社員インタビュー

ヤシ廃材を
アップサイクルし、
母国マレーシアと日本を
つなぐ架け橋になりたい。

写真:モハマド エルマン

技術企画/モハマド エルマンさん

太陽電池を研究し、将来、母国のエネルギー施策に貢献することを夢見て来日した。エルマンが大学で研究したのは未来型「量子ドット太陽電池」。大学院に進学してからは研究を深め、従来のシリコン以外の材料も試して量子ドット太陽電池の実現に成功。マレーシアからの留学生の多くは母国で就職するが、エルマンは日本での就職を目指した。

就職先に絞ったのはパナソニック。太陽電池分野でのポテンシャルが高く、当時マレーシアにもソーラーパネルの工場を持っていた。学んだ日本への恩返しになる。母国への貢献にも直結すると思った。エルマンが配属されたのは、もちろん太陽電池の研究・開発部門だ。入社早々、マレーシア工場にも出向き、製造ラインの歩留まり向上の改善を推進。母国へ貢献の一歩を踏み出すことができた。

仕事にもすっかり慣れた頃、興味深いプロジェクトが立ち上げられた。マレーシアと日本が連携するプロジェクトで、アブラヤシ廃材を活用して「繊維ボード」を開発しようというもの。アブラヤシ廃材の活用にはさまざまな課題があったが、政府機関「マレーシアパームオイル庁」との連携など、持ち前の丁寧なコミュニケーションがプロジェクトを動かしていった。

現在「繊維ボード」は家具メーカーと協働で商品化が進められ、販売に向けて事業検証がスタート。世界市場への展開も視野に入れられている。「『太陽電池』から担当は変わりましたが、同じSDGsへの取り組み。母国でもアブラヤシ農園の資源循環を促進でき、パーム油産業の持続的発展に貢献できることも嬉しいです」。エルマンが描いたマレーシアと日本の架け橋は、未来へつながっている。