける人の割合が増えているという状況があります。図表8は第1号被保険者数と要介護・要支援認定者数(左軸)の他、その認定率<認定者数/被保険者数>(右軸)を示しており、認定率も増加しています。制度維持のために被保険者の負担が年々重くなっているのです。

    図表8:第1号被保険者の要介護・要支援認定者数とその割合

    出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告 月報」
    https://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0329-1.html
    「介護保険事業状況報告 月報」(厚生労働省)
    https://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0329-1.html)を加工して作成

    図表8:第1号被保険者の要介護・要支援認定者数とその割合

    将来のためにリスクの分散を

    以上のように、保険料負担は増加傾向にあるものの、
    ●介護サービスの利用限度額
    ●65歳未満の介護サービス受給要件
    などによって、公的介護保険制度だけでは希望するサービスの全てを利用できるとは限りません。また、保有する資産に応じてサービスの利用に必要な自己負担金額が大きくなるため、公的制度だけに依存するのではなく、それ以外の方法(例えば団体保険など)を検討しておくのもリスクの分散になります。

    介護保険制度の理念にもあるように、まず要介護状態にならないように予防する意識が大切です。それでも介護が必要になった時のために公的介護保険制度がありますが、それでも十分ではないケースもあります。それを補うものとして介護保険Wがあります。
    詳しくはウェブサイトをご確認下さい。

    上記の内容は、パナソニックグループの従業員の皆さまに、
    当社の福祉制度や各種サービスをご紹介するものですが、
    今回の内容は、普段の生活でのお気づきや、お役に立ちましたか?
    • このホームページは、概要を掲載したものです。詳細は、商品パンフレット等をご覧ください。なお、ご契約等の際には、パンフレット・重要事項のご説明・ご契約のしおり等にて必ず内容をご確認ください。また、ご不明な点は、パナソニック保険サービスまたは引受保険会社にお問い合わせください。
    • パナソニック保険サービスは、複数保険会社の商品を取扱う保険会社の募集代理店です。保険商品のご案内に際し、当社の比較説明・推奨販売方針「保険商品のご案内について」に基づき適正に保険募集を行います。

    引受保険会社:
    三井住友海上火災保険株式会社 
    東京海上日動火災保険株式会社 
    損害保険ジャパン株式会社

    【2021年4月作成】

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