人と環境の双方に
優しい技術を実現する。

研究開発

信田 健太郎
2015年入社/工芸科学研究科 
機械システム工学専攻修了
写真:信田健太郎

私は、める。

Begin

世の中のニーズに応える商品。
その陰にあるのは無数の挑戦。

学生時代、建物や構造物の振動制御の研究を通じて、ハウジング業界に興味を持ちました。就職活動で軸にしていたのは、研究開発を中心に商品企画、製造まで一貫して携われることと、ハウジングに関するさまざまな業務が経験できることです。住宅の構造や設備、さらには家電、電気、照明など、建物の内と外の要素に関わる事業部があるパナソニックなら、希望が叶うと思い入社を決めました。
入社後、まさに私が希望していたとおり、研究や企画、製造ラインの立ち上げなど、幅広い業務に携わることができています。商品の開発を始める際には、お客さまのニーズを把握したうえで、パナソニックの数ある強みをどう掛け合わせてニーズに応えるかを追求。その過程でボツになる技術やアイデアは無数にありますが、それらは未来に生かすべきノウハウとして社内に蓄積されます。ひとつの商品が形になるまでの陰には、度重なる挑戦と失敗があることを痛感する毎日です。

私は、める。

Master

望む結果に辿り着くには、
ときに仕切り直す覚悟も必要。

私は常々、人と環境に優しい技術を形にしたいと考えています。その成果のひとつが、凹凸がある浴槽の床にフィルムをラミネートする成形技術の確立です。フッ素を配合したデザイン性の高いフィルムをラミネートすれば、ヒータによる乾燥工程での塗装を省けるため、CO2の排出量を削減しながら、掃除がしやすくデザイン性にも優れた床が実現できます。
ただ開発当初、それが困難なことは誰の目にも明らかでした。例えるなら、凹凸のある超巨大なスマートフォンの画面に、一切の塵や空気を入れず、かつ隙間なくフィルムを貼る。それを可能にする材料や技術、設備が必要だったからです。
私は成形技術の担当者として、設備内を完全な真空状態にする方法を模索しました。しかし小型の試作機では真空にできても、製造工程で用いる大型の設備では再現できない。一旦「試作でならできた」という先入観を捨て、再現できない原因を一から探り直しました。その結果、大型の設備では真空度の数値を、一定の範囲内に正確におさめる必要があると判明。「最初から仕切り直したことで、最後のパズルのピースが嵌まった」。そんな安堵と達成感が込み上げた瞬間でした。

私は、える。

Respond

3次元フィルムラミネート技術の
さらなる進化と展開を図る。

3次元フィルムラミネート技術は、浴槽の床材に限らずさまざまな分野に応用することができます。靴や机、新幹線の壁に至るまで、世の中にはフィルムを用いた製品が星の数ほどあるからです。製品の用途に応じてフィルムの性能を変えれば「汚れに強い靴」「デザイン性の高い机」「抗菌性に優れた新幹線の壁」など、必要とする性能を持った製品を従来よりも容易に実現することができます。
また、昨今ではハウジング業界でも環境に配慮した材料の開発や使用が求められています。環境に優しい材料は、従来の材料と比べて性能面で劣りがちですが、そうしたデメリットを補強できる可能性も3次元フィルムラミネート技術は秘めています。この技術の伸びしろ、活用の幅は無数にあるので、今回の成果をベースに新たなアイデアを模索しながら、さらなる新しい技術の確立にも取り組み、人も環境も豊かになる未来の実現に貢献していきたいです。

私は、える。

Question 今後、身に付けたいスキルは何ですか?

これまで主に成形加工やそのプロセスの部分に携わってきましたが、その大元となる材料の特性に関する知識の不足を自覚しています。材料を知ったうえで、その知識を成形加工にリンクさせていくことが今後必要になるので、材料をメインで扱う仕事に携われるチャンスがあれば、積極的に手を上げてキャリアアップにつなげられればと考えています。

私は、する。

Question 社内で尊敬している人を
紹介してください。

新入社員のとき、直属の上司だった潮田さんです。入社したてで課題解決や他部署との連携、会議での説明などがうまくできなかったとき、よく潮田さんからアドバイスをしていただきました。仕事で失敗をしたときにも、決して責めることなく「次はこうしよう」という具体的なアドバイスをいただき、本当に感謝しています。

写真:潮田栄二
潮田 栄二

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