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2021.12.27

『バイオフィリックデザイン』から得られる効果とは|実は多くの理にかなったオフィス緑化

『バイオフィリックデザイン』から得られる効果とは|実は多くの理にかなったオフィス緑化

近年様々な企業で導入が進む「オフィス緑化」。その中で注目されているのが「バイオフィリックデザイン」です。
オフィスに植物を多く取り入れることで、自然的で開放感のある空間を作り出すだけではなく、空気清浄の効果、加湿の効果に加え、オフィスで働く人々へのリラックス効果も得られることから、非常に合理的な施策として「バイオフィリックデザイン」を導入する企業が増えてきています。
そこで本記事では、そんなバイオフィリックデザインについて、詳しく見ていきたいと思います。

バイオフィリックデザインとは

バイオフィリックデザインとは、簡単に言うと「人間の本能的な自然と結びつきたい」という欲求を満たす要素を建築物に取り入れたデザイン手法です。

バイオフィリックデザインを取り入れる上で重要となってくるのが、『バイオフィリア(Biophilia)』という仮説です。『バイオフィリア』は造語で、『バイオ(生命・生物・自然)』と『フィリア(愛・友愛)』という2つの言葉が組み合わさってできています。

1980年代にエドワード・O・ウィルソンとスティーヴン・R・ケラートらによって『バイオフィリア』=『人間には自然とつながりたいとう本能的欲求があり、自然と触れ合うことで健康や幸せを得られる』という概念が提唱されました。

この「生命・自然を感じられる環境を取り入れることで幸福感が得られる」という考えを元に考案されたオフィスデザインが「バイオフィリックデザイン」というわけです。

オフィスにおいてバイオフィリックデザインが注目される背景

現代のオフィス環境において、バイオフィリックデザインが注目されるようになったのは次の2つがあげられます。

まず1つ目が、「従業員の健康が重要視されるようになってきたこと」です。

以前までのオフィスデザインは、“対顧客”を意識したデザインが主流でした。しかし、近年は、経営において“人財が重要”という考えの広まりもあり、健全な職場づくりに取り組むことで生産性の向上や人材の定着を図ろうという企業が増えています。この従業員の健康、幸福を意識したオフィス環境づくりのひとつとして、バイオフィリックデザインが注目されはじめているのです。

2つ目は、「コロナ禍で自然との共生を求める人が増えたこと」です。

コロナ禍によりテレワークが推奨され、在宅勤務となることで家の滞在時間が伸びました。その中で、忙しい日々の中では意識していなかった、窓から見える景色や部屋に飾られた花やグリーンなどに目や意識が向けられるようになったこともバイオフィリックデザインが注目される要因です。

実際、⼀般社団法⼈花の国⽇本協議会が行ったアンケート調査で、「自宅に花やグリーンを飾りたい気持ちになった」と回答した人が90%(※)も占めており、本能的に人間が自然との共生を求めていることがわかっています。

⼀般社団法⼈花の国⽇本協議会『【モニプラ】旬の花モニタープレゼント企画「Stay Home with FLOWERS おうちフラワーで私を元気に︕」応募時アンケート調査結果』

空間デザインとしてバイオフィリックデザインが必要とされる理由

結論から言うと、バイオフィリックデザインを取り入れることで、従業員に対してストレスの少ない環境を提供し、その結果として幸福感や生産性、創造性を高められるからです。

バイオフィリックデザインを取り入れた環境では、ストレス値が下がることがわかっています。

国土交通省が発表した「平成30年度首都圏整備に関する年次報告(令和元年版首都圏白書)」の「首都圏をめぐる最近の動向」の中で、「植物なし」の場合のストレスを1.00としたとき、「植物あり」の空間では0.89、「植物+ハイレゾ音あり」の空間では0.76までストレス値が低下するというデータがあります。

また、職場におけるバイオフィリアの効果を研究したケイリー・クーパー博士らによると、

  • ・幸福度:15%向上
  • ・生産性:6%向上
  • ・創造性:15%向上

以上の通り、植物や自然光などの自然的な要素が身近に存在するバイオフィリックデザインを採用したオフィス環境で働く従業員の幸福度・生産性・創造性が向上するという研究結果が出ています。

従業員がストレスを抱えた状態では、仕事に対しても意欲的に取り組むことができません。それでは生産性も低下し、離職により優秀な“人財”を失う可能性もあります。

前項でも触れた通り、ヒトは本能的に自然との共生を求めているので、グリーンや自然音などがあると、自然とのつながりを感じやすく、ストレスの軽減につながりやすい状況です。

ストレスの少ない働きやすい環境を整えることで、従業員の幸福度が増し、生産性や創造性の向上といったプラスの効果も期待できます。そのため、大切な従業員が働きやすい環境を整えたいと考える企業は、バイオフィリックデザインを取り入れるべきと言えるでしょう。

※出典:【国土交通省】平成30年度首都圏整備に関する年次報告(令和元年版首都圏白書)
※出典:【ロバートソン・クーパー社】ヒューマン・スペース:世界中の職場におけるバイオフィリックデザインの効果

オフィスでバイオフィリックデザインを取り入れるメリット

この章では、前項で触れたバイオフィリックデザインを取り入れることで向上した「幸福度」「生産性」「創造性」3項目について掘り下げながら、メリットを解説します。

従業員の幸福度が高まる

1つ目のメリットは、バイオフィリックデザインを取り入れることで、従業員の幸福度を高められることです。

幸福度とは、簡単に言うと従業員が仕事で感じる「喜び」や「やりがい」を数値化したものです。従業員の幸福度が高いと自然とやる気が起き、企業の業績アップにも貢献するため、企業を成長させる上で欠かせない要素のひとつとして注目されています。

従業員の幸福度を高めるためには、仕事におけるストレスを軽減する必要があります。仕事においてストレスを感じている人は多く、アメリカのロバートソン・クーパー社が発表した「世界中の職場におけるバイオフィリックデザインの効果」の情報によると、職場において「ストレスを感じたことがある」と回答した人は約47%もいる状況です。

仕事におけるストレスの原因はさまざまなので、ひとつずつ解決することが難しいですが、バイオフィリックデザインを取り入れることで、従業員の幸福度を高めることができます。前項でもお伝えした通り、グリーンや自然音などの効果でストレス値が下がることがわかっているからです。

従業員が不安を感じることなく業務に集中して喜びややりがいを感じることができれば、「仕事に行きたくない」「辞めたい」といった状況を生み出しにくくなるため、欠勤率や離職率を減らす効果も期待できます。

従業員の幸福度は、企業の成長との関連性が深いと言えるため、バイオフィリックデザインを取り入れて、幸福度を向上させる取り組みを行いましょう。

※出典:【ロバートソン・クーパー社】ヒューマン・スペース:世界中の職場におけるバイオフィリックデザインの効果

業務の質や生産性が高まる

2つ目のメリットは、バイオフィリックデザインを取り入れることで従業員の幸福度が高まることで業務の質や生産性もアップすることです。

好きなことや趣味に没頭しているとき、あっという間に時間が経っていたという経験はありませんか? 仕事も同じで、何か喜びややりがいを感じることができれば、楽しく取り組む中で自然と集中力が高まり、生産性が向上します。

そのため、バイオフィリックデザインを採用すれば、従業員のモチベーションや業務の質が向上し、企業の業績アップにつながる可能性があります。

組織全体の創造性が高まる

3つ目は、組織全体の創造性が高まることです。

バイオフィリックデザインを採用した空間、つまり視覚や聴覚を通じて自然を感じられる環境に置くことで個人の創造や思考が豊かになります。

その結果として、柔軟な思考により新しいアイデアなどが生み出され、組織全体の創造性がアップするという効果が期待できます。

あらゆる分野で注目される『バイオフィリックデザイン

『バイオフィリックデザイン』という空間デザインの手法は近年さまざまな場面で積極的に取り入れられ、人々にリラックスできる快適な環境を提供しています。

日本ではスターバックス表参道ヒルズ店がこのバイオフィリックデザインを採用した店舗をオープンし話題となりました。

※参照:プレスリリース

さらに、この店舗設計で興味深い点は、単に植物を置いただけではなく、空間内の“光”を演出することにも注力している点です。

バイオフィリックデザインにおいてポイントとなっているのが、「自然光」「緑」「窓」の3つです。紹介したスタバの例では、この「自然光」「緑」「窓」のポイントをうまく調和させ、居心地のよい空間を演出しています。

例えば、店内の中央には、外の天気と連動した“波紋”を光で映し出す装置を設置しており、“植物を置く”といったことだけにとどまらず、“自然環境を作る”という考えのもとに空間を作り出している点が大きなポイントとなっています。

このことからもバイオフィリックデザインにおいては空間における“光”のマネジメントも重要な要素であり、人のリラックス環境には欠かせないものだということが分かります。

とはいえ、世界中の大半のオフィスが燦燦と降り注ぐ太陽の下にあるわけではありません。むしろその逆の状況であることが多く、自然光が取れないといったオフィスも数多くあると思います。
そんな環境に対しても、バイオフィリックデザインを実現するための製品が開発されており、オフィス環境の改善に社会的な注目が集まっていることが窺えます。

このような『バイオフィリックデザイン』の考え方は、多くの時間を過ごし、集中状態、ストレス状態といった局面に向かいあうことも多いオフィスで働く人々にこそ重要とされており、近年では実際に多くの企業がオフィス環境の向上に積極的に動いています。

『天窓Vision』
自然光が取れない閉鎖的な場所に対し、天窓のデジタルコンテンツの動きと連動し、映像、カラー照明、音の連動により、自然の中にいるような開放感、リラックス感、デライト感を演出、空間のホスピタリティ向上を狙います。
※参照:プレスリリース

“見た目”のためだけではないオフィス緑化

観葉植物を置いたり、人工芝を敷いたオフィススペースを作り、レイアウトにこだわったオフィス空間を生み出すことはずっと以前から行われてきました。

これまでオフィスに緑を置くことは、主に装飾のための風合いが強く、“見た目”という点に重点が置かれがちでしたが、近年ではその認識が少しずつ変わりつつあります。
植物のもたらす効果が、オフィスで働く人々にとって非常に良い効果があることが分かってきたからです。そのため、造花ではなく、自然に生きる植物を、より大きな規模で導入することに積極的な企業が増えてきています。

バイオフィリックデザインの導入事例

日本でも株式会社竹中工務店東京本店やヤンマー株式会社本社などでバイオフィリックデザインが取り入れられていますが、この章では、実際にバイオフィリックデザインを大規模に導入した世界的企業を取り上げ、どのような効果につながっているのかを紹介します。

Google(グーグル)

1社目は、シリコンバレーに本社を構えるGoogleです。

Googleのほとんどのオフィスでバイオフィリックデザインが採用されていますが、特に自然感を強く感じられる例としてよく上がるのがスイス・チューリッヒにあるオフィスです。

単にグリーンを置くのではなく、テーマに合わせて植物を配置することで、従業員の集中力を高める調和の取れた空間を作り出しています。

Amazon(アマゾン)

2社目は、シアトルのダウンタウンにあるAmazonです。

本社前に建設された「Amazon Spheres(アマゾン・スフィア)」は、全面をガラス張りにすることで自然光を取り入れた球体型のワークスペースです。湿度を一定に保つ機能の植物を採用して、風通しをよくすることで空気の循環を促し、ヒトと植物が共生しやすい環境・空間を実現することで、従業員の幸福度を高め、生産性や創造性の向上を図っています。

現オフィス環境で実現できる4つの具体的な取り入れ方

世界におけるバイオフィリックデザインの本格的な導入事例について紹介しましたが、そのために新たな社屋を建設したり、オフィス内のレイアウトを大きく変更したりすることが難しいというケースもあるでしょう。

そのような場合には、無理にレイアウト変更する必要はありません。簡単なバイオフィリックアイテムを取り入れるだけでも、従業員の勤務中の幸福感や生産性、創造性に対してよい影響を与えることがわかっているからです。

ここでは、現環境でも簡単に取り入れられるバイオフィリックアイテム4つを紹介します。

鉢植えを配置する

今のオフィスレイアウトを活かしたまま、バイオフィリックデザインを取り入れたいときは、鉢植えを飾る方法がおすすめです。

エントランスや打ち合わせスペースといった広い場所には、背が高めの観葉植物を配置することで、自然の要素を取り込むことができます。

逆に、デスクまわりやキャビネットなどの限られたスペースには、多肉植物や花などの植物などを置くとよいでしょう。

壁や天井に飾る

移動の動線やスペース的に余裕がないというときは、壁や天井から観葉植物を吊り下げるという方法はいかがでしょうか?

ホームセンターなどで植物を吊るすためのピンが販売されており、特別な工具不要で取り付け、S字フックなどで簡単に吊るすことができます。

天井や壁に穴を開けての利用ができないときには、カーテンレールなどにひっかけるのもおすすめです。グリーンが宙に浮くことで、解放感が増すだけでなく、ふとした瞬間に目に留まりやすくなるので、バイオフィリックデザインの効果も発揮されやすいでしょう。

間仕切りと併用もしくは組み合わせる

空間の間仕切りとして使用するパーテーションパネルなどがあれば、そこにグリーンをプラスするのもおすすめです。

特に、グリーンは木目調のパーテーションとの相性がよく、カフェのような落ち着きのある空間を演出できます。

音でバイオフィリックを取り入れる

バイオフィリックアイテムを置いたり、レイアウト変更をしたりするのが難しければ、自然の音を流す方法をお試しください。

川のせせらぎや鳥や虫などが鳴いている森の音など、自然界で発生している音であれば、聴覚を通じて自然を感じることができます。

ただし、トイレなどに設置された擬音装置のような聞いた人が人工的な音だと感じてしまうとバイオフィリックデザインと同じ効果は得られません。

オフィス内に自然の音を流すときは、できる限り自然な音を流すように心がけましょう。

バイオフィリックデザインを採用する場合の注意点

現オフィスで簡単にできるバイオフィリックアイテムを使った取り入れ方を紹介しましたが、注意すべきことがあります。

植物をオフィス内に置いても大丈夫か管理会社へ確認する

1つ目の注意点は、観葉植物などをオフィス内においても問題がないかを確認することです。

災害発生時や不慮のトラブルなどの可能性があることから、ビルの管理会社によってはオフィス内にグリーンを置くことを禁止している場合もあります。

勝手においてしまうとトラブルに発展してしまう可能性があるため、バイオフィリックデザインを採用する際は、まず管理会社へグリーンをおいても大丈夫かを確認してからバイオフィリックアイテムを置くようにしてください。

バイオフィリックアイテムの配置場所が動線に影響しないか確認する

2つ目の注意点は、バイオフィリックアイテムを配置する際に、従業員の動線に影響しないかを確認することです。

オフィス空間に対して、ナチュラルに取り入れようとするとインテリアとの調和を考えることも大切ではありますが、大きなサイズのバイオフィリックアイテムを採用する場合は、ただ置くスペースを確保するだけではいけません。地震や火災といった災害時に、逃げるための通路をふさいでしまわないかということも考慮して置くスペースを決定する必要があります。

バイオフィリックアイテムを購入する前に、配置予定の場所においても万が一のときに困らないかをよく確認するようにしましょう。

バイオフィリックアイテムが増えた場合の維持管理の計画を立てる

最後、3つ目の注意点は、取り入れたバイオフィリックアイテムの維持・管理していくための計画を立てることです。

バイオフィリックアイテムは大きく分けると、フェイクグリーンと本物のグリーンの2つがありますが、いずれもきれいな状態を保つためにはその分のコストが必要です。

例えば、フェイクグリーンの場合は、葉にたまったほこりのふき取りといった手間がかかります。

本物のグリーンの場合は、自社でバイオフィリックアイテムを購入して配置すると、自分たちでメンテナンスする必要が出てきます。数が少なければ負担も少ないですが、配置する植物の種類や量が増えると、維持管理だけでも大変なものです。

バイオフィリックデザインを取り入れたいけれど、バイオフィリックアイテムのお手入れまでのリソースが割けないというときは、購入よりもレンタルのほうがよいかもしれません。レンタルであれば、業者が定期的にメンテナンスを行うため、担当を決めて社員にお世話をさせる必要がなく、きれいな状態を保ちやすくなります。

観葉植物(グリーン)が生み出すプラスの効果

『緑があると、なんとなく落ち着く』という人は多いと思います。同時に多くの人があまり意識していないのが、植物が実際に人に与える心理的・科学的な効能だと思います。
植物がもたらす具体的な効果を見てみましょう。

心理的ヒーリング効果

普段コンクリートの都市に囲まれた私たちは、植物を身近に感じたり、触れたりすることで普段では味わえないすがすがしさや安らぎを得ることが出来るとされています。

眼精疲労対策

植物の「緑色」は人間にとって目の疲れを癒したり、大脳皮質の働きを活性化させる効果があると言われています。

マイナスイオンを増やす

植物から新しい水滴ができるときには、水滴に接する部分が空気分子からプラスの電気を奪い取る事により空気分子はマイナスに帯電し、空気のマイナスイオン化を起こしてくれます。植物から発生しているマイナスイオンには鎮静効果や安定効果があります。

空気をきれいにする

観葉植物には室内の建材などに含まれる微量のホルムアルデヒド・キシレン・トルエンなど、人間にとって有害な化学物質を吸収してくれる作用があり、恒常的に空気清浄の働きを助けます。

湿度を保つ

植物は光合成をすることで二酸化炭素から新鮮な酸素を作り出す働きをしてくれます。 また、室内に観葉植物を置くことで、根から水を吸い上げて葉から蒸散させるため、室内湿度の調節を行ってくれます。

オフィス環境への効果
オフィスの景観向上/オフィス気温の調整/空気清浄効果企業のイメージアップ

人への効果
心理的ヒーリング/疲労度の軽減/ストレスの緩和/生産性の向上

オフィス観葉植物でおすすめの植物一覧

【パキラ】

大きな5枚の葉、みずみずしく、色あざやかな緑の葉が特徴的で、観葉植物の中でも特に人気の高い定番の観葉植物です。室内で育てることができるもののなかでも特に寒さや乾燥、病害虫に強く、耐陰性もあるため、非常に育てやすく年間を通じて観賞を楽しめます。 パキラは「金運を運ぶ発財樹」ともされており、ビジネスシーンでは開店祝い、開業祝い、移転祝いなどの贈り物としても大変人気のある観葉植物です。

【モンステラ】

非常に人気のある定番の観葉植物。丸みを帯びた葉に深い切れ込みが入った葉が特徴的。耐陰性に優れ、直射日光が当たらない環境でも健やかに育ちます。
病気や害虫に強く、かなり強い耐寒性を持っており、丈夫で育てやすいうえに、耐陰性ももちあわせているので場所をあまり選ばず、水やりの頻度も少なくて済むためオフィスに非常に向いた観葉植物だといえます。

【サンスベリア】

上へと伸びる細長い葉が特徴のサンスベリアは空気清浄効果の高い植物といわれ近年人気が高まっています。葉の模様がトラのしっぽを連想させることから「トラノオ(虎の尾)」と呼ばれることもあります。暑さと乾燥に強い性質があり、育てやすい植物ですが、極端な寒さや過度な水やりは避けなければなりません。(冬場10℃以下になると休眠状態に入るため、冬場の水やりはほとんど必要ありません)適度な日当たりを好むため、直射日光をさけた日当たりの良い場所か、明るい日陰に置いてあげるのが良いです。

【カポック(シェフレラ)】

美しい緑色の幹や茎、丸みを帯びた葉が特徴的な観葉植物。基本的に太陽の光を好む性質がありますが環境順応性が高く、耐陰性も強く寒さにも強いため丈夫で育てやすい観葉植物として知られています。また、乾燥にも強いため、こまめな水やりが必要ありません。

バイオフィリックデザインでオフィス緑化を導入するには

非常に多くのメリットが挙げられるオフィス緑化。自然植物を多く取り入れることはリラックス効果だけではなく「オフィス気温の調整」や「空気清浄効果」といった機能的な側面からも理にかなったものですが、大規模な緑化の導入にはそれなりの手間もかかるのも事実です。水やりや、落ち葉処理など細かいメンテナンスも必要になってきますが、近年ではオフィス緑化をパッケージ提案、維持管理も行ってくれるサービスも増えてきています。

さまざま働き方が進んでいくであろうこれからの時代、従業員がいきいきと働ける環境を作りあげることは企業の生産性・競争力向上にも直結すると考えられます。
『バイオフィリックデザイン』に基づいた“オフィス緑化”が生み出すメリットを最大限に活かして従業員を支援していくことも経営のポイントなのかもしれません。

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