テレワーク

2021.04.27

テレワークで起きる社員の「過重労働」や「さぼり」は仕組み作りで解決できる

政府による働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染拡大によって、さまざまな企業でテレワーク導入が加速しています。テレワークでは、企業の管理監督者が社員と同じ場所で仕事をするとは限らないため、勤怠管理が難しくなり、社員それぞれが抱えている課題や悩みにも目が行き届かなくなります。社員の「過重労働」や「さぼり」等も懸念されるため、企業の上層部や管理者がすべきこと、おすすめのツールなどを紹介します。

テレワーク(リモートワーク)とは?

一般社団法人日本テレワーク協会では、テレワークの定義を「情報通信技術を使った場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と紹介しています。テレワークの「tele」とは、離れたところ、「work」には、働くという意味があります。

最近よく耳にする、リモートワークとは何が違うのかと疑問に思う人もいるでしょう。結論からいえば、同じ意味です。「remote」には遠隔といった意味があります。

テレワークは、日本でも一部の企業で導入されていましたが、2017年に政府が発表した「働き方改革実行計画」をきっかけに、多くの企業で導入・取り組みが進みました。一般にテレワークは、在宅勤務、モバイルワーク、施設利用型勤務に分けられます。その他にも自営型と呼ばれる個人事業者や小規模事業者などが行うテレワークがあります。

社員は「さぼり」を意識して、逆に働きすぎる?

テレワークを導入すると、企業側やマネジメント層が懸念するのが社員の「過重労働」や「さぼり」です。厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」に掲載されている在宅勤務後のレビューでは、多くのの社員がいつも以上に仕事に集中し、成果を出していると回答した企業が大半です。

テレワークをする社員の立場からすると、「さぼっていないか」と思われないために、逆に普段以上に成果を上げる傾向にあるといえるかもしれません。しかし、その一方で管理者は、このような社員の意識が、結果として社員の「過重労働」につながるリスクがあることを意識しておく必要があるでしょう。

テレワークを実施するメリットとデメリット

ここでは、企業がテレワークを実施する際のメリットとデメリットを考えていきましょう。

メリット

  • 1.業務効率化・生産性向上
  • 2.人材確保・離職防止/多様な人材の活躍
  • 3.ワーク・ライフ・バランス
  • 4.業務継続性確保

テレワークを実施するメリットの一つは、業務効率化・生産性向上です。たとえば、会社に戻ることなく、営業先でスマホやタブレットを使って必要なデータを検索したり、商談後の事務作業を会社に戻らず行うことで次の商談にスムーズに行けたりするでしょう。

その他には、テレワーク導入によって求人の応募数が増えたり、出産や家族の転勤を機に離職をするのを防いだりできます。また、骨折や病気で通勤が困難の方や、高齢者・障がい者の雇用にもつながるでしょう。育児や介護をしながらでもテレワークなら仕事が続けられるといったメリットもあります。

厚生労働省の調査によると、テレワーク導入によって「家族と過ごす時間が1時間以上増加」と答えた人は52.6%、「育児の時間が1時間以上増加」の人が49.3%と報告されています。そのため、テレワークはワーク・ライフ・バランスにも有効と考えられます。

地震といった災害時、新型コロナウイルス感染症拡大などパンデミック発生時の非常事態でもテレワークによって業務が継続できることもメリットです。これは非常時だけでなく、「新型コロナウイルス感染症拡大を予防するために出勤を控えたい」「大雪や台風で出勤を控えたい」「家族がインフルエンザにかかり、他の人のためにも出社したくない」といった際にも有効でしょう。

デメリット

テレワークのデメリットは主に3つあります。

  • 1.労働状況の把握や自己管理が難しい
  • 2.情報漏洩のリスク
  • 3.心理的な不安

企業側は、社員が出社しデスクで仕事をしていれば労働時間であることを把握できます。しかし自宅やワークスペースでのテレワークとなると、社員が働いているのかどうかの把握が難しいといったデメリットがあるのです。社員側は、テレワークだと自己管理できず、仕事と私生活の切り替えが難しいといったデメリットもあるでしょう。

また、社外で仕事をするとなると、セキュリティを強化しなければ情報漏洩のリスクが高まる危険性もあります。さらに、テレワークによって「定性評価よりも定量評価が重視されないか」「1人での仕事が増え孤独や疎外感を感じる」などの心理的な不安が増すといったデメリットもあげられます。その他にもコミュニケーションが極端に少なくなることも考えられるでしょう。

企業、マネジメント層がすべきこととは?

テレワークを導入する上で、企業やマネジメント層がすべきこととはどういったものでしょうか。

ツールを使って空間共有をする

社員の「過重労働」や「さぼり」が気になる場合やコミュニケーション不足を解消するために有効なのが、空間共有です。WEBカメラを活用し相互で仕事中の様子が見えるようにしたり、WEB会議やテレビ会議ツールを導入したりするのも良いでしょう。

成果報告の管理体制に変更する

労務管理や報酬評価の1つの方法として、日報や進捗報告を義務制にするのも有効です。そうすれば、テレワークであっても、1人1人の仕事内容を確認し進捗状況のチェックができます。

フレックス制導入など勤務形態を見直す

テレワークのみで運用するのも良いですが、仕事量に波がある場合や出社して仕事をしたい場合などは、フレックスタイム制を導入して勤務形態を見直すのもおすすめです。仕事量に合わせて早めに終業できる仕組みを作ると、社員も効率良く働くことに意識が向くので、集中力アップも期待できます。

実態の可視化をする

テレワークだと社員1人1人が、現在どういった案件に取り組んでおり、どんな状況にあるのかがわかりづらくなります。管理者のフォローが遅れると、社員が1人で仕事を抱え込んで思い悩むケースもあります。そういったことを防ぐためにも、個々の社員がどういった案件に取り組んでいるかなどの実態を可視化するのがおすすめです。

空間共有におすすめのWEBツール

社員の「過重労働」や「さぼり」を防ぐのにも有効な空間共有におすすめのWEBツールを紹介します。

WEB会議ツール

WEB会議とは、インターネット上で行う会議のことです。音声だけで利用したり、テレビ電話のように相手の顔を見ながら会議ができるWEB会議ツールは、専用の機材を用いるものや専用URLをクリックして会議に参加できるものがあります。

チャットツール

チャットで手軽に連絡ができるツールのことです。メールだと、アドレス入力や文章を考えるのが手間と感じる方もいるかもしれません。チャットだと会話のように連絡がとれるので、業務連絡だけでなくコミュニケーショにも役立ちます。

SFAツール

SFA(Sales Force Automation)ツールとは営業支援ツールのことで、社員間で情報共有するのに有効です。各人がどういった案件を抱えているのか、その進捗状況はどうなっているのかなどを可視化できます。ツールによっては、これまでの営業データをもとに分析データを自動で作成するものもあります。

可視化におすすめのWEBツール

これまでの仕事によってどんな結果が出たのか、社員1人1人の業務活動状況などを判断するには、それらを可視化する必要があります。ここでは、可視化におすすめのWEBツールを紹介しましょう。

組織ネットワーク分析

組織内のコミュニケーション量から、メンバー同士の関係性やネットワークを分析する手法です。
会話量やメール量などからコミュニケーションを定量化・分析し、その結果を可視化して報告してくれます。これを使えば、どれだけ社員間でコミュニケーションがとれているかを知ることができます。

まとめ

テレワークの社員だけでなく、人によっては出社していても「過重労働」や「さぼり」が起きる可能性はあります。さまざまなツールを使って仕組み作りをしっかり行えば、テレワークでも社員の仕事状況を適切に把握でき、人事評価もしやすくなるでしょう。また、社員のモチベーションアップにもつながるかもしれません。社員に任せる部分と管理のバランスをとることが、テレワーク導入を成功させる秘訣といえます。