ABW

2021.03.30

フリーアドレスとは違うの?導入が増えるABWオフィスとは?

この記事では、今話題になっているABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)について詳しく解説します。欧米の企業が次々と導入していることで話題となっているABWには、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか?実際にABWを導入している企業の事例とともにご紹介します。

ABWとは?フリーアドレスとは違うの?

ABWとは、オフィス内にさまざまなアクティビティに適したワーキングスペースを設置し、社員は作業内容に応じて働く場所を自由に選択できるオフィス形態のことです。

ABWはオランダのコンサルタント会社「Veldhoen + Company」が提唱し、生産性が高まる勤務形態として欧米の企業や働き方改革に意欲的な日本の企業にも導入され始めたスタイルです。

ABWは働く場所を特定しない広い概念ですが、これをオフィス内に絞って実践するのがフリーアドレスです。フリーアドレスとは、オフィス内で個人が専用のデスクを所有せずに好きなデスクに着席して業務を行うスタイルです。

ABWにおすすめのデザイン

オフィスにABWを導入するにあたり大切なことは、オフィスの現状をしっかりと把握することです。作業内容はもちろんのこと、作業スペースや設備、社員の在籍時間など、まずは社員にしっかりとヒアリングしましょう。

そのうえでレイアウトを検討します。例えば、仕事にしっかり集中できる個人ブースや、大人数用だけでなく少人数でも会議ができるスペース、電話やWEB会議用の音が漏れないスペースなどさまざまです。社員がリラックスできるカフェスペースや、社員同士のコミュニケーションを図れるアクティビティスペースなどが必要なケースもあります。

これはあくまでも、ABWオフィスの一例であり、すべてのオフィスに最適とは限りません。それぞれの業務内容や社員のニーズをしっかりとリサーチしたうえで、どのようなデザインが最も働きやすいのかを考えるようにしましょう。

ABWオフィスの参考例

オーストラリアの総合物流不動産総合グループ「Goodman」は、オフィスのリニューアルとともにABWを徹底的に研究したうえで導入しました。

まずはデスクの数を従業員の60%分に減少し、その分オフィス家具や異なるエリアを増加しました。オフィスは大きく2つのゾーンに分類され、一方はオーストラリア国内の事業に関するフロア、もう一方はグローバル事業に関するフロアとなっています。

また、取引先などとの電話に使用される「電話ボックス」や、セミクローズドの「会議室」も設置されています。さらに、社員はデスクで食事をとることを禁止される代わりに、社員専用のコーヒーマシーンがあるキッチンスペースが設けられ、社員同士のコミュニケーションの場として活用されています。

ABWが導入された結果、社員はどこでどう働くかを自分で選択する「自由」と「責任」を与えられました。社員は自分にとってはもちろん、チームのためになるような働き方を考えるようになり、コラボレーションの創出や社員間のコミュニケーションの増加、エンゲージメントの強化といった効果が現れ、その結果、同社の離職率低下にもつながりました。
ABW導入後、CEOをはじめマネージャーや社員など、すべてのワーカーがフラットな関係で働くことができるようになり、非常に満足度の高いオフィスが実現しました。

まとめ

今や昔と比べると働き方や業務内容は大きく変化をしています。それに合わせて働く空間やスペースも変化を求められている時代です。より生産性と利便性を高めるワークスタイルとして、ABWは今最も注目を集めているといっても過言ではありません。

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